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いわて酒蔵見学ツアー🚗💨~南部美人~

こんにちは!i-Sakeプロジェクトの野口です。
私たちは今回、岩手県二戸市に蔵を構える 南部美人 さんを訪ねました。あいさけの酒蔵見学は2回目となる筆者、やはり今回も学びの多い訪問でした!
その時の見学の様子をご紹介したいと思います。

始めに、南部美人さんについて簡単にご紹介します。
株式会社南部美人は、1902年に創業し、今年で120周年を迎えた酒蔵です🎊
岩手県二戸市にあり、市街地にある本社とは別に馬仙峡蔵という2つの蔵を構えています。

本社・馬仙峡蔵両方で日本酒の醸造を行っていますが、製造の比率は馬仙峡蔵が7割を占めているそう。瓶詰めや出荷、営業に関しては馬仙峡蔵が担っています。

南部美人公式サイト https://www.nanbubijin.co.jp/tsumikasane/dentou/ より

お酒造りでは、「品質一筋」という経営理念のもと、松森杜氏と五代目蔵元 久慈浩介氏による、伝統ある日本酒造りが行われています。
二戸市の清らかな水をふんだんに使用したお酒は、岩手県や全国での鑑評会での金賞受賞歴も多く、イギリスで行われた2017年のINTERNATIONAL Wine CHALLENGE 2017では総合最高位の「チャンピオンサケ」を受賞するなど、国内外問わず高い評価を受けています。✨

そんな、現在でも様々な挑戦・進化を続けている南部美人さんを、写真を交えてご紹介したいと思います!


これは、地下水を汲み上げる井戸です。南部美人で使用されている水は二戸市の折爪岳という852mの山からの水脈で、データ上は硬水となっていますが柔らかい水質です。日本酒の成分の7割を占める水に天然の伏流水を利用することが、美味しいお酒の源となっているとのこと。🍶

使用するお米は、主に岩手県北部で栽培が盛んな「ぎんおとめ」で、特に二戸市の金田一営農組合と経営栽培しているものを使っています。岩手県全農本部から認証を受けた「特別栽培」という栽培方法で作られたぎんおとめは100%が南部美人で使用され、水・酒米ともに地元のものを使うという地元愛が強く感じられます。

また、他にも日本最大級の酒米である「山田錦」を始めとした様々な品種の酒米を、お酒のコンセプトや時期に合せて使い分けており、日本酒の要でもあるお米に強いこだわりを持って酒造りを行っています。

さて、いよいよ日本酒造りの工程へ移ります。

洗米は、機械・手作業の二通りの方式がとられています。
機械では細かい気泡(泡の力)で優しく洗い、米が割れてしまうのを防ぎつつ、ぬかや汚れを落とします。
手作業では、10キロ入るステンレスのザルに入れて洗います。洗った後に水でリンスし、それをすぐに吸水に回します。

南部美人公式サイト https://www.nanbubijin.co.jp/kodawari/rice/  より

ここで注目すべき工夫は、この段階での水温や米の量、米の温度や洗米の所要時間などすべての情報が厳密にデータ管理されているということ。吸水率などに着目することで、炊き上がりのお米の状態からその年のお米の状態を見極め、日本酒を仕込むまでの調整加減などの見通しを立てます。


続いて、麹作りに用いる種麹(たねこうじ)について。「オール岩手」のお酒には「黎明(れいめい)平泉」 が用いられますが、基本的には県内外問わず、各日本酒に合った種麹を使用しています。二回の種切後、2昼夜かけ麹を作り、その後、酒母、醪造りへと進んでいきます。
また、酒母は南部美人では主に速醸酒母を採用しています。2週間という短い期間で完成し、純粋かつ安全に強い酵母が育つそう。


