変な趣味を深堀する

近頃、テレビを適当に点けるとニュース番組にもちょっとしたミニコーナーが挟まっていることが多くなった。

その日私が見たのは「街の人に趣味を聞いてみた!」という5年前のYouTuberみたいなことを特集まで組んでやっていたのだ。
もっと面白いネタで挑めばいいものを......と思ったものの、ふと、私の友人には変な趣味を持った老若男女がチラホラといることを思い出した。
今回はそんな友人の1人を紹介したい。

花に魅せられた友人O氏

彼は私とは小学校からの仲になる。かつては廊下を走り回って怒られていたわんぱく小僧だったのだが、小学四年生の夏。自由研究を各々が考えて発表する年に一度の恒例行事の月に、彼は花に魅せられたのだ。

皆さんはドライフラワーというのをご存知だろうか。世のメディアに触れて生活を送ってきたのなら1度くらいは名前くらいは聞いたことがあるだろう。某歌手が歌った曲名もドライフラワーという名前だったし、なんだかんだ知っているはずだ。
......と言っても、「ドライフラワー」というものが認知され始めたのはココ最近の話であって、それこそ私が小学生であった8年前ともなればそんなものはただの枯れ花にしか思えなかったのだ。しかし、O氏は私達とは違い、ドライフラワーの魅力と誰も知らない世界を誰よりも先に認知していたのだ。
無邪気な児童が走り回るような場所で繊細で儚く美しいドライフラワーなんてものは言ってしまえば場にそぐわない異質な物にもなりえただろう。しかし、女子達はその美しさをすぐに受け入れてクラスのトレンドにまで成り上がったのだ。実に大したものである。

彼は今でもドライフラワーを作っているとのことだが、最近は「食べれる花」なんてものにも着手し始めたらしい。
色々調べてみると、近頃ではエディブルフラワーという名で親しまれているらしい。紅茶にケーキにトッピングに添えるだけで華やかな雰囲気を纏う代物らしい。

彼はわざわざそんな凄い花を使ってまでしてドライフラワーを作ろうとしているのか!?


一体どういうつもりなんだと聞いてみたところ、

「ドライフラワーが名を馳せた今なら、食用のドライフラワーを商品化して販売したら良い稼ぎになるのでは無いか」

などと供述していた。
まさかビジネス系に行くとは思っていなかった。

皆さんも食用のバラを買って家族の前で貪り食ってみてはいかがだろうか。きっと枯れたような声で心配されることは間違いないだろうと思うが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?