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18.ニュージーランドの大手キウイ生産会社・JACEグループの日本子会社のホームページが公開

農業ジャーナリスト・山口亮子氏の現代新書記事により「香港資本」という点ばかり殊更に注目され、一部の右派政党とその支持者らによるツイートなどによってネット上では一方的に「中国共産党による日本の水源地買収の会社」「中国の国防動員法で日本を侵略する基地になるのでは?」等々、あまりにも馬鹿げた誹謗中傷の被害を被った、愛媛県西条市にある農業生産法人のE社。
それまで公式の情報発信等がなかったのが災いであったが、西条市長の「住民に説明を」という要望を受けた同社代表Jan Benes氏が、記者会見の中で「社のインターネットサイトを用意する」と説明していたのを記憶しています。
そのサイトが公開されたようなので、確認してみました。


まず、非常に残念なのが全て英語で書かれている点です。
これでは「あのキウイの会社は一体なんなの? どこの誰が作ってるの?」という疑問点を知りたがっている日本人に対して、適切な情報発信ができているとは全く言えません。地元ニュージーランドの関係者やグローバルの取引先向けのサイトとしてしか役に立っていないんじゃないでしょうか。
ブラウザの翻訳機能を使えばいいじゃん」という意見もあるでしょうが、長野果樹園事務所に張り出されていた社長のメッセージで山口氏が記事で仄めかしたように「日本人に読ませる気がないのか」と批判者の攻撃理由になりかねないので、できれば日本人スタッフによって日本語のサイトを補完してもらいたいと思います。
そもそも、本文が日本語でないど、日本人が日本語で検索して引っかかる可能性が低く、このサイトにたどり着くことが困難です。

サイトの日本語訳

当方で、サイトの英文をDeepLを用いて機械翻訳したので掲載します(一部筆者により補筆しています)。


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要約

マイキウイは、2014年に2人のニュージーランド人生産者ヤン・ベネスとクレイグ・レモン(香港を拠点とするエンデバー・フレッシュ・ジャパン・リミテッドの株式保有を通じ、ジェイス・グループの一員として投資)と日本人投資家によって、最高の園芸慣行に従ってキウイフルーツを開発するために設立された。果樹園は西日本の宮崎県にある。キウイフルーツの開発には長い年月が費やされ、現在はゼスプリのG3品種ライセンスに基づくゴールド・キウイフルーツの栽培、収穫、加工に成功している。

イーキウイは、2018年に2人のニュージーランド人生産者ヤン・ベネスとクレイグ・レモン(香港を拠点とするエンデバー・フレッシュ・ジャパン・リミテッドの株式保有を通じ、ジェイス・グループの一員として投資)と複数の日本人投資家によって設立され、最良の園芸慣行に従ってキウイフルーツを開発している。果樹園は西日本の愛媛県にある。キウイフルーツの開発は継続中で、ゼスプリ社のG3品種ライセンスに基づくゴールド・キウイフルーツの収穫を計画している。イーキウイは現在、10人のフルタイムの日本人スタッフと3人の非正規スタッフ、そして5人のニュージーランド人スタッフが開発を監督している。

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代表からのメッセージ

2013年に来日して以来、私たちのチームは、日本の地域社会が誇りを持てるような、世界クラスのキウイフルーツ果樹園の建設に力を注いできました。この間、地元の土地所有者や農家と良好な関係を築き、170以上の区画を合併して土地を開発し、地元の人々を雇用し、知識を共有してきました。現在、私たちが生産している果実は平均以上の収穫量を誇り、ゼスプリに供給され、日本全国で販売されています。

私たちは、日本政府とゼスプリによって承認された農薬のみを使用しています。JGap監査システムのもと、ベスト・プラクティス(best practice、英辞郎による説明)に沿って化学薬品を使用し、保管しています。

水の使用は、効率的な灌漑システムによって無駄を最小限に抑え、必要な分だけ使用するようにしています。ヘクタール当たりで見ると、この地域の他のキウイフルーツ生産者よりも効率的です。

