見出し画像

理系と文系と高校生

高校の、とくに進学校では、クラスが途中から理系コースや文系コースに分かれます。

ご存じの通りこれは受験対策のためで、仮に希望する大学の入試に理科や数学がないのであれば、ほとんどの生徒が文系コースを選択するでしょう。

ただ、これは日本に限った話で、世界の高校では、まだ広く知識を増やし柔軟な思考を育てる段階で、たとえ進学校であっても、受験を理由に教科を制限することはありません。

実は日本でも、中学と高校はセットで中等教育に分類されています。なので本来なら、大学入試に不必要な科目があるにしても、高校生まではまだ総合的な学習を行う時期なのです。


ではここで例えば、理系の代表でもある『数学』を学ぶ意味について、改めて考えてみましょう。

物事を『論理的に考えたり合理的に判断する力』は、人が豊かに人生を歩んでいくために欠かせない『スキル』です。そしてそれは、数学を学ぶことで獲得できます。

『数学の問題を解く』その行為は脳のトレーニングのようなもので、子供の論理的かつ合理的思考を効率よく育ててくれます。子供が小中高と数学を学ぶ意味は、成績はともかく『学ぶ過程』にこそあります。

また、それは他の教科も同じで、各教科ごとに子供の思考力をさまざまな角度から育ててくれる。学校はある意味、子供の思考力を育てるフィットネスジムのような場所で、各教科がトレーニングマシーン、教員がインストラクターと言い換えることもできるのです。

しっかりトレーニングを重ねて思考力のベースを育てたその上で、大学や社会で専門の過程に進めば良い。それが世界のスタンダードであり、確かに教育制度の本質に合った考え方だと思います。


最近の新卒の就職は理系が有利だと聞くその理由も、単にIT系の企業が増えたからなどではなく、広く柔軟な思考が育っている学生を、企業側も欲しているからではないでしょうか。

確かに現在の日本の高校は、大学受験予備校としての色も強いので、入試に必要ない科目を省くのも仕方がないとは思いますが、やはり高校生までは、理系文系の区別なく学習していくことが学校教育の本来の姿であって、それが結局本人のためでもあると思うのです。

· · • • • ✤ • • • · ·· · • • • ✤ • • • · ·· · • • • ✤ • • • · ·

子供の心を育てるサイトを運営しています。ご興味あればぜひどうぞ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?