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取材レポート#3

こんにちは!岩手大学非公式団体 岩大ビール部です。


今回は岩手県八幡平市にある醸造所、【暁ブルワリー八幡平ファクトリー】さんの取材レポートです。

社員 中林 悠さんにお話を伺いました。また、工場見学もさせていただきました。


どんな醸造所?


オーガニックビールを専門としており、オーガニックビールの製造量ではおそらく日本最大級の醸造所となっています。自然に優しいオーガニックビールを造るだけでなく、醸造後の麦芽粕を地元の牧場などに飼料として提供したり、地熱発電を使用したりして、様々な面で環境に配慮しています。

どんなビールを造っているの?


「人に 自然にやさしく」をコンセプトに、日本名水百選に選ばれている岩手山の湧水「金沢清水」とオーガニック認証の厳しいドイツの有機麦芽と有機ホップを使用し、すっきりとした飲みやすさが特徴のビールを製造しています。そして、八幡平山頂の奇跡の絶景、ドラゴンアイをイメージした「ドラゴンアイ」シリーズが主力商品となっています。東京の直営レストランでの取り扱いのほか、岩手県内のスーパーマーケットや道の駅でも販売されているので、購入してみてはいかがでしょうか?

主力商品


「ドラゴンアイ」シリーズ

スカイ、マグマ、サン、スノーの4種類で展開しており、それぞれのスタイルは、スカイはすっきりと爽快なピルスナー、マグマは爽やかな苦みが特徴のインディアペールラガー (IPL)、サンが爽やかな香りのゴールデンエール、スノーはホップが華やかに香るペールエールとなっています。缶のデザインはセンターにドラゴンアイ、背景には工場から見える岩手山のシルエットが描かれているデザインで、シンプルですが個性のある目を引くデザインだと思いました。

「ドラゴンアイ」とは…

5月下旬から6月上旬に八幡平の山頂近くの鏡沼の雪解けによってみられる絶景で、それが龍の眼のように見られることから「ドラゴンアイ」と名付けられたそうです。一度は見てみたいものです!

工場見学の様子


工場見学では、缶の充填機、モルト部屋、仕込み設備の見学をさせていただきました。

 

・モルト部屋

モルト部屋は少し涼しかったです。寒すぎず、暑すぎず、人間も作物も快適な環境は似ているなと思いました。           

・仕込み施設

上:BrewHouse 真ん中:発酵タンク 下:貯酒タンク

仕込み施設のある部屋は、大きな窓から陽光が入り込み明るく、外との気温差があまりなかったため、過ごしやすかったです。また、仕込みの最中だったため、室内はさつまいもの匂いを濃くしたような甘い匂いが充満していました。


・缶の充填機

缶を充填機に送るラインです。缶は瓶よりも保存性が良いため、クラフトビールでも使用され始めているそうです。

試飲させていただきました!


今回、「ドラゴンアイ」シリーズのスカイとマグマを試飲させていただきました。

スカイ…ふわっと優しい香りが広がるような味で、誰もが好きなビールという印象でした。まさに、「すっきりとした飲みやすさ」を表した味です。

マグマ…想像よりも苦味が少なく、軽い感じで飲めるビールだと思いました。、しっかりと風味はあるけれど、口に残りすぎないので、IPAが苦手な人も飲めそうな味です。

私たちが県産100%ビールを造るために


県産100%ビールを造るために多くのアドバイスをいただきました。

・醸造設備については大は小を兼ねるとは言えず、使用する麦芽量に合った適切な醸造規模の設備を選ぶことが大切である。

・原材料の麦やホップの質がビールの味に大きく影響する。特に、麦芽のデンプン含量、ホップのα酸の含有量のデータは、レシピを作成する上で非常に重要となる。

・ホールホップかペレットホップのどちらの形状で使用するのか、醸造設備に合わせて決める必要がある。

・宮城県産の麦芽とホップでビールを醸造した穀町ビールさんの事例があるので、参考にすると良いのではないか。


これらのアドバイスの他に、日本のクラフトビール業界の現状などのお話もしていただきました!とにかく経験のあるブルワーさんが不足しているそうです。海外ではブルワーの養成校があったりホームブルーイング (自家醸造) が認められたりしていますが、日本ではホームブルーイングは酒税法上認められておらず、ビール醸造の経験を積む場所が無いことが一因としてあるそうです。また、醸造に伴い生じる麦芽粕を廃棄するのではなく、飼料や肥料として再利用できるようにする体制整備も課題の一つだそうです。このような社会問題についても考えていきたいです。


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