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いわて酒蔵見学ツアー🚗💨~(株)浜千鳥~

こんにちは!いわてi-Sakeプロジェクトの野口です。
あいさけのnote投稿は昨年末以来となり、お久しぶりですね。

今回私たちは、岩手県釜石市小川町に蔵を構える、株式会社浜千鳥さんを訪問しました。浜千鳥さんには昨年の仕込み体験・酒蔵見学等これまでも様々な場面でお世話になっています。しかしその体験の数々、私は参加できていませんでした😢

そんな、待ちに待った酒蔵見学の様子を、写真とともにお伝えしていきたいと思います!


ここは洗米場ですが、精米機がないため、浜千鳥さんではあらかじめ精米機で精米した酒米を仕入れて使っています。
浜千鳥さんが使用する酒米は、大槌町産の「吟ぎんが」、「結の香」、県外米では「山田錦」や「美山錦」など様々です。

水はほとんど自社の井戸水を使用していますが、釜石鉱山(株)が製造しているミネラルウォーター「仙人秘水」を使用した「仙人郷」、大槌町の源泉地区(サケの孵化場)の井戸水を使用した「源水」など、特殊なお水を使用した銘柄のお酒の製造も行っています🍶

釜場では、洗ったお米をその日のうちに甑(こしき)に入れ、その翌朝に蒸かします。和釜を使うことで、釜全体が熱くなり、水面より上の部分の釜の鉄の部分も高温になり、出てくる蒸気が段階的に高温になるため、高火力で良質な蒸し上がりになるそうです✨

蒸かしたお米は放冷機を通した後、麹室、醪、酛という流れで運ばれて行きます。

麹室では、最新式の機械により、除湿や暖気といったきめ細かな衛生管理がなされています。人の手入れを少なくして麹菌以外の雑菌の繁殖を抑え、麹菌が持つ本来の風味を引き出すようにしています。また、機械による管理で蔵人の負担を軽減しています。

浜千鳥さんで使用している酵母は五種類で、内訳は「ジョバンニの調べ」、「ゆうこの想い」、自社酵母、協会酵母(7号・9号)で、すべて中温速醸で仕込まれています。


酛場の様子

ここで中温速醸とは、仕込んだ際の温度のまま保温する手法で、普通速醸よりも早く完成する手法です。 (詳しくはこちら↓)
日本酒ができるまでその3 | 日本酒メディア (maboroshinosake.com)

また、浜千鳥さんでは焼酎作りも行っており、精米時に得られた砕米と、絞りで得られた酒粕を使っています。

酒粕に関して、年間で出る約30トンを、一般のお客様への販売や市内の水産加工会社や自社での焼酎造りに再利用するため、ほとんど捨てることはないそうです!


自社酵母の醪は、バナナのような甘い香りが素敵でした😊

ここでは絞りが行われます。以前は木槽を使って吟醸酒を搾っていましたが、現在では自動圧搾機を使用してすべてのモロミを搾っています。二つの絞り機、日本酒の出来にどう影響するのか?実は、同じ醪を使用し、二つの機械を比較したことがあるそうです。

・槽の方では左右の槽で一日ずつ、計2昼夜かけて絞ります。二日間かけて空気に触れながら絞ることで、味がまろやかでこなれた感じになりました。
・機械(ヤブタ方式)では1昼夜で完了します。空気に触れていない分フレッシュな味になり、若々しく、ガスもあったそう。

多くのお酒を製造・販売している浜千鳥さんでは効率も重視したく、また絞った段階で若い方が、酒質の観点でも安定しているため、現在ではヤブタ方式がとられているそうです😮


貯蔵庫では、日本酒、焼酎、リキュールの3種類を保管しています。
以前は普通酒をメインに製造しており、今より2倍の製造数量でしたのでタンクはフル稼働で使っていました。
しかし現在は特定名称酒をメインに製造し、タンクで貯蔵するほかに瓶に詰めて冷蔵庫でも保管しているので使用するタンクは減りました。
写真の右奥に見える白いタンクはサーマルタンクで、一つ一つに管が付いていて、タンク自体を冷却しています。増加しつつある生貯蔵酒の製造に、必要となるタンクだそうです。


瓶詰めラインでは、奥にある洗瓶器で洗った瓶が並び、ここでお酒の充填・ラベル貼りを経て出荷されていきます。

このお酒のラベル、書かれている文字はi-Sakeプロジェクトの「Rondo」Iwateでもおなじみのエスペラント語で書かれているそうです😮
ここ釜石市を通る釜石線は、一駅毎に愛称としてエスペラント語が充てられているそうで、宮沢賢治が最寄駅 JR釜石線小佐野駅周辺の風景を「緑の風のVerda Vento」とエスぺランド語で例えたことから名付けられたお酒です🥰


今回ご紹介した場所以外にも、お酒造りの設備やこだわりを沢山学ばせて頂きました。株式会社浜千鳥のみなさん、ありがとうございました!

新年度も始まり、我々いわてi-Sakeプロジェクトはより一層頑張っていきます!長文となりましたが、ここまで読んでくださった読者の皆様、ありがとうございました。
次回はどこの酒蔵見学の紹介になるのか、お楽しみに!

今回訪問した株式会社浜千鳥さんのホームページはこちらから↓
浜千鳥 (hamachidori.net)


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