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【Q4】硫黄島で知り得た情報を教えて(不可思議な話その1)

【A】こんな不可思議な話を聞きました。

 ご質問のあった「硫黄島で知り得た情報」は多岐に渡ります。

 今回は、今年も真夏の「怪談の季節」を迎えたことを踏まえて、これまで聞いた不可思議な話のうち2つを紹介します。

 いずれも体験者本人から直接聞きました。

(1)夜の戦跡にて

 政府の遺骨収集団ではなく、硫黄島慰霊事業に参加したAさんの話。

 何度も渡島経験のあるAさんが慰霊事業で在島中のある日の夕食後、戦跡を見たいというBさんら数人を連れて宿舎近くの戦跡に行った。懐中電灯を持って先頭を歩いていると、後方を歩いていたBさんが突然、悲鳴を上げた。

Aさん「何、どうしたの?」
Bさん「耳元で声がした…」
Aさん「え?」
Bさん「聞こえなかった…? 『ハロー』って…」

 全員が脱兎の如く、宿舎まで逃げ帰ったそうです。

 声の主が「霊」だとしたら、日本側兵士ではなさそうと思った不可思議な話です。

(2)硫黄島で見た夢の話

 遺骨収集のベテラン団員Cさんから聞いた話です。

 在島中のある夜、日本兵が夢に出て、こう言った。「今、あなたたちが探している場所には遺骨がない。○×(場所)を掘ってほしい。そこには6柱の戦没者が埋葬してあるから、収容してほしい」。

 翌朝、この話を食堂か洗面所で同じく収集団員のDさんに伝えると「私も昨夜、まったく同じ夢を見た!」とのことで2人はびっくり。夢で指定された場所を掘ると、本当に6柱の完全な遺骨が出てきた。整然と並んでいたことから、戦友に埋葬された兵士たちと推察されたという。

 この話をしてくれたCさんは私にこう言いました。

 「硫黄島はね、こんな話がいくらでもありますよ」。そのほかにも不可思議な話は16年間の取材の中で、たくさん聞いたり読んだりしました。

 ご要望が多いようでしたら、後日追って紹介致します。
(了)

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