「囚人のジレンマ」の続き

みなさんこんにちは、いずみんです。
今日はどれくらいの知名度か全くわからない「囚人のジレンマ」について面白い話を知った&思い出したので書いていこうと思います。

そもそも囚人のジレンマって?

経済学のゲーム理論として出てくるシチュエーションの1つです。ちなみに他にも男女のデート場所を決める「バトル・オブ・セックス」、どちらが先に選択を変更するかの「チキンレース」などがあります。
「囚人のジレンマ」の1番の特徴は、「優越戦略」が全体の利益の最大化を妨げている、ということです。

囚人のジレンマのモデル。具体的な数値は自由だったり。

あなたはAさんだとしましょう。もし仮にBさんが「黙秘」する場合、あなたにとって最良の選択は「自白」です。また、Bさんが「自白」する場合でも、あなたにとって最良の選択は「自白」になります。
つまり、Bさんが何を選んでも「自白」が最良の選択になります。これが優越戦略であり、このとき全体で見た時の利益は最良にはなりません。

ここまではある程度知られている話でしょう。
これだけを見て、裏切るという選択肢が優れていると思うのは早計です。

「囚人のジレンマ」の続き

では、みなさんにお聞きしたいのですが、友達から100円借りたとしましょう。このとき、返せば何も残りませんが、返さなければ100円得ができますね。
まぁこんなことで縁を切る人はいないでしょう。なぜなら、100円よりも大事なモノがあるからです。

そう、このゲームモデルにおいて重要なのは試行回数が1度きりではない、ということです。1度だけであれば何をやってもいいかもしれませんが(あくまでゲーム上の話)、その後の付き合いのことを考えるとそうはいきませんよね。

ここに、このような実験があります。無期限に囚人のジレンマゲームを繰り返したところ、とある戦略が2連覇したそうです。それが「しっぺ返し」といわれるものです。

1.最初は協調(黙秘)を選ぶ
2.相手が協調なら次は協調を、裏切る(自白)なら次は自白を選ぶ。
3.これを繰り返す。

たったこれだけの戦略で、他の戦略と1対1では勝てないものの、総合得点という点では1位になったそうです。
この戦略は個人的に消極的なものだと思っています。勝つことはないけど、負けることもないという点においては。特に僕は知り合いが多い方ではあるので、対多数に強い戦略で生きていければいいかな。

ただ、この研究結果を実際の生活に応用することができるかどうかはまだ疑問が残るといわれているようです。
さらに単純なしっぺ返しよりも、「寛容なしっぺ返し」「勝てばそのまま負ければ変える」戦略など、しっぺ返しを上回る可能性もある戦略もいくつかあるそうです。
なので参考にする際はある程度気をつけてくださいね。

「囚人のジレンマ」の続き(裏)

先ほどの章の最後で、「しっぺ返し戦略を上回る可能性があるものもある」とお伝えしましたが、条件によっては完全に勝てるものもあります。最後にそれを紹介しようと思います。

まず前提条件ですが、今回はチーム戦です。そしてチーム全体での得点を競うのではなく、あくまで個人で誰が一番点数を稼げるかを競います。

その結果、勝利したのは「主人と奴隷戦略」と呼ばれるものでした。名前の通り、主人を勝たせるために奴隷は犠牲になって惨敗する、というものです。
個人的には誠実な人が得をして、利己的な人間は淘汰される社会が望ましいと思っているので、明らかな裏切りアクションを取る人間にはいい思いをさせたくないと思ってしまいます。裏切られて奴隷側になった側の話を聞いているので・・・。

最後に


繰り返しですが、あくまでこれはモデルシミュレーションの1つです。とはいえ、現実に基づいているシミュレーションであり、完全に互換性がないとも言い切れないでしょう。
どれほど参考にするかはあなた次第ですが、誰かを悲しませてでも得をしたいのであれば、裏切り戦略をとればいいのではないのでしょうか。


それでは。

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