エヴァンゲリオンと姉

2021/03/09

シン・エヴァを見てきた。個人的には最高だったが、ネタバレを徹底的にしたくないので映画の内容についてはここでは語らない。元々、エヴァンゲリオンを好きになったきっかけは、姉が見ていたことだった。夏休みだったかな、小さい時に姉と一緒に見ていた記憶がある。その時はまだ幼く、物語の何がどうなっているかはあまり分かっていなかったけれど、ワクワクして面白いと思った記憶だけが根強く残っている。劇場版をちゃんと見たのは、姉がもう実家を離れた後だった。だから、姉とエヴァンゲリオンの話をしたことは、あまりない。

ぼくが姉に受けた影響は大きく、アニメも姉の影響で好きになったものがいくつかあるし、音楽なんてモロに影響を受けている。RADWIMPSとか、星野源とか。ぼくが打楽器を始めたのも姉と一緒にやっていた和太鼓がきっかけである。今考えると姉はとてもセンスが良かったんだと思う。シガーロスや椿屋四重奏、その時の自分は聴いていなかったような音楽をたくさん聴いていた。憧れているし、尊敬している。

実際、姉は早くに実家を出て行ったので、話す機会は少なかった。少しだけ歳も離れているし、小さい頃、姉はぼくのことをあまり好きじゃなかったのだと思っている。思春期の女の人だし。でも、成長していくにつれて、今では仲の良い姉弟だと思っている。一緒にゲームをしたり、二人でお酒を飲んだこともあった。でも、とても仲が良い姉弟だとは思わない。毎日用事がなくとも連絡を取るとか、相談事をするとか、そういったタイプの間柄ではない。絶妙な距離感があるのだ。ぼくは姉の距離感が好きだ。付かず離れず、でも何かあった時には頼っていいと思わせてくれる。

昔、夏休みの宿題が終わらずに、深夜まで宿題をやっていた時のこと。急に姉が、「流星群を見に行こう」と言った。姉曰く、その日は何かの流星群があって、流れ星が見えるらしかった。家の近くの公園まで行って、二人で空を眺めていた。姉は流れ星を見ていたが、自分はあまり見れなかったような気がする。何を話したかは一つも覚えていないが、あの時のなんとも言えない不思議な気持ちはなんだか心に残っている。


もう姉はシン・エヴァを見たのだろうか。連絡するほどのことではないけれど、今度会う時には聞いてみよう。これぐらいの距離感が良い。

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