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【プラスチックフィッシング②】合言葉は「宮川の清流日本一を取り戻す」高校生が企画・運営するプラスチックフィッシングin三瀬谷ダム<2023テスト大会>

前回のあらすじと次なるアクション

IXホールディングスがオブザーバー参加した、三重県立宇治山田商業高等学校3年生の課題研究発表会が2023年6月に実施され、その中で「プラスチックフィッシング」の提案発表がありました。伊勢志摩の海が豊かで美しくあり続けてほしいという想いに対し、通常のごみ拾い活動の呼びかけでは若い世代に興味を持ってもらいにくいと考え、新たなきっかけづくりになるのではとプラスチックフィッシング実施についての検討が始まりました。
 
伊勢湾に注ぐ一級河川である「宮川」は、国交省から発表される「水質が最も良好な河川」に何度も選ばれた清流日本一を誇る三重の宝。しかしながらここ2年連続選出されていないという現状を知り、2023年7月に「宮川」の上流にある大台町の三瀬谷ダム湖を高校生と視察しました。

実際にSUPやカヌーに乗りプラスチック製品や古いスプレー缶、サンダルなどのごみを回収してみると、ダム付近の入り江にゴミがたまりやすいことがわかりました。ここでの取り組みが伊勢湾の海を守る一助になると考え、より多くの人の関心を高めながら、解決に向けたアクションの第一歩にしたいと高校生たちが「プラスチックフィッシング大会」を企画。取り組み内容に共感いただいた地元事業者等のご協力により、このたびの開催が実現しました。


今回は、発案した三重県立宇治山田商業高等学校の生徒さんと、会場となる三瀬谷ダムのある大台町唯一の高校である三重県立昴学園高等学校の生徒さんにご協力いただき<テスト大会>を実施しました。宮川上流域の大台町の高校生、観光協会や地元事業者、下流域の伊勢の高校生およびIXホールディングスなどの企業等が、流域全体の環境保全への理解を深めながら、安全にそして楽しいプラスチックフィッシングのルールをこのテスト大会で確立し、今後の本大会実施へと繋げていきます。
 
また、集めたプラスチックゴミの利活用については、海洋プラスチックのアップサイクル事業を行う株式会社REMARE様のご協力で、啓発につなげるためのプロダクト開発にも挑戦していく予定です。

プラスチックフィッシングin三瀬谷ダム<2023テスト大会>開催概要

■名称:プラスチックフィッシングin三瀬谷ダム <2023テスト大会>
■開催日時:2023年12月17日(日)10:00~15:00
■開催会場:大台町B&G海洋センター
(〒519-2405 三重県多気郡大台町弥起井363)
■スケジュール(予定):
 10:00 開会式、レクチャー
 10:45 1回戦(~11:30)
 11:45 昼食、レクチャー
 13:00 2回戦(~13:45)
 14:00 分別・洗浄、計量・審査
 15:00 閉会式
■参加対象:三重県立宇治山田商業高等学校、三重県立昴学園高等学校の各生徒
■参加人数:各校12名(サップ5名・カヌー5名・サポートタンデム2名)
■参加費用:無料
■主催:IXホールディングス株式会社
■共催:株式会社Verde大台ツーリズム
■企画運営:三重県立宇治山田商業高等学校(岡本真夏、柏木慈恵、小池桃子、松本陸、橋倉和、平石清志郎)
■協力:大台町B&G海洋センター、中部電力株式会社三重水力センター、三重県立昴学園高等学校株式会社REMARE
■協賛:大台町観光協会奥伊勢フォレストピア、NPO法人クリアーストリームリバー、有限会社森と水を守る会
※強風のため下記のとおり内容を変更して実施しました。

当日の様子(2023/12/17)

今回のテスト大会は、宇治山田商業の生徒18名(うち運営4名)と、会場となる大台町唯一の高校である三重県立昴学園高等学校(以下、昴学園)の生徒8名にご協力いただきました。
当日は想定以上の強風となった為、安全に配慮し「1回戦のみの学校対抗戦」「SUP組とモーターボート組に分かれて実施」とプログラムを変更しての実施となりました。
■実施スケジュール:
 10:00 開会式、レクチャー
 10:30 プラスチック・フィッシング
 11:15 洗浄・計量・審査・分別
 12:00 閉会式

<競技開始>
・SUP組
SUPは3人一組になり4チームでのチャレンジとなりました。指導してくださるVerde大台ツーリズムの野田綾子さんに「今日は強風のせいで状況は良くないです、揺れもありますが落ち着いてください。もし怖いと思ったら無理はしないでください」と心構えを伺い、その後実際の乗り方・漕ぎ方をレクチャーしていただきました。初めて乗るSUPに戸惑いつつも実際に乗って漕ぎ出してみると、全チーム問題なくスタートを切ることができました。

実際にプラスチックフィッシングを行ってみると、一見湖面にはゴミは漂っておらずきれいに見えるものの、対岸の水際には多くのプラスチックを含むゴミが散見しています。無理に手を伸ばしてしまうとSUPのバランスが崩れてしまうので、各チーム用心深く回収を進めました。
約30分間の実施でしたが、目に見えるゴミはすべて回収できたのではと思うほど拾える限りのゴミを回収することができました。

・モータボート組
大台町B&G海洋センターの岡村隆弘さんが操縦するモータボートに乗船し、スタート地点より少し上流でプラスチックフィッシングを実施しました。窪地になっている場所には主にペットボトルのゴミがたくさん滞留していました。折れた竹など自然のゴミが船の行く手を阻みましたが、一つでも多くのゴミを集めようと、手を伸ばしたりパドルを使って引き寄せたりして回収し、最終的には船の中に置けないほどの量を回収することができました。

<洗浄・計量・分別>
ゴミは回収したら終わりではありません。水の中で長期間放置されていたゴミは泥が詰まっていたり、周りに異物がついていたりする為一つ一つ丁寧に洗っていきます。その後、各チームのゴミの重量を計測し、分別を行いました。再利用ができないゴミの処分は大台町役場に引き取っていただきました。 

<結果発表>
昴学園は約8kg、宇治山田商業は約26kgとなり今回のテスト大会では宇治山田商業の勝利となりました。

勝利した宇治山田商業にはIXホールディングスのグループ会社である株式会社マスヤの「おにぎりせんべい」の詰め合わせが贈られました。また、ユニークゴミ賞として、昴学園生徒が拾った「ビーチボール」、宇治山田商業生徒が拾った「冷蔵庫」がそれぞれ選ばれました!

最後にVerde大台ツーリズムの野田綾子さんが「自然の中に落ちてしまったゴミはとても取りづらい、そんな事を1つだけでも覚えていてくだされば嬉しいです。今日はありがとうございました。」と締めくくりました。
 
宮川上流域の大台町の高校生、観光協会や地元事業者、下流域の伊勢の高校生およびIXホールディングスなどの企業等が、流域全体の環境保全への理解を深めながら実施した今回のプラスチックフィッシングのテスト大会。まだまだ実際の大会実施には課題もありますが、確実に大きな一歩を踏み出した一日となりました。
 
来年度の大会開催や一般の方々への啓発について引き続き準備を進めていくとともに、再生利用可能なプラスチックの活用方法についても検討を重ねてまいります。

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