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「おうちで菓子作り」 をレベルアップ↑

おうち時間が増えた昨今、自宅で菓子作りにチャレンジする人が多かったのではないでしょうか。
キッチンに広がる甘く繊細な香りは菓子ならでは。
自分で食べてもよし、家族や友人にふるまってもよし、ふだんの料理とはまた違った特別感があります。

ただ、菓子作りもこの気持ちを揺るがす壁があります。
必ずついてまわる計量作業。材料が増えるほどボールなどの器具を複数必要とします。限られた作業スペースはいつの間にかいっぱいに。計量が億劫になっていくんです。
ふだんやらない動きをするものだから焦りも生まれ思わぬ失敗も。
そして気がつけばシンクは山積み。
「もう疲れた、、、」
となってしまうのです。

菓子作りが仕事となる遥か昔、実家の台所で菓子作りをしていた日々。この頃の自分に伝えたい。プロの現場で得た経験や知識を元に、快適捗るモチベーションキープの手段を紹介します。

小分けに計量しない

スポンジケーキ
卵 180g
グラニュー糖 90g
薄力粉 90g
バター 30g

①ボールに卵とグラニュー糖を入れ湯煎にかける。
②湯煎から外し白くもったりするまで泡立てる。
③ふるった薄力粉をゴムべらで混ぜる。
④あらかじめ溶かしておいたバターを加えさらに混ぜる。

一般的なスポンジケーキのレシピです。
レシピを見たらまず、まとめて計量できるものはないか確認します。
材料の割と作業工程をよく読み把握することで必ず見えてきます。

薄力粉は卵とグラニュー糖を泡立ててから加えるので小分けの計量が必要です。バターも溶かす必要があるので別に鍋へ計量します。
このレシピでは唯一卵とグラニュー糖は一緒に計量できそうです。

スケールにボールを置いて卵を計る、風たい(表示を0にする機能)を押して同じボールにグラニュー糖を計る。これで洗い物は一つ減りますね。
やってしまいがちなのはグラニュー糖を別の容器に計量してしまうこと。小分けの計量を繰り返すとあっという間にシンクは溢れかえります。

料理番組を見ると、材料をガラス容器に小分けして準備しています。これは視聴者に材料の形状やボリュームを正しく伝えるためにあえて小分けで準備しているのです。
同じように準備する必要はありません。
小分け計量卒業しましょう。圧倒的に洗い物が減り工程がラクに進みます。

洗い物、全てを丁寧に洗わない

菓子作りには計量物が多く、洗い物でシンクが山積みになりがち。全てを洗剤でゴシゴシ丁寧に洗っていると疲れます。
汚れの程度を判断しましょう。粉類やナッツはサッとお湯で洗えばOK、
水切りへ逃します。すぐに拭きあげて定位置に戻せたらなお良しです。
全てをシンクの中で一緒こたにすると汚れが拡大して余計な労力を使う羽目に。汚れの軽いものとそうでないものはシンクの中で分けておくと楽になります。
洗剤は油汚れにこそ有効です。

洗い物は基本的に蛇口のお湯に浸しておきましょう。作業している間に汚れへ浸透し、劇的に捗ります。意外とこれをやらない人が多いようです。
家庭でもプロの現場でも当たり前にやっています。
洗い物ってとにかく億劫です。余計な洗い物を無くすことで快適に作業を進められます。

使い終わったものは直ちに定位置へ

家庭のキッチンはプロの現場に比べて狭く窮屈です。
ただでさえ計量物や必要器具の多い菓子作り、あっという間に作業スペースが圧迫されます。
ここで意識したいのが使い終わったものをすぐに元の場所に戻すこと。
ボールやゴムベラなど繰り返し使うものはバットにまとめておくと便利です。使い終わったらバットに戻すことを徹底しましょう。再度登場しない器具はシンクへ入れます。
ラップやアルミも使ってその場に放置しがちです。直ちに定位置へ戻しましょう。
夢中になるあまり、「ながらの片付け」が疎かになりがちです。
瞬間でこまめに片付けてしまいましょう。
菓子作りで気持ちが昂っているはずです。こういうときの片付けって意外と苦になりません。しかし、作業を終えてからの片付けって落胆するんです。洗い物も同じことが言えます。合間で整理しながらゆとりのある作業スペースを確保しましょう。

器具選びで快適に

作業効率が格段に変わるので器具選びは大切です。
特にホイッパー、ゴムベラ、カードは菓子作りの「三種の神器」です。
作業性とコスパを兼ね備えた器具の紹介です。

寿菓工精器 シルバー泡立

世のパティシエが必ず手にしているでしょう。それくらい定番のホイッパーです。通称「アカダマ」。
素材がしなやかで強く、耐久性があります。ワイヤーの本数が多くクリームや生地を素早く混ぜ合わせることが可能。特にメレンゲの泡立てで力を発揮します。
軽量なのも魅力。ストレス無く長時間作業しても疲れにくいのが特徴です。
プロ、アマ問わず長く愛されるのも頷けます。
グリップを握った瞬間「よしっ、やるぞっ」となるはずです。

