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⑨移住への決意

しばらくしてから友人たちとの待ち合わせ場所に僕たちは向かった。

僕はさっきまでの素晴らしい場所との出逢はいったん頭の中でリセットして、これから友人の紹介してくれる場所の想像をはじめていた。

しかしそれは良い意味で覆った。

友人が紹介したい場所というのが僕たちがハッとして息を呑んだまさにその場所だった。


「導かれたんだね。きっと。」


僕たちが言い出したくても言えなかった言葉を友人は優しく言ってくれた。


二日前までの僕たちの気持ちの落ち込みは晴れやかなものになっていた。

それからは奇跡的なことの連続だった。


僕たちが一番気になっていた場所が(どうせ手に入らないだろうなと思っていた土地)役場の所有の土地で購入が可能であること。

※広大な場所は農地である事が多く、農家でなくては農地は買うことが出来ない。その場所の近くや他の場所はほとんどが農地だった。


秋の空はきらきらしていて心地よい秋の風にその場所に居る全ての人を包み込んでいた。


僕たちの心は決まった。 

ここを住処にしたい。


あとは、この場所に本当に移って来ることができるのかを信じて動くだけだと思った。

自分たちにとって本当に移って来ることが出来ると言うことは、スムーズに行くかどうかである。

それは長年にわたって続けてきた仕事を退職することや、お世話になった方々、仲間、家族の移住への理解、そして新たな場所に住まわれている方々との親交や、契約満了までの流れのこと等である。

いくら、土地を買えるからと言って全てを強引に実行すると上手く行く、行かないというか、何かのちからに反発してしまっている様な感じがして気持ちが良くないし、後々で何かが起こってしまう事がある。

全てのものごとが流れるようにこと進めば土地も僕らを受け入れてくれているような気がしてならないからだ。それこそ気持ちの良いものであって本当にこの場所に導かれたのだと感じことができる。






#北の国から #回想 #移住 #出逢い #丘陵

#息を呑む  



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