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メープル フィナンシェ【FINANCIER D'ERABLE】

“深い焼き色は本物の証”
修行时代、ボスに繰り返し言われました。

メープル特有の風味豊かで上品な甘い香りをこのフィナンシェに閉じ込めました。アーモンドパウダーや、程よく焦したバターがメープルフレーバーをより引き立てています。
ポイントはよく焼くこと。他の砂糖に比べ、特にメープルシュガーは深い甘みが特徴。焼きが浅いと甘ったるいだけのフィナンシェになるので、香ばしさを出し味わいのバランスをとります。
レストランのミニャルディーズ(茶菓子)で提供している、なくてはならない定番のアイテム。是非深煎りコーヒーと共に召し上がって欲しい。
これからもずっと焼き続けたい自慢の焼き菓子です。


パータ・フィナンシェ ・デラブル Pâte à financier d'erable
《96(80)×48(33)×高13mmフィナンシェ 型、17個分》
【材料】
メープルシュガー sucre d'erable   180 G
薄力粉(ヴァイオレット)farine violet 47 G
コーンスターチ fécule de maïs   13 G
ベーキングパウダー levure cimique   1.5 G
アーモンドパウダー amandes en poudre  72 G
卵白 blanc d'œufs 200 G
転化糖 trimoline   18 G
バニラペースト pâte de vanille  1 G
発酵バター beurre fermenté  105 G

①材料のメープルシュガー〜アーモンドパウダーをボールの中でよく混ぜ合わせふるう。
②粉類へ卵白を分量の半分と転化糖、バニラペーストを加える。ホイッパーを逆さに持ち、よく混ぜる。小麦のグルテン(タンパク質)を出してやるイメージ。残りの卵白を加え混ぜる。
※転化糖を加えると深く濃い焼き色に、且つしっとりと焼きあがる。
③発酵バターを鍋に入れ火にかける。火は中火、ホイッパーで絶えず混ぜる。一般的なフィナンシェで使われる焦しバターではなく、焦げる手前の黄金色で火を止める。冷水を貼ったボールに鍋底を5秒ほど当てる。
※混ぜる手を止めるとバターの固形分が鍋底で黒く焦げ香りが損なわれる。
焦げの進行を防ぐための冷水。この工程が仕上がりを左右する。

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④生地にバターを1/3加える。ジューっと音を立てるが気にせず混ぜる。混ざれば残りを加え、さらに混ぜる。生地を12時間冷蔵庫で寝かせる。
⑤寝かせた生地をゴムベラで混ぜ均一にする。フィナンシェ型に36G流して焼く。オーブンは200°に予熱しておく。生地を入れて170°に下げる。18分を目安に焼く。途中、10分経過したところで前後の向きを変える。
※始めにオーブンを高温に保つことで型の回りが一気に焼き固められ、蒸気圧が中央に集中してキレイな膨らみとなる。美しく焼き上げるコツ。
⑥焼き上がったフィナンシェ は熱いうちに型からはずす。冷めてから外そうとするとバターが冷え固まり外しずらく、フィナンシェを傷つけてしまう。

焼きたてはカリッとジューしーで、数時間おくと中の水分が外に回りしっとりと食べられます。私は断然しっとり派。好みで召し上がってください。
フィナンシェ とは資産家を意味し、その形状は金塊を表しています。金塊のようにシャープなフォルムで焼き上げたいものです。

ありがとうございました。

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