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オパリーヌとは?オパリーヌを解説。

Instagramをご覧いただいた同業者から
”この透明な飴みたいなのは何ですか?”
と質問をいただいたので、この記事で紹介します。

それは”オパリーヌ”と呼ばれる飴。ごくごく薄い飴で、心地のよい食感をデザートにあたえ、造形可能、あらゆるフレーバーで作れます。

デザートに合わせ、好みの形状や味わいで表現できます。
ほんの少量、ときに大胆に、仕上がりが繊細で華やいだ印象に。
愛用しているパーツの一つです。

ただ湿度に弱いため、こまめに焼いてデザート提供に備えます。
秋冬であれば数時間持ちますが、夏場の湿度が高いシーズンは数分で湿気てしまうので扱いに注意が必要です。

瞬間を味わうレストランデザートならではのパーツと言えます。

イチジクとスパイスのコンポートに甜菜糖のサブレを合わせたタルト。
イチジクのほのかなピンク色をイメージしたバラフレーバーのオパリーヌ。

ピスタチオを惜しげもなく使用したデザート。ホワイトチョコレートとグリヨット(サワーチェリー)の酸味でバランスを成すリッチなデザート。
ピスタチオの強烈なグリーンのオパリーヌ。

アールグレイとベルガモットのババ。熊本が主産地の”天草”という柑橘とレモンの香るデザート。時折顔出すミルクチョコレートが味わいのポイント。
柑橘メインのデザートには微かに黄色みがかったレモンのオパリーヌを。

【プレーンなオパリーヌ -Opaline nature- 】

何とでも合わせられる、プレーンなオパリーヌの紹介です。
グラニュー糖とフォンダンを用いた配合がよく見かけられますが、ここで紹介する作り方はアーモンドパウダーを使用。アーモンドパウダーを加えることで湿気に強くなりよりクリスピーな仕上がりになります。
画像のように筒状に造形可能。

グラニュー糖 sucre semoule  200 G
水飴 glucose  200 G
アーモンドパウダー amandes en poudre   20 G

①鍋に水飴、グラニュー糖の順番で計量し火にかける。


②次第にシロップ状になってくるのでこれを145°まで煮詰める。


③温度に達したらアーモンドパウダーを加えよく混ぜる。シルパットにあけて冷ます。
④飴のブロックを粗めに砕いてミルサー粉砕しパウダー状にする。
⑤粉ふるいを使いシルパットに好みの厚さ、面積にふるう。
⑥オーブンを200°に余熱し、予め鉄板を入れておく。シルパットを直接鉄板におき扉を閉める。全体が溶けてきて透明になり少し沸いてきたらオーブンから取り出す。
⑦フラットに仕上げたい場合はこのまま冷めるまで放置。造形的に仕上げたい場合は、固まりきる前にシルパットからはがし立体感をつける。

現場では、グラニュー糖をパラチニットに置き換えて仕込むこともあります。パラチニットとは低カロリーの還元糖で、還元パラチノースとも呼ばれます。砂糖の半分ほどの甘さで、湿気に強く出来上がった飴は透明感があります。甘さを強調したくないときや、素材の色をそのまま表現した時などにパラチニットは効果的。グラニュー糖は高温に達すると色が入りやすいので画像のようなクリーム色になります。
組み合わせる素材のバランスのをみて使い分けています。

【ミントのオパリーヌ -Opaline à la menthe- 】

最近のお気に入りのミントのオパリーヌ。
着色料などは使わず、ミントの色素のみで鮮やかなグリーンに仕上げます。

パラチニット palatinitte  200 G
水飴 glucose  200 G
ミントの葉 feuille de menthe  15G
アーモンドパウダー amandes en poudre   20 G

作り方はプレーンと同じです。ミントは葉だけを丁寧に処理足ます。軸の部分はハーブティーにして香りを楽しみましょう。
ミントの葉15Gはおよそ2パック分です。

ミントとアーモンドパウダーは一つのボールに準備しておきます。加えるタイミングはプレーンと同じです。
色をキレイに出したいのでミントの処理を終えたらすぐに仕込みに取り掛かります。

ミントの水分で蒸気が大量に上がるので火傷に注意です。150°に近いシロップを扱うので細心の注意を払ってください。

装飾要素だけでなく、食べてとても美味しいオパリーヌです。
それは食感にあります。飴というよりサクサクのサブレに似た、生地的な歯応え。
デザートにあしらってみてはいかがでしょうか。心地よく効いてきます。

材料も手順はシンプルです。試してもらえたら嬉しいです。

ありがとうございました。


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