#こども基本法 7日目 第三条 養育と社会環境
#こども基本法 勝手に毎日リレーの7日目をむかえた今日は、ひきつづき第3条をみていきます。
4/4(4日目)に1号、2号、4/5(5日目)に3号、4号をご紹介し、昨日の6日目はこの具体策のご紹介をしたので、本日4/7は3条の残りの2つ、5、6号をお知らせします。
ちなみにこの条文の下の項目について、なんと呼んだらいいかわからずお茶をにごしていたら「号です」との解説をFacebookのコメント欄にて平野裕二さんからいただきました。ほんとナイスタイミングでのご指導!というわけで叫びます!5号!6号!GOGO!(ご指摘うけて原文修正済みです)
ちなみに平野裕二さん、子どもの権利条約の専門家として、noteでも数々の発信をされております。子どもの権利の世界の最先端、最新情報を知りたい方はおすすめです。子どもの意見表明に関してまとめたマガジンもあるようです。
さて、話を戻して第三条の残りの2つの項目をみていきましょう。
こども基本法 第三条 (つづき)
五 こどもの養育については、家庭を基本として行われ、父母その他の保護者が第一義的責任を有するとの認識の下、これらの者に対してこどもの養育に関し十分な支援を行うとともに、家庭での養育が困難なこどもにはできる限り家庭と同様の養育環境を確保することにより、こどもが心身ともに健やかに育成されるようにすること。
六 家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境を整備すること。
これに対応する子どもの権利条約の条文は以下です。
第18条
締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するために最善の努力を払う。父母又は場合により法定保護者は、児童の養育及び発達についての第一義的な 責任を有する。児童の最善の利益は、これらの者の基本的な関心事項となるものとする。
2 締約国は、この条約に定める権利を保障し及び促進するため、父母及び法定保護者が児童の養育について の責任を遂行するに当たりこれらの者に対して適当な援助を与えるものとし、また、児童の養護のための施 設、設備及び役務の提供の発展を確保する。
第20条
一時的若しくは恒久的にその家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭 環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。
2 締約国は、自国の国内法に従い、1の児童のための代替的な監護を確保する。
ここで注目したいのは、「家庭での養育が困難なこどもにはできる限り家庭と同様の養育環境を確保すること」。
実は日本は少し前まで家庭で暮らせなかったこどもは施設へ、というのが基本方針でしたが、それが国連から改善の指摘をうけてきたことでした。そこから2016年「新しい社会的養育ビジョン」をかかげ「子どもの権利を基礎とした社会的養育」へと方針を転換してきたのです。77ページにものぼるこのビジョン、「子どもの権利」が47か所でてきます。
国連子どもの権利委員会が出している「総括所見」とよばれる、国からの報告と審議をうけて最終的に国に(勧告も含めて)報告を行っている文書があるのですが、そこでも「深刻な懸念」として、家庭環境を奪われた子どもたちの現状を指摘し、具体的な改善を促しています。
社会的養護については全く専門ではないので、あまり詳しくは書けないのですが、議員連盟の会議などを傍聴させてもらう機会がこれまであり、議員、省庁含め熱い議論が交わされているのをみていますし、またこうした社会的養護下の子どもたちの意見を(施設の職員とは別の立場で)聴く「子どもアドボケイト」制度が民間からはじまって今国の制度としても確立しつつある大きな動きがある中、「子どもの権利」を中心とした社会的養護へのシフトというのを感じているところです。
というわけで、そんな近年の変化があらわれている条文になっているのかな、と思います。
ちなみに
家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境を整備すること
とありますが、子育てしやすい社会環境はぜひ作っていただきたいものの、「家庭や子育てに夢を持つ」ということに対しての社会環境をつくるのはなかなかハードルが高そうとこの文章を読んで思いました。
私自身は家庭や子育てに夢をもった覚えはほとんどありませんが、子育てに伴う喜びは実感しています(でもそれは子どもの成長過程をみまもっての喜びであって、社会環境からではないような)。そして現実問題、喜びだけではないので、苦悩も含めてつつみこんでくれる社会環境がほしいですね!
というわけで、やっと第3条コンプリート!
今日はこども基本法 第3条 養育と社会環境についてのお話でした。
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