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購入した基準は LYKKE(リュッケ)【 #それでも家を買いますか 】

 「それしか ないわけ ないでしょう」という絵本があります。

大人になったときに未来に待っているのは、大変なことばかり。
おにいちゃんはそう言うけど、それって本当!?
それしかないわけないでしょう!
考え方ひとつで楽しい未来がたくさん見えてくるはず。(本の紹介欄より)

 子どもたちに読んでから、大人の私が口癖になっています。
 今回の投稿企画にも「もしこうだったら?」「それしかない?」と、自分に言い聞かせながら住まいの事を考えてみました。

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■ 企画について

 今回のCOMEMOテーマは「 #それでも家を買いますか ~広がる住み方のカタチ・持ち家vs賃貸もうひとつの選択肢~」だそうです。
 外泊すればするほど安く住むことができるサブスク型の住居「unito(ユニット)」を運営する株式会社Unito CEOの近藤佑太朗さんをゲストにこれからの暮らし方を考えるイベントとも連動した企画です。

 Unitoさんの取組み、ワクワクします。買うでも、借りるでもなく、泊まるに近い概念。新たな発想といえば、全国定額住み放題のADDRESSも面白そうですね。ではでは……

#それでも家を買いますか

 はい。私は、家を買ったことに大満足です。

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■ 住まいに何を求めるか

 私は住むことで幸せになること、楽しくなることを求めました。きっと、サブスク型住居やシェアハウスを利用している人だってそうでしょう。

私の場合、どうなったら楽しい?
 家族が笑顔になる場所。それなら広い家。走り回れる庭。騒音も気にしなくて良いところ。

どうなったら楽しい?
 妻はペーパードライバーだし、車不要で遊べる施設が近い所がいいなぁ。もし、なければ・・・作っちゃう?その場合には「楽しさ投資」の予算も組まなきゃ。

どうなったら楽しい?
 「楽しさ投資」の予算もあるし、お金のことで悩みたくない。長女が大学進学時に完済できるローンならいいなぁ。

どうなったら楽しい?
 安定感がほしい。災害に強くてね。地域の人の顔が浮かぶところがいいな。何かあったら帰ることができる職場から近いところがいいな。

答え: 職場から徒歩圏内の中古庭付き戸建て住宅を購入しました。

 シンプルで特段おしゃれでもなく、高機能でもありませんが、頑丈な家です。リフォームは楽しさ重視、コンセプトは自宅兼児童館。

 購入時は双子が生まれ、乳幼児3人。大学生でも車通学の群馬において、妻が車をもたない選択をし、その予算の一部を「楽しさ投資」に充てました。人工芝の庭は、滑り台や鉄棒、シーソー、砂場……ほぼ公園です(すべて可動式なので、成長に合わせて変えていきます)。リビングは憩いの場兼遊び場。素敵な家具などありません(ダイニングセットだけこだわりあり)。遠慮せず、新体操の練習や相撲大会、どうぞどうぞ。

 我が子のためだけじゃなく、車が無い分、出かけるよりも人を集めちゃえ!作戦(児童館作戦)。コロナ禍の前、友達と遊ぶとなれば、我が家に集合。親子総勢10人以上なんてことも。庭で遊んでいれば隣のおじいちゃんおばあちゃん、近所のお姉ちゃんたちが加わります。
 4軒隣には私の幼馴染が建てた家があります。同じく子ども3人のママで、おかずやお土産交換したり、子どもを預かったり預けたり。幼馴染の私よりも妻の方が既に仲良しです。

どうなったら楽しい?
 なるほど、人が集うのは楽しい!

どうなったら幸せ?
 なるほど、困った時に、支え合える隣人がいること!

