最近のあれこれで思ったこと
手軽なエンタメが溢れる時代
わざわざ時間と手間をかけて「その日」のために準備して
デジタルが断絶された空間に身を置いて世界に没入しに来るという体験。それを当たり前と思ってはいけない。
100カメでS×F密着してた回見たときも、千と千尋の密着見たときも思ったけど「日本初演」「大型ミュージカル」なのに準備期間がとんでもなく短いのよね。
人気のあるキャストを起用すればそのスケジュールが合わないこともあるけど、何かあったときにリカバリーが効かないレベルには詰め詰めで製作してる。舞台は生物だから予期せぬ出来事も起こる。
ブロードウェイは年単位で新作作るし、その上でお蔵入りとかもザラ。この作り方で一番近いのは日本だと劇団四季くらいなんじゃないかしら。
それでも劇場入りしてからはスタッフは特に朝から深夜まで缶詰めで作業、近場のビジホやネカフェで夜を明かすこともあった。
ただやはりお客様は「期日までに万全の状態に持っていくのがプロの責任」と思っているから、そこは裏切ってはいけないし初日の幕は何としても開けなきゃいけないと思うよ。
・観客はチケットを買う時点で「まだ出来上がっていないもの」に対してお金を払うものだから、今後も買ってもらうには信用と信頼が大切になる
・席が選べる、リセールシステムがある、公演中止の際にアナウンスと同じくらいのスピード感もしくはそれよりも早く購入者へメール連絡をすべき(四季はこのあたり強い)
・その席、その公演を観に来てくださるはずだった「一人の観客」に公演・団体・企画・業界を支えてもらっているという自覚
・カスタマーファースト
・制作側が「中止にしたかったわけじゃない、こちらも心苦しい」とか言ったところでお客様からしたら「なんで制作のお気持ち汲んであげなきゃいけないの?」というところ
劇団の制作運営を担当している身としては今回の騒動は
自分たちも身が引き締まる思いでしたし
コメントを観ていると「演劇好き」だけでなく
あまり劇場行ったことない!はじめて!のような方々の
意見もたくさん知ることが出来ました。
その上で改めて自分の運営に対する考え方を
見つめなおす数日間となりました。
色々な方の意見を見ていくなかで
現役で舞台に立ち続けていながらも
作品へのリスペクトを忘れずに舞台という世界について
きちんと考えていらっしゃる方を発見。
https://youtu.be/_Mmykjkl3dY?si=YD8a5KzJdJKsAzeG
数年前のミス・サイゴンで拝見しておりましたね。
「全員がハッピーに」なんてのはかなり難しい。
だけど主語を「なるべく多くの人が」に変えるだけで
どうにか知恵を出せば実現できる気がする。
そのためには色んなケースを知る必要があるし
固定概念の中で凝り固まってしまった頭をやわらかくして
いろんな立場・考えの人の視点に立って物事を捉えて
可能性を狭めるのではなく、どうしたら広げられるのかを常に考えたい。
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