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菊地武光公の生涯を小説に書きました


全くそんな気はなかったのですが、今年の初めころ、あ、まとまったなあ、と感じてしまったのです。

小説なんて柄じゃないし、書く気はない、と思っていました。
菊池一族とか、武光公とかの物語に対して、初めは何の知識もなく、深い興味はありませんでした。
5年前に菊池市に来て、じわじわと菊池一族のことを知り、やがて菊池武光公という人の生涯がかなり面白そうだなと思うようになったのです。
とは思いましたが、それはそれだけのことでした。
それからいつの間にか、自分では気が付かないままに、無意識のうちにストーリーを念弄していたんですかね。協力隊の任期3年を通じて菊池の歴史に次第に深入りし、絵を描くために当時の史跡を巡り、つい深入りしていたんですね。
そして任期を終えてさらに2年近くがたって、ふと、あ、できちゃったな、と思ったんです。
菊地武光公の物語は、そもそも歴史的事実があって、それが太い骨格をもち、エンタメストーリーとして成立する条件を満たしていたんですね。そのことが私を刺激したんでしょう。
なんて面白いストーリーなんだ、でも、誰も知らない、これってありか?なんてね。
惜しい!と思いました。


1菊池都鳥観図小


誰も知らないとは失礼だったかもしれません。

北方謙三さんに「武王の門」という小説はありました。
面白い小説で、その作品では後醍醐天皇の息子、懐良(かねなが)親王が主役で、我らが菊池武光公は2番手、という位置づけだったかと記憶しています。
彼らが征西府を運営していくという大きな流れは同じです。
菊池市へきてその小説のことを知り、読んでいたのですが、自分自身、菊池市に住んで実感的に菊池一族の歴史に触れていき、武光公を中心に歴史を見返した時、あ、違う見方があるな、と気が付いてしまったんですね。
「武王の門」はあくまで中央の人が見た地方史、という感じ、とでも言ったらいいのかな。
いえ、私がそう感じた、というだけのことですが。
菊池、いえ、熊本や九州の人間、という立場からすると、違う見方が成立するんだけどな、と感じた気がします。地元から見てみたら、別な物語がどんどん見えてきてしまった、という感じでしょうか。


2、菊池本城 守護の館小


とはいえ、物語を創作することはたっぷりやってきてしまったので、もうおなかいっぱい、いったんリタイアした以上、もう2度と物語創作はする必要もないし、若い人たちがどんどん新しい地平を開いてくれるだろうから、出る幕をなくした老人はただ大人しく引きこもろうと思っていました。
それより絵を描いて、死ぬまでひっそりとでいいから精進を続け、最後まで絵描きとして腕を伸ばしていきたい、と望んでいました。
なのに、いつの間にか武光公の話が勝手に頭の中にまとまってきていたんですね。
そして冒頭に書いたように、突然、あ、できちゃった、と感じてしまったというわけです。
でも、小説なんて面倒くさいし、いまさら発表の当てもないし、書いて何になる、と思ってました。
何しろリタイアして10年になるので、誰も私なんて覚えてないだろうし、武光公も有名な武将ではないので、ジジイの元脚本家が小説化しても、商売にはならず、出版業界が相手にしてくれるはずはないからです。だからやめとこう、書くのは大変、もうそういうの、いいから、と自分に言い聞かせました。


3、守山城主郭小


なのに、突然、ある朝、急に足が菊池市の図書館に向かっていたのです。

郷土資料のコーナーに、郷土史の先生方の書いた資料がたくさんあります。
それをむさぼるように読み始めてしまいました。
ディテールを詰める為です。
判明している限り正確を期そうと徹底的に調べ始めました。
先生方はそれぞれ興味のある点について書かれているので、まずは武光公の生涯の事件や出来事のあれこれを年代順に整理し、この時期には中央ではこんなことがあった、あの人は武光公がいくつの時に亡くなっている、などと皆さんの著作を調べ上げて整理していきました。
そんな作業をしながら、あ、俺、書こうとしているな、と自覚していきました。
これは書くしかないんだな、仕様がない、書くか、という感じです。


4、守山城御殿・松林能小


執筆には3か月から4か月かかったと思います。

単行本にするなら優に上下巻2冊分はあるでしょう。
長い!
誰が読むんじゃ⁉
と思いましたが、昔から整理整頓された行動をする人間じゃないので、火が付いた以上仕方がないのです。
誰に読まれようと読まれまいと、もう関係ありません。
いまさら世に出たい気持ちもないし、雑誌社に売り込むなんてもう億劫で億劫で。
そしたら若い人からネットに小説をのっけて人様に読んでもらう手がありますよ、と教えてもらいました。
へえ、そんな時代になってたのね、なんて間抜けな感じで、じゃあ、発表してみようかな、なんて思うようになったのです。
でも、すぐには決断が付かず、うじうじと迷いながら、移住記をのっけさせてもらいながら、どうしよう、なんてぐずぐずしてました。
ただ、地元菊池の人たちにわが故郷のとんでもないエンタメストーリーを知ってほしくて、それがもしかして地域おこしにつながるかもしれない、などといろんな思惑も交錯し、ついに広く皆様に読んでもらえる道を模索しようとなりました。
だから、このNOTEで掲載してみようと思います。
実は教えてくださった方に勧められて別なサイトにも発表してるんですけどね。


6、内裏尾、雲の上宮小

お金が取れるとは思わないので、読んでいただくのは無料です。
長いです!


今時、私のような年寄りが書いた歴史小説を若い人が読む、というイメージが掴めないので、とんだ無駄骨折かな、という疑念がぬぐえません。
年寄りは紙じゃないと読みませんしね。
とはいうものの、掲載は無料だし、誰に負担をかけることでもないので、ま、投稿してみるか、と思っています。
負担がかかるとすれば、読む人にですよね。
まあ、面倒くさければ無視して頂ければいいので、負い目に思う必要もないのでしょう。
今時の若い人の書くしゃれた味なぞ出せません。
間違いなくスタイルは時代遅れです。
歴史エンターテインメントとして、壮大なスペクタクル、映画にしたり大河ドラマにしたりすれば面白いストーリーだ、という自信はあります。
まあ、自称ですから、眉に唾してくださいね。


5、院の馬場小


というわけで、近々NOTEに小説を上げていくつもりです。

週1くらいのペースで、小説の1項目ずつ発表していこうかな。
完読してくださる方が10名出てきたら、感激なんだけど。
まあ、高望みはやめておきます。
志、情けをかけてくださる方、どうぞよろしくお願いいたします。


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