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タイトルは"まだ死ねない人間"。病んだ日の夜にベンチで綴る詩。

リュックサックひとつ背負って旅する若者のように、僕は自由になりたかった。

誰もいない夜空の下のベンチ。

聞こえるのはトラックのエンジン音。

今まで自分が語ってきたこと。

自分で紡いできた人生。

そのいちばん端っこに今、座っている。

こんな命、どうにでもなれ。

誰もいないから、僕は小声で呟く。

人はみんな、自分の物語を生きている。

じゃあ物語を生きられなくなったらどうしたらいい?

もう一度夢を描けばいいさっていう

ありふれた邦楽の歌詞が流れ出した。

残念だけど、僕にはまだその気力があるから死ねない。

夢を見ることをヤメラレナイ人間。

いつかおばあちゃんが言っていた。

世界中にどんなに美しい風景があるとしても、今目の前にある風景の美しさとなんらかわりはないんだって。

僕もいつかそんなこと言えるかな。

いつか目の前の暮らしを大切にできる人間になるのかな。

今日はもう少し夜更かしして、好きな音楽聴きながら散歩しよう。

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