#044 業界ネタ~経口コロナ薬 続報~

おはようございます!今朝は嫁が出張で朝早くに家を出たので、娘と二人きりの朝のルーティンです。これが面白いんですけどね、二人の時って娘はめちゃくちゃいい子にしてます。多分、頼れる大人が一人しかいない事を分かっているんでしょうね。いつもよりスムーズに保育園に行きました。何だか、こちらも気持ちがいい感じです。さて今日は、業界ネタで経口コロナ薬の続編。

臨床試験データによると・・・

既にご存じな方も多いと思いますが、塩野義の経口コロナ薬は申請までは行きましたね。これね、結果だけを見ると大丈夫かなと思う所もあります。抗ウイルス効果(4日目(3回投与後)におけるSARS-CoV-2のウイルス力価のベースラインからの変化量)については有意差ありですが、一方で、症状改善効果(COVID-19の12症状合計スコアの初回投与開始から120時間(6日目)までの単位時間当たりの変化量)については有意差なしとのこと。個人的にな抗ウィルス効果が出ていれば、症状改善もエンドポイントのタイミングとサンプルサイズを適切に設定すれば、ちゃんと出るんだろうなとは思いますが、問題はこれで承認するかどうかですね。

行政の腕の見せ所

想像してた通り、塩野義さんもおしてきているのは、供給体制。3月までに100万人分、2022年度の1年間で1000万人分を供給できる体制を整えているとのこと。ここがレギュラトリーサイエンスと行政の腕の見せ所なのかもしれないですね。スッキリはしない結果だけど、ある程度は効きそう。供給体制は明らかに外資系より準備できてる。一方、コロナはもしかするとこのまま落ち着いていくかもしれない。とはいえ次の流行にも備えておきたい。こんな感じの時にあなたが行政側ならどう判断しますか?個人的には今回のオミクロンの流行を前提にコロナ薬を国内に備蓄しておくべき状況なのか(ファイザー、メルクの国内供給体制をチェックして)が判断軸になるかなと思いました。

まとめ

いかがだったでしょうか?医薬品の場合、もちろんサイエンスが基本になるのですが、そこに国民の健康みたいな概念も乗っかってくるので、その両方にバランスのよい判断が求められるってのが、面白くもあり、サイエンスじゃねーじゃんと思うこともあり、深みがある業界だなと思ったりしております。こういう難しい判断が求められる事例で自分の意見を出すことのトレーニングをしておくと、いい業界人になれるような気がします。ではでは、また!

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