ここでは仕込みが行われます。二日に一本の新酒が生まれてくる計算で仕込みが行われます。タンク一つあたり総米1700キロのお米が入りますが、得られる原酒はこの約2倍の量なので、その後割り水調整が入ります。上槽はヤブタ方式と一部袋吊りで行われます。
基本的にはヤブタ方式ですが、袋吊りは歓評会やコンペティションなどに向けた方法であり、斗瓶取りされます。このようにして上槽されたお酒は中空糸フィルターにかけられ、いよいよタンクローリーで馬仙峡蔵に運ばれていきます。🚚

ここで中空糸フィルターとは、ろ過器のことで、一見きれいな日本酒に含まれるオリという不純物を取り除く機械のことです。こうして得られた純粋できれいな上澄み液が、日本酒へとなっていくのです。

さて、続いて馬仙峡蔵の見学の紹介に移ります。


ここでは瓶詰め直前の、瓶の洗浄が行われます。以前はリサイクル瓶や回収した瓶を使用していたようですが、細かい傷や土などが残っている場合もあったことから、業者で洗浄したものを自社の洗瓶器で再度洗い使用するようになったそう。良質のきれいな日本酒を入れる瓶であるだけに、瓶の清潔度にも細心の注意を払っているそうです。洗浄後の瓶は亀裂などがないか人の目で確認した後、充填機で日本酒を注がれコンベアで運ばれていきます。


(エアーシャワーで除菌をする私)

続いて火入れ後の行程についてご紹介します。


ここが、南部美人さんが所有する大型冷蔵倉庫です!室内の温度はなんとマイナス5℃で、見学メンバーはその寒さにびっくり🥶
生酒や火入れされたお酒はここで管理され、注文や出荷に応じて運び出されていきます。保管されるお酒は一年を上限としてここに貯蔵され、繁忙期は広い倉庫いっぱいに新酒が搬入されるそう。

ここで、マイナス5℃という超低温で保管される理由について。
製造したお酒をこの温度で保管する理由は、ずばりお酒のフレッシュさの維持および熟成の防止です。✨
上槽後のお酒を生のまま置いておくと、どんどん鮮度は落ちていきます。その鮮度を落とさないために、上槽後すぐに瓶詰、火入れ、マイナス5℃の倉庫に入れます。超低温で保管することで、上槽した時に近い状態で酒質を維持することが出来るのです。
「きれいで美しい酒質」を理念とする南部美人さんの、お酒のフレッシュさへのこだわりが強く感じられました。😮

日本酒製造の工程の紹介は以上になります。
「品質一筋」という経営理念のもとで行われている細部までこだわられた日本酒造りに、「きれいでおいしい日本酒を提供したい」という飲み手のみなさんへの愛が感じられました。

最後に、現在本社で準備が進められているまだ未公開の場所を紹介します🤩

以前は本社の出荷倉庫として使用していた場所を改装。内装はご覧の通り茶色を基調とした落ち着いた雰囲気になっており、仕込みタンクを模したオブジェが酒蔵らしさを際立たせています。ここは南部美人さんのお酒を楽しめるような場所になる予定とのこと。
新型コロナウイルスの流行が落ち着いた暁には、南部美人さんのお酒がより身近に楽しめるようになると思われますので、今後のお知らせに注目です🥰

今回ご紹介した内容以外にも、日本酒造りの各工程における細心のこだわりをたくさん紹介して頂きました。株式会社南部美人のみなさん、ありがとうございました。🙇‍♂️

また、今回の執筆には、南部美人さんの公式ホームページも参考にさせて頂きました。日本酒造りの各行程の様子が写真を交えて説明されていて、そのこだわりがこれでもかというほど伝わるとともに、多くのことを学ばせて頂きました。以下のURLから、是非読んでみてください!😊

また、長文となりましたがここまで読んでくださった読者の皆様、ありがとうございました。次回はどこの酒蔵見学の紹介になるのか、お楽しみに!

今回訪問した南部美人さんのホームページはこちら⤵✨
株式会社南部美人 | 岩手の日本酒 南部美人(NanbuBijin)


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