冷たい男を好きになる理由

今朝起きたら筋肉痛がいつもよりひどい。 
昨日も暇だったのにな。タイヤを持ったからかな。
今日はバイトもないし家で休もう。

先週チャラい男の子に「筋肉痛とか大丈夫ですか?」と聞かれて、
「次の日の午前中は身体がだるいです」と正直に言ったら彼は笑っていた。
きっとこいつ体力ねぇなと思われてるんだろうな。
そんなことを思い出してまたほっこりしてしまう。

最近は暇でいつも早めに終わるからあの会社には2時間いるかいないかで、
昨夜も家に帰って現実に戻ると、
わたしはさっきまでちょっと夢でも見てたのかなという不思議な感じがした。


昨日も書いたけれど、
わたしはこの頃好きな人に全然会いたくならなくて、自分でもなんだか信じられない。



寝落ちし始めた頭でふと、

「周囲の人から愛されていたら、冷たい男には興味を持たないのかもしれない」


と思った。
周りの人のせいにする気は全くないけれど、
お父さんに愛されている女の子は幸せな恋愛ができたりするじゃないか!!!(わたしは母子家庭育ち)



そんなわけでわたしが冷たい男にハマっていた時期のことをまた思い出してみた。
23歳で5年間勤めて居心地が最高だったバイト先を辞めて就職し、
新しい職場に全く馴染めずにいた頃に沼に落ちるようにハマった売れないバンド。
わたしはいつも塩対応の推しにガチ恋をしてしまい、
彼に会うためなら北は旭川から南は鹿児島まで全国どこまでも追いかけていった。
遠征費のために仕事を転々としていたので、
あの頃はたまに会う人に「今は何の仕事してるの?」と聞かれるのが苦痛でたまらなかったっけ。
彼氏はもちろん、ライブハウスで会う女の子以外の友達も一人もいなかった。


その後好きになったのは妻子持ちのホテルマン。
(※不倫はしていない)
あの頃もわたしは添乗員派遣会社に入った頃で、
口調も自己主張も強すぎるBBA達に怯え、
(ちやほやされる職業の人は本当にクセが強い)
いじめというか仲間外れにされていた。
当時あの会社にわたしの他に20代の子はいなかったので思いっきり悪目立ちしていた頃だ。

彼は自他ともに認める性格の悪い男で、
「〇〇さんって結婚してるの?」と他のホテルマンに聞くと、
二言目には「あの人本当に性格悪いから止めたほうがいいですよ」と言われたし、
自分でも「俺性格悪いから」と言って意地悪な笑みを浮かべるような人だった。
ホテルマンだから話は普通にしてくれたけれど、
好きバレしていたせいかいつも雑な扱いをされていて、
わたしより若い同業者の女の子が来たら、
わざと「あー可愛い」と言って意地悪そうにこちらを見るような男だった。
だから彼から一度だけLINEで「寒くない?」と聞かれたとき、

「あの優しくない彼が今わたしの体調を気遣っている?!?!?!」


とわたしは本気で驚いたほどだ。
(そして冷たい人がたまに優しくなる瞬間にまた沼落ちしてしまった)


今好きな人に初めて会ったのは去年の6月末。
在宅勤務の本業だけでは心底退屈していて、
事務のパートでは何のやりがいも刺激もなく、
このままわたしはおばあさんになるんだろうなと思っていた頃だ。

お金目当てでタイミーを始めて、
3社目のクリーニング工場に行ったわたしは、
暑くて汗をかいてファンデで商品を汚したらまずいかと思ってすっぴんで行った。
そこでめちゃくちゃ背の低い男の人がいて、
なんで工場とか倉庫って日常では見ることがないほど背が低い男がどこにでもいるんだろうと思った。
彼は絶対に年下なのにいきなりタメ口で指示してきて最初から印象がとても悪かった。
その上わたしが「初めてです」と言うと嫌な顔をしたので、
「何こいつ?チェンジ!」と心の中で思っていた。
でも今思うとタイミーでマンツーマンで男性から仕事を習うのは初めてだったので、
おそらくわたしも嫌な顔をしていたのだと思う。
しかも運悪くすっぴんだったから、
若い男の子にはブスで鈍臭くて感じの悪いおばさんにしか見えなかったに違いない。


昨日いつもの運送会社で働いていて、
フォークリフトで作業中のチャラい男の子に質問をしたら、
彼はにこやかに「ん?」と聞き返してくれるし、
好きな人と顔が似ている男の子に「なんか手伝うことありますか?」と聞いたら、
彼は作業の手を止めてわざわざトラックから降りてきて倉庫まで案内してくれるし、
暇になったら他のおじさん達も「もうやること無くなっちゃったね〜」と一緒に苦笑いしてくれる。


そんな優しい男性達と週に何回も会っていたら、
わたしが今まで必死にしがみついてきたクソみたいな
男の人って一体何だったんだろうとか、

わたしが今まで好きな男性達からされてきた扱いって、

もしかしたら普通じゃなかったのかもしれないと思うようになった。



…ようやくだけど。
もっと早く気づきたかったけど!
もうアラサーだけど!
でもこれに気づいた今のわたしなら、
もしかしたら幸せな恋愛ができるかもしれない。


最初はここで男の人と話すのに慣れて、
好きな人ともっと話せるようになりたくて始めた運送会社での仕事だけど、
3か月も経たないうちにわたしは変わった。
きっとこれは良い変化だから、
ここに通うようになって本当に良かったと思っている。


もし昔のわたしのような恋愛をしている女性に今出会ったら、

「女性は周囲に自分を大切にしてくれる人がいないと、
自分を粗末に扱う男しか見えなくなってしまうから、
まずは自分を大切に扱ってくれる環境に身を置いてみて!」


とアドバイスしたい。
ちょっと上からだけど!