#1‗東京昼呑み日記‗新宿三丁目、老舗の隠れた癒し空間
鮎。シカゴでは殆ど遭遇しないというか、多分北米に生息していない魚。(もしかしたらどこかに似たような魚はいるかもだけども)
この鮎が大好物な私にとって鮎不在のアメリカは、春から悶々とする事この上ない。
ちなみに、夏に鮎の塩焼きというのも大好きだけど、春から出てくる稚鮎の天ぷらがとにかく好き。
この稚鮎を求め、ここ最近この方の揚げる天ぷらしか食べれなくなっている、推しメンならぬ「推し板さん」のいる新宿三丁目は老舗つな八へ。
店内に入り、開口一番、「Yさんの前の席って座れますか?」と控えめにお伺いし、運よく今回も推し板さんのいるカウンターに着席が叶った。
Yさんも「お!久しぶり!」とばかりの笑顔でお迎え頂き、それだけで本日の天ぷらへの期待が高まって、早速ビール🍺
ちなみに、あのマサカリ投法で有名だった村田兆治にそっくりのYさん。背が高くて、シュッとしており揚げ場に映える。そして、プロの方にいうのもなんですが、本当に揚げるのが上手い!小さな声でしか言えないけども、他の板さん達と段違い…。
そして、ここ最近Yさんが揚げ場として担当する頻度の高いカウンターは、つな八の中でも一番目立たない、不思議な構造に位置するカウンター。
表や2階の賑やかなカウンターやテーブル席とは少し隔たれた個室感と、とにかく濃厚な昭和感を漂わせている感じが、妙に落ち着く。出来れば人に教えたくない、隠れた特等席。
ちなみに余談ですが、日本で一番最初に天ぷらを食べたのは徳川家康だそうで。びっくりすることに、その時食べた鯛の天ぷらにあたって3ヶ月後に亡くなった説も。
恐らく天ぷらではない要因で亡くなったんでしょうけども、亡くなる前に家康も天ぷらを食べれて良かったよなーと。つな八の天ぷらを食べながらしみじみ思う…
そんな家康公にも食べて欲しかった、旬の春野菜の天ぷら。
今回選んだのは、ウドと蕗の薹。
これがまた鮎同様、香りと苦味の爽やかなバランス。
こういうシブいアテには、渋い酒を。
という事で、特選 白鹿のお燗。
この、日本酒初心者には絶対に迎合しないおやじ風味な辛口が、オトナの爽やかなほろ苦さにとても合う。
ちなみに、この「特選、上撰、佳撰」の表記は、昔国税局での審査によって「特級、一級、二級」の等級が認定されてた頃の名残。
今は、品種、精米歩合などなどで蔵元さんが独自に区分けしてるので、そこでいくとこの「特選 白鹿」は辰馬本家酒造の造る普通酒の中の、いわゆる一押し!みたいな感じですかね。
しかしほろ苦い味に、昭和ムードの特選なんて呑んでると、昔の亡き父親の姿に重なって、自分も大人になったなーとw
こんな気分に浸れるだけでも、シカゴから東京へ、Yさんのカウンターめがけて来る✈価値あるわけです。
そして、熱燗とカルシウムでいい気分になった後は、黄身の天ぷらを追加した〆のかき揚げ丼。これぞ食への貪欲極み味w
もう太る事も忘れて最後の一粒まで頂きました!
次回は夏に参ります!
日本の天ぷらサイコー!つな八のYさんの天ぷらサイコー!
ということで、今夜もステキなお酒に出会えますように。
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