人間の心理を活用したデザインにする(男子トイレのように)
環境を整えると、今まで上手くいかなかったことが円滑に動き出すときもある。
平らだった地面に傾斜をつけると球は転がっていくように、動いていってほしい方向に”自然に”動いていくように環境を変えるデザインは、実は世の中にたくさんある。
ここでいう「デザイン」は色とか形だけじゃなくて、総合的な環境設定のことを指している。
公共の施設に使われているデザインには、心理学に基づいた設計がなされているものが多い。
たとえば公衆トイレ(こんな喩えですいません)。駅の男子トイレには「小便器」がある。男性にはお馴染みだが、駅のトイレはお世辞にもキレイとはいえない。みんな好き勝手に用を足すからだ。
駅側からすれば、掃除にかかるコストを少しでも低減させるために何とかしたいといつも頭を抱えている(と思う)
そこで登場するのが「デザイン」だ。
縦長の小便器の中央部に、”命中すると色が変わる的”が描かれているものがある。これは「的があると当てたくなる」という人間心理を利用したものだろう。
他にも、立つ位置ができるだけ近くなるようにラインが引いてあったり、後ろが段差になっていたりするものもある。段差は転倒の危険もあるから駅では使えないだろうけど。
長々と男子トイレについて書いてしまったけど、言いたいことは伝わっただろうか。
家のトイレなら、清潔に保つためにかかる労力は自前でカバーできる。
だけど公共施設のトイレとなると掃除にかかるコストは膨大になる。
掃除人を1人増やすよりも、「汚されにくいデザイン」の便器を買った方が長期的には安くもなるだろう(コスト面だけじゃないかもしれないが)
人間には「こうなっているとこっちに動く」という特性がいろいろあるから、行動を変えたいときは、言語ではなく環境を変えるとうまくいくことがある。
(こういったトイレのデザインが汚れを減らすのに、どのくらい効果があったのかというけ検証はされているのだろうか? 数値化するのは難しそうだけど、とても興味がある)
公共施設だとできることは限られるけど、自分の家だったらもっと自分に適したカスタマイズができそうだ。
たとえばぼくは、毎朝noteを書いている。PCの前に座るまでの労力を減らすためにちょっとした準備や工夫をしている。
PCを前日のうちに机の上にセットしておいたり。前日にコーヒーを多めに淹れておいて、朝は電子レンジで温めるだけの状態にしておく、とか。
ひとつひとつは小さなことだけど、積み重なると大きな効果を発揮してくれる。新しい習慣を身につけたりするときには、小さい工夫の積み重ねは重要だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?