長野のコミュニティのために、私たちは果樹園の土地から何トンものゴミを掃除し、土地の一部を保全してコミュニティに寄付し、より広い農道として活用しています。

もうすぐ完成した果樹園を地域の皆さんにお見せし、パートナーシップを継続できることを楽しみにしています。

代表取締役 Jan Benes


Projects -  Ekiwi イーキウイ事業

JKIWIより Project - Ekiwiのページ

主要事項

会社名
イーキウイ株式会社
本社所在地
791-0521 愛媛県西条市丹原町長野1591番地
電話:0898-52-9330

スタッフ
日本人フルタイムスタッフ10名
非正規スタッフ3名
ニュージーランド人スタッフによる果樹園の管理・開発(マイキウイと共有)

資本金
100万円

作付面積
合計約20ヘクタール

果樹園
長野果樹園

認定
認定農家(西条市)
JGAP(取得予定)

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年表

2017年8月 JA東予園芸と愛媛県職員がマイキウイを訪問
2018年6月 農地購入(約6ha)
2019年11月 農地購入(約14ha)
2020年1月 長野果樹園地鎮祭(開発開始式)
2020年3月 開発開始
2020年3月 Covid 19が普及し、最小限のスタッフで開発を継続することを決定。
2023年3月 植樹開始
2023年8月 長野果樹園完成。台木開発は継続

英語の説明文の下には、長野果樹園のビフォアー・アフターの写真が掲載されています。
開発前には、耕作放棄地状態の雑木が生い茂った様子、用地内に元々あった畜舎と思われる廃建築物の様子などの写真が掲載されています。
開発後の整地した果樹園と見比べれば、この会社が、耕作放棄地を農地として復活させるために、どれだけ丁寧な仕事をしたのかがよくわかります。
ぜひサイトで確認してみてください。


Projects -  Mikiwi マイキウイ事業

JKIWIより Project - Mikiwiのページ

主要事項

会社名
株式会社マイキウイ

本社所在地
889-1201 宮崎県児湯郡都農町川北14461-1
電話:0983-32-5319

スタッフ
日本人フルタイムスタッフ13名、非正規スタッフ3~30名。
6名のニュージーランド人スタッフによる果樹園の管理・開発サポート

資本金
1,000万円

作付面積
合計約25ヘクタール

果樹園
浅草果樹園(津野町)
富士見果樹園(津野町)
K1果樹園(川南町)
K2果樹園(川南町)

生産量
2021年シーズン 660t
2022年シーズン 920t

認証
認定農家 津野町 No.27-935 川南町
果樹園JGAP
パックハウスSQF

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年表
2009年 佐賀県知事と面会し、日本の農業の縮小に対する懸念を聞く
2013年 日本の潜在的な栽培面積に関する初期調査
2014年 宮崎にマイキウイを設立
2015年5月 宮崎県都農町で浅草果樹園(5.7ha)の建設に着手
2015年10月 初植え付け
2016年4月 富士見果樹園の開発に着手。 同年後半に定植
2017年8月 JA東予園芸と愛媛県職員がマイキウイを訪問
2017年10月 初収穫と収穫祭、愛媛県のJA東予園芸のパックハウスで全果実をパック詰め
2017年11月 地元高校生がマイキウイで職場体験を実施
2018年5月 愛媛県にイーキウイを設立
2018年9月 初めての大型台風が果樹園を直撃。頭上シェルターにそれなりの被害
2018年10月 富士見コミュニティと収穫祭を開催
2018年12月 宮崎県川南町でK1果樹園の開発に着手
2019年3月 宮崎県川南町でK2果樹園の開発を開始
2021年10月 K1 & K2 の初収穫
2022年10月 1ヘクタールあたり平均40トンの収穫量を達成
2022年10月 日向パックハウス開園(日向市平岩)