「イパネマの娘」はダントツ、ポルトガル語の歌詞がいいね! の件
ボサノバ弾き語りを習い始めて1ヶ月が経ちました! 課題曲の最初は「ソダンス ソサンバ」。歌詞短い、覚えやすい!
んで、次に選んだのが「イパネマの娘」。ええやん、定石スタンダード。
私が習っている先生は、まず最初にブラジルポルトガル語の発音を丁寧に練習する。日本語発音でカタカナ表記のまま歌っちゃうと、イパネマの娘がボサノバではなく「イパネマ音頭」みたいな拍子になっちゃうことが多いので、腑抜けた感じにしゅわーと流れていくようなポルトガル語の発音を練習する。
人生で接点のなかった、ブラジルポルトガル語という新しい世界。
おもろー。
カタカナではなかなか覚えられないので、少しだけポルトガル語をかじりながら、イパネマの娘の歌詞を紐解いてみた。そしたら、あれ、私が知ってる英語の歌詞より、なんだかずっと哀愁みたいなものに満ちていてとてもいいのだった。
イパネマの娘 (ポルトガル語訳ーテキストから)
彼女を見てごらん
神が与えた あの美しさを
彼女は 甘やかに体を揺らしながら
海辺の道を通り過ぎていく
イパネマの太陽で 小麦色に日焼けした娘
しなやかに揺れて歩く姿は ひとつの詩よりも美しい
それは 私が今までに見た中で もっとも美しいもの
ああ なぜ私はこんなにも1人なのだろう
ああ なぜすべてが悲しいのだろう
ああ なんと美しい存在
その美しさは わたしだけのものではない
彼女もまた 1人で通り過ぎていく
ああ 彼女は知っているだろうか
彼女が通り過ぎる時
世界は 微笑みと喜びで満たされ
そしてその愛によって さらに美しくなるということを
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美しい女性を見ている男は
孤独や悲しみを抱えていて
その圧倒的な美を独り占めしようとしているのではなくて
美しいものは世界を愛で満たす、って言いたいのよね。
なんていい詞なんでしょ。
それが英語になると、こうなっちゃうのよね。
若くてきれいなイパネマの娘が海岸を歩くと、みんながため息をつく。
彼は声をかけたいのに、彼女はぜんぜん彼のこと見てくれないんだ!
とてもシンプル。ナンパの歌。
いや、これはこれでとっても好きだけど。
ついでに、フレンチボッサを目指す身としてフランス語の歌詞を探して、またまたおもしろい発見をした。
冒頭のイパネマの娘の形容詞はフランス語では
Grande, mince, belle et douce
背が高くて、すらりとした、美しく甘やかな
でも英語は
Tall and tan and young and lovely
背が高くて日焼けした、「若くて」かわいい
ね?
「若い」が入る。
フランス語の歌詞に、そんな形容詞はみじんも、ない>笑
さらにいえば、ポルトガル語の歌詞ではただ「神が与えた美しさ」となって、身長とかかわいいとか若いとか、そういう要素の言葉はまったくないのよね。
おもろいね。
イパネマの娘を日本語で唄ってるバージョンもあるんだけど、。なんか女性が唄ってるからイパネマの娘なのに「あの人」って対象が男性になっちゃってて。
あの日 海辺をゆく あの人を見たの
素敵な人なの 若いイパネマ育ち
それで、サンバが大好きで夜ふかしで踊るんだって。
ちょっと聞いていると恥ずかしい>苦笑
やっぱりこの歌はポルトガル語が一番よくて、音楽ってそうやって、その曲が生まれた場所の言葉で歌われるのが、一番いいんだなあと改めて思う。
ボサノバ弾き語り、思いがけずいろいろなことがおもろ。
今日はレッスン。
それでは行ってきまーす。
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