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ゼロとイチのあいだに横たわるミゾは案外浅い

「まったく未経験の人」と「ちょっとかじった程度の人」
両者の経験の差はわずかですが、理解の量や解像度はかなり違ってきます。

とにかく始めてみれば、短い時間で経験値を0(ゼロ)から1(イチ)にすることができます。

だから最も効率のいい方法は「イチ」程度の経験値を山ほど積んでみて、自分に合うものを”それから”考えること。子どもの学習だけでなく大人でも同じではないかと思います。。

でも。分かってはいるのに、なかなか「最初の一歩」を踏み出せないのはなぜでしょう?

理由は、最初の1歩がすごく大変なことに思えるからだと思います。


ゼロ     イチ

この間に横たわっている「ミゾ」が、目も眩むほどの深淵に見えているからではないでしょうか。

でも、多くの場合それは勘違いです。

ミゾは意外と「浅い」


身近な例を挙げてみます。最近はじめて作ったものがあります。
「1弦ギター」という子どものおもちゃです。(トップの写真参照)

Twitterで見かけて面白そうだと思ったので、ネットを見ながら材料を揃えて作ったのです。

ホームセンターで材木とテグス(釣り糸みたいな透明な糸)などの材料を買って、切ったりボンドで貼ったりして完成。制作時間は30分くらい。
材料調達と準備や片付けを含めても1時間少々の所要時間でした。

「1弦ギター」を作ってみて以下のようなポイントがあることが分かりました。

  • フレット(抑えると音が変わる部分、竹串を切って作る)の寸法を正確に測って接着する

  • テグスをしっかり張らないと、テグスがベロベロになって音が出ない

  • そのためには後ろ(穴を開けた側)からテグスをひっぱると、糸が張りやすい

たった1時間で、これだけの「経験」が得られました。
作る前にはまるで知らなかった。

ついでに4本くらい作って(材料が余ったので)ちょうど子どもの幼稚園の秋のお買い物体験的なイベントがあって、手作り品の募集をしていたので、提出してみることにしました。
割と正確な音階が出せるし、喜ばれるかなとおもったのです。(見た目はともかく)


提出前に自宅に数日放置していたら、子どもが遊んでいる拍子に弦がちょっと外れました。外れると音が鳴りません。

でも直すのは簡単で、指で引っ張って元の位置に戻すだけ。

でも、パートナーや他の人にはそれが分からないから直せない。
なぜなら、作ったことがないから。

一度でも作っていれば仕組みを理解しているので、ちょっとした修繕もできるのですが(とても簡単)
未経験の人にはそれすらできません。仕組みを理解していないから。


この「1弦ギター」に関して、ぼくが人より優っている点は、「1回つくった」ことだけです。その30分なり1時間の「経験」があるだけ。

でも、それだけで見える景色がぜんぜん違ってくるのです。

たかが子どものオモチャで大げさな、と思うかもしれませんが、
他のことでも同じ現象は起こっているはずです。


「ゼロ」と「イチ」のあいだに横たわるミゾ。

のぞき込んでみると、案外浅いことがわかるかもしれません。

ひとっ飛びで渡れる。

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