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AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 付録 その7『P.A.C.計画全容解明』

 付録は『AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録』の世界観とキャラクターを引き継いだスピンオフ作品群です。本編と一定の関連性を有している、あるいは同一時間軸上にある場合もありますが、基本的に、新エピソードというわけではなく、補完的・補充的なサイドストーリーです。わけあって、付録シリーズは有償公開となります。予めご了承ください。なお、本編への加筆修正や直接の続編につきましては、従来通り無償公開いたします。

※なお、このコンテンツは重大なネタバレ(特に第1篇『純愛篇』に関する)を含みます。本編未読の場合には先に本編をお読みいただくのをお勧めいたします。

1 P.A.C.計画概要

 P.A.C.計画(Project of Production of Artificial Creatures)は、政府厚生労働省とアカデミー衛生部門が結託して実施した狂気の人造生命体製造計画である。指導者は厚生労働省の高級技官マークス・バレンティウヌで、彼は初めは厚生労働省の次席事務次官であるアルフレッド・トワイライト卿を、後には『アカデミー最高評議会』の議長パンツェ・ロッティを抱き込んで、同計画を推し進めた。
 最終的には、パンツェ・ロッティの指示の下で一定の完成を見ることになるが、パンツェ・ロッティとマークス・バレンティウヌは同じ狂気の計画に手を染めながらも、全く違うものを見据えていた。結局、独自に生命の神秘への接触に成功したパンツェ・ロッティによって、マークスは処分されることになる。その後、彼の計画は、弟子のシン・ブラックフィールド医師、アブロードシアノウェル医師、エヴリン・シンクレア看護師らに引き継がれ、より完成度を高めて実現した人為の兵士を動員する『三医人の反乱』を引き起こすことになった。その際、弟子の決死の努力によって、一度は絶命したマークス自身が、人為の生命体として復活を遂げるが、結局は、ウィザードらの活躍により、その計画は再び阻止されることとなる。
 魔法社会では、魔術と魔法による生命の創造が古くからのテーマとなっており、現代魔術・現代魔法の時代になってからもなお、その主題は失われずにいる。そのため、数多の研究者がその神秘に取り組んでいた。マークスもその研究の魅力と狂気にとりつかれた一人であったということができるであろう。
 神の創造性を受け継いだ人間にとって、生命を含む独自の創造を成したいと欲することは、抗いがたい欲求のようであり、マークスらは狂気に駆られながら、その欲求を突き詰めていくことになる。

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