朔の詩
みんな誰もいない
幾何学模様の部屋が揺れる
壁が笑う
通り過ぎるもの達は
過去へと流れていく
僕はここにいる
雨が降る
多角形の部屋に
僕の行き場がない
無数の角が僕を突き刺す
声が音にならない
さながら
受精卵のように
僕の周りで
部屋は分裂を繰り返す
部屋を包み込む黒い物体の鼓動が
僕を揺り起こす
だから、僕は眠れない
息苦しくて
叫びたくて
僕は伸びをしようとする
けれど、それすらも出来ない
もう、僕にはこの部屋は狭すぎる
僕はもう、ここにいない。
読んでいただけてうれしいです。ありがとうございました。 (*^-^*)