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第二の生⑩ 法務大臣を被告とし、国家賠償等訴訟を起こす。コピー機が使えないのでカーボン紙を購入し、便箋に手書きで訴状を書いた。

行政処分取消請求及び国家賠償請求訴訟
休養している間、懲罰を取り消すために訴訟を始めた。
懲罰の不利益はその日数だけに留まらず、累進処遇制度の評点となり、手紙の毎月の発信許可通数にも影響する。私は一番下の第五類で「不良」の評価を受けている。胸のバッジで色分けされることから、第語類は通称「赤バッジ」という。通信数も法定下限の月四通、集会の菓子などの嗜好品が買えない。懲罰を取り消して回復する法律上の利益がある。
作業報奨金の特別使用許可願を書き、裁判に必要な収入印紙と切手を購入した。刑務所で働いた分のお金は作業等工によって、月一〇〇〇円から四〇〇〇円もらえ、その一部で私本や日用品を買える。残るお金は出所後の積み立てに回される。積み立てられた作業報奨金は出所後の更生のための資金だが、理由があれば特別に使用が許可される。私は訴訟提起のために許可を得た。

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