遠藤商事 業務用 一体式ケーキクリーナー

ゴムベラはこれ一択、
詳しくはここで解説しています。

このnoteをアップした当初の倍以上の価格になっていて驚きです。
ブルーは¥605でイエローは¥853でした。機能は変わりません。
価格に大きな変動が起こっているようです。

タイガークラウン ドレッジ ヘラ

「カード使いこなすものは菓子作りを制す」
クリームをかき集めたり生地を混ぜ合わせたり、まな板の上で切り終えた食材を回収したり、万能器具です。
料理でも活躍しますが、菓子作りに重点を置くと、よくしなるタイプのカードがおすすめです。湾曲面がボールとフィットして、まるで拭きあげたかのように生地をかき集めます。素材が硬いものは避けましょう。
価格も手頃でキッチンに一枚あると大変重宝します。

まずは器系デザートで菓子作りを実感する

菓子作りのモチベーションをキープするには成功体験が必要です。
最後まで自身で完成させ、食べて美味しければまた作ろうと思うもの。
そこで、難易度の比較的低いデザートを作ってみてはどうでしょう。
オーブンを使わない器に流すだけのデザートは割と簡単に作れます。

ゼリー
材料はジュースと砂糖とゼラチンのみです。拘れば材料を増やせますが、基本的にはこれだけです。
ジュースを温め砂糖を加え、ふやかしたゼラチンを加えて溶かし、よく冷やして器に流します。
特別な器具や材料を必要としないので手軽に作れます。ゼラチンをきちんとふやかすことができればまず失敗はありません。
ゼラチンは使用頻度の高い凝固剤です。ゼリー作りでゼラチンの扱いに慣れておくとよいでしょう。

パンナコッタ
同じく材料はシンプル。
牛乳、クリーム、砂糖、ゼラチンのみ。鍋にまとめて計量し、沸騰したらふやかしたゼラチンを加えてよく冷やし完成です。
バニラを少量入れると幸せになれます。とても手軽でおいしいデザートです。

ババロワ
ソースアングレーズと呼ばれる、卵黄と牛乳、バニラを炊いて作るリッチなソース。ここにホイップクリームを加えフワッとさせた上品なデザートです。アングレーズの炊きあがりの判断が必要で、難易度があがります。
初めてババロワを作って食べたときの衝撃は今でも忘れません。
「こんなにうまいものを自分で生み出せるんだ」と感動したほど。挑戦してほしいデザートです。

プリン
材料はシンプルで生地は簡単に作れます。
ただ、焼き上がりの判断が難しい。レシピの温度や時間はあくまで目安。焼きあがりの弾力や香り、表情をよく観察しての判断が求められます。そして高温のキャラメルを扱うので注意が必要です。
器系のデザートをある程度作れるようになったら、最後に行きつくのがこのプリンです。
プリンといってもネットや書籍で多くのレシピがあふれています。
さまざまなパターンでつくってみて自分のお気に入りを見つけましょう。

オーブンを使うイメージが強いお菓子作りも、手軽で簡単なデザートは数多くあります。
器デザートから始めて達成感を噛み締めましょう。

とにかくバニラを使おう

家庭で作る菓子を一気に高みへ押し上げるのがバニラビーンズです。
まずはレシピにバニラエッセンスと記載してるものをバニラビーンズに置き換えてみましょう。
スーパーで手頃に購入できるエッセンスタイプのものは、人工的にバニラの香りを再現した商品です。
確かに良い香りで、中学の頃、同級生の女子がいい香りすぎて香水代わりに耳元につけていました。

私は使っていませんが、プロの現場ではこういったエッセンスが使用されています。天然バニラを抽出して作るので値が張ります。

安価なエッセンスとバニラビーンズは全く似て非なるもの。香りそのもの、そして香りのパワーが違います。
同じバニラでも産地により特徴が大きく異なります。おすすめはマダガスカル産。キャラメルのような深く甘い香りは万人から愛されています。

世界的な価格高騰により多少高価なものの、必ずその恩恵を受けるでしょう。


「大さじ、小さじ」表記のレシピを避ける

これは昔、ネットのレシピを散策をしているときに意識したことです。
多くの情報を眺めていると、「せっかくならプロのレシピで作りたい」と思うもの。
プロっぽいレシピの探し方、答えは見出しの通りです。
菓子作りは計量の精度が求められます。デジタルのキッチンスケールを使用して正確に計量することは必須。大さじ、小さじの計量では個人差が生じます。プロの現場で大さじ小さじで計量しているところはおそらくないでしょう。〜カップ、〜ccも同じことが言えます。
以上の表記を避けるとプロっぽいレシピが見つかりやすくなります。
※料理のレシピは菓子と違い感覚的な部分が多いため当てはまらないかもしれません。

何より大切なことは何度も反復して作り続けること。
形が悪くたって失敗したっていいんです。気を落とさないでください。そして安心してください。食べてみると案外美味しいものですよ。
少しのことでへこたれて挫折しないでください。経験を重ねるにつれ完成度が上がってきます。その過程も楽しみましょう。

菓子作り上達したい、これから挑戦したい、そんな方はぜひこのnoteを参考にしてください。 

ありがとうございました。

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