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かっぱ橋パトロール

家から歩いて3分ほどのところに、道具街のかっぱ橋がある。
昔は飲食店の人たちが食器や道具類を買いに来る場所だったけれど、やがて外国人観光客が増えて、街並みは大きく変わった。おしゃれなお店が増えて、何よりも「包丁」を売る店が激増した。
剥き出しの包丁が所狭しと並ぶ店が林立していて、ある種の狂気も存在している。料理道具という幸せな場所に、何やらダークサイドの側面も宿っている気がして、かっぱ橋はなんだか不思議な街なのだ。

コロナの3年間はそのかっぱ橋から観光客の姿が消えてしまったけれど、このところすっかり戻りつつあって、賑やかになってきて何だかうれしい。

そんなかっぱ橋を、週1ぐらいにパトロールしているんです。

あ、パトロールってのは警備しているわけじゃなくって(笑)、なんか変わったことはないかなー、新しい掘り出し物はないかいな、と徘徊することを指すわけで、同様のことを日暮里の繊維街でもやっている。
細かいもの、何の用途に使うのかよくわからないもの、何か工夫したら何者かになるのではないかと思われる素材などが埋もれている場所が、やたら好きなのだと思う。

昨日は所用があって出かけたので、田原町からかっぱ橋を突っ切ってパトロールしながら帰ることにした。今週は2回目だけど、いいのだ。
ここまで細かいものに満ち溢れていると、何度歩いても飽きないもので、何度歩いても何かしらの掘り出し物があって、ここはなんと楽しい場所なのだろうといつも思う。
お店の人たちも、いい。

ぶっきらぼうなのに
優しい。

かっぱ橋は田原町からアクセスする人が多いので、田原町交差点に近いあたりが心なしか賑わって活気に溢れている。
北上して言問通りに近づくにつれ、街並みはどことなくマニアックな風情となって、人通りも少なくなっていく。
そんな通りの終わりのあたりに、竹製品のお店があって、私はここが大好きだ。

かごもざるも、増やしても仕方ないので見るだけなんだけど、昨日はふと、冒頭の写真のようなものを見つけたので思わず買ってしまった。

こりゃあ、鍋のお供に欠かせないもんだ。
すばらしい、しかも242円だった。
正式名称は何なんだろう。
んにしても、安すぎるだろう。

財布の一円玉を探している私の横で、店主のおじいちゃんは中国からの観光客を相手に、箸置きの在庫を身振り手振りで説明していた。
「これね、全部でトゥエンティワン! これだけで終わり」

道すがら出ていた包丁研ぎのおじいさんは、観光客相手に流暢に研ぎ方の説明をしていて、いいなあ、あんな仕事したいなあと私も思ったんだった。笑

この日の夕食は、もちろん鍋
鶏ひき肉に長芋とセリを入れて鶏団子を作ったら、めちゃうまかった。
道具ひとつで、こんなに幸せになれる日があることのうれしさ。

かっぱ橋、きてね。

おじいちゃんの竹製品のお店はこちら。
https://www.kappabashi.or.jp/shops/86/


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