 我が家の場合「夢=マイホーム」という感覚はありません(その感覚なら新築だったかも)。家というモノじゃなく、過ごすコトの充実を夢にしました。集う家なんて書くと社交的っぽいですが、もともとそんなことはないです。どうしたらいいかと悩み、楽しく過ごそうと試行錯誤した結果でした。

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 仕事柄、FPや税理士としてマイホームの相談を受けることもあります。ライフイベントに基づいたキャッシュフロー表を作ったりします。

キャッシュフロー表

 結構シビアに出るので、私も実際これを作ることで「もし仮に3人が大学に行くなら…」とお尻を叩かれました。賃貸よりも手頃な購入。でもこれが全てではなく、資金面以外にどんな幸せを考えているか。価値だけじゃなく、その街が好きですか。家以外にお金をどう使いたいですか。アドバイスの際には、広い視野で傾聴することを心がけています。

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■ リュッケ 6つの宝物

 家を買った頃、ヒュッゲ、リュッケが流行っていました。私も北欧の税制や暮らしに興味があって読みました。特にリュッケを読んだとき「今の家を買ってよかった~」と思えました。
 今回のテーマでその時の感覚を思い出したので、振り返ってみます。

LYKKE(リュッケ)とはデンマーク語で「幸せ」

 デンマークで幸せの研究を行っているマイク・ヴァンキング氏が、主観的な幸せという概念も客観的に追求できると信じ、調査研究している書です。

幸せについて研究する上で、まず知っていただきたいのは「今この瞬間の幸せ」と「全体的に見た幸せ」を区別する事です。私たちの研究所では前者を「感情的側面」、後者を「認知的側面」と呼んでいます。(24頁より)

 こんな感じで始まります。ビジネス書好きな人間でも、実例データが多く楽しく読めます。

なぜ今の家が好きなのか?

 すぐ出てきた回答は「孤立していないから」です。

 リュッケ、幸せをもたらす6つの宝物のうち、我が家はTOGETHERNESS(一体感・居場所)とTRUST(信頼)を手に入れています。(残りの4つが気になる方は、ぜひ本書を読んでみてください。)

 SNSでも人と繋がれる時代。ネットの世界は、学びや刺激だけでなく、居場所のような感覚が私にもあります。ただ、デジタルな世界には、とっさに子供を預けることも、作りすぎたおかずを分け合うこともありません。元気なときはいいですが、困った時や弱った時、アナログな世界に信頼できる居場所があると救われます。家族だけでなく、地域を居場所と思えること、とてもありがたいです。

 もし都心だったら?家族構成が違ったら?仕事が違ったら?幸せの価値観を妄想してみます。

 私が東京にいたら。子育て環境は利便性でカバーしよう。買うなら高額だぞ。売却を想定した資産価値も研究しないと。いや、そのリスクをとるなら買うよりも、買わないで快適に過ごせるサービスも研究しよう。腕の見せ所だな!資産価値や賃貸を考慮するとなれば、身長を柱に彫っている場合じゃないなぁ。

 私がもし独身だったら。どうなったら楽しい?が全部覆ります。色々な街を知りたい。外泊すれば安くなるって、面白い!家に使うはずのお金で、こんなこともあんなこともできるぞ。定額住み放題もいいなぁ。横断したい!

 東京版の私も独身版の私も6つの宝物の目玉が変わるだけで、幸せの可能性を妄想できました。仕事柄、転勤が必須な方もたくさんいます。できる、できないの線引きはあります。でも、その中にそれぞれ「それしか ないわけ ないでしょう」があるのかなとも思います。

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■ おわりに

 「unito(ユニット)」のように住まいに、また新しい選択が生まれる。様々な可能性や価値観があること、いいですね。選択が増えること=宝物を掴める人が増える可能性があるということ。ここらへんはビジネスマンとしても、注視していきたいです。

 周りに流されて…じゃなく自分の宝物を探した結果の選択であれば、幸せなことなのかもしれません。

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(試読みより引用:http://www.hakusensha.co.jp/books/9784592762379  )

 最後に蛇足ですが、冒頭から紹介している絵本のもう1つ好きなところ。それは、未来を嘆く女の子に「それしかないわけないでしょう♪」と教える存在が「おばあちゃん」のところです。親でも先生でもなく、おばあちゃん。ヨシタケさんのこのチョイスが好きです。

#日経COMEMO #それでも家を買いますか  
#それしかないわけないでしょう #ヨシタケシンスケ

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