いわせ

大学職員→2024年4月に島根県隠岐諸島のひとつ、海士町に移住。挑戦の島で教育を考える…

いわせ

大学職員→2024年4月に島根県隠岐諸島のひとつ、海士町に移住。挑戦の島で教育を考える日々。仕事とか子育てとか好きな本とかをつらつらと。かわいくて愉快なよきおばさんでありたい。

最近の記事

事務よ永遠に

「実行する」ことは決まっているけど、具体的に詳しいことは決まってませんのでよろしく!という仕事に巡り合うことが多い。いや、そういう仕事に自ら飛び込んでいるというべきか。 何度かそんな経験を重ねていると、自分はどうやら、現状把握→整理と細分化→中身を精査して段取り。の作業が得意かつ好きだな、と改めて思う。2位じゃだめなんですか!と事業仕分けに燃えていた蓮舫さんのようだ。例えが古い(2009年だった)。 これはあらゆる分野で業務委託が発生している大学という職場で契約内容の確認

    • 立ち向かう女たち

      島に来てから図書館ライフが充実している。 海士町の図書館も、西ノ島町の図書館も、高校の図書室も実にステキで、気が合う友だちの本棚を共有している気持ちになる。 本棚の間をくるくると二周くらいして目が合う本を選ぶ時間が好きだ。 そんな図書館で出会った今週の一冊は、フェミニズムの大家・上野千鶴子先生とカルチャー界の女王・湯山玲子さんの対談「快楽上等!」。道なき道を切り開いてきた強くて賢い先輩たちのたくましさよ…と圧倒されつつ気持ちよく読了。 2012年の発行時には「不快」「特殊

      • わかったような顔

        もう6月なんて本当かしら。 うちの庭先の紫陽花も色づきはじめて「はい本当ですよ」と言わんばかりで、早いもので島に来てから1か月と半分くらい。 転職して改めて自分のできること、苦手なこと、後回しにしがちなこと、仕事の手癖と向き合う日々ですが、最近の問題意識は「すぐにわかったつもりになる」ということ。大づかみに物事を理解するのは早めなんだけど、なんとなくわかったかな!と思うとそこから思考が深まらない。深める前に、そこからの横展開に広げていっちゃう。 対人でもその傾向はあって

        • 理不尽に向き合うなど

          御多分に漏れず朝の連続テレビ小説「虎に翼」に夢中である。 今週は涙腺崩壊で寅子と一緒になって毎日怒って泣いた。 涼子さまもヒョンちゃんも梅子さんもよねさんも、なぜにこんな理不尽に立ち向かわなくてはいけないのか。「女である」それだけのことでぐらぐらする足元で、それでも前を向き、何かを犠牲にし、同じ道を進めないことを友に「ごめんなさい」と謝るなんて、そんなの辛すぎる。 毎話どこかしらで寅子が発する「はて?」は今のこの状況、あなたの発言、その反応ははてさて変ではないですか?とい

        事務よ永遠に

          ひっかかりを記録する

          寝る前に窓を見たらカメムシとヤモリとよくわからない小さい虫が大量についていて、ギャー!見なきゃよかった!と戦慄するGW終盤。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。 私は来島して二週間が過ぎて、生活もぼちぼち整ってきて、はーやれやれと思っていたらもう連休が終わりそうです。なんということだ。 新しい土地で新しいことを始めるってこんな感じだったなあと久しぶりの感覚をかみしめつつ、今の自分がひっかかるポイントはここか。と新鮮に思うこともあり、記録しておこうと思います。 物質と消費

          ひっかかりを記録する

          知ってるけど選べない

          「なぜ、島根県にしたんですか?」 転職して島根の隠岐に引っ越しまーす!と周囲に報告してから何度も聞かれた質問。 それはもう偶々ですとしか言えないのだけど、この質問では「どのようにその選択肢を見つけたのか」と「なぜその選択肢を選ぶ決断ができたのか」の二種類のことを聞かれていて、どちらのことをより聞きたいかが人によって結構違うな、と思った。 自力で見つけらる選択肢は限られている(びっくりするほどにたかが知れている)。知らなければ選べないのだから、場所を変えたり会う人を増やし

          知ってるけど選べない

          新陳代謝

          人生で何回目かの引っ越しをするのだけれど、なぜこうも捨てるものがたくさん出るのか毎回不思議で仕方ない。お菓子の口を止めるクリップが何故こんなに大量にあるんだろうか。魔法か? 一方で「あーやっぱりこれは捨てられないわ」などと思い出の品々を段ボールに詰めているあたり、シンプルでミニマルな暮らしは遠い。雑多な部屋は雑多な性格の現れだな…と達観したとて部屋は片付かず、つい広げてしまった保育園の記録を読んだりしてしまう。保育園時代、がんばってたなーわたし。 そんな物が多い生活だけど

          新陳代謝

          春になったし、次の場所に行こうか。

          前回「言葉に対してセンシティブに、真摯に、ずるしない。というのが今年の目標です」とか書いちゃってるのに、全くnoteを更新しないまま3月が終わろうとしている。時間の過ぎるスピードが自分だけ違うんじゃない?と寝ぼけた言い訳がしたくなるくらいには忙しい。 そんな過ぎ行く3月、久しぶりに桜が間に合わない卒業式があり、なんだか肌寒くて全然春っぽくないのに花粉症だけはキッチリ「はい、春ですよ」とやってきて、肌寒いけど冬のコートを春物に変えて、私は長年お世話になった大学を退職することに

          春になったし、次の場所に行こうか。

          その言葉を因数分解せよ

          新年から大きな震災、飛行機事故があり、仕事がはじまれば「まったくもうなんやねん」と気持ちがやさぐれることばかりが続く2024年の幕開け。 幕が開けたとか書いている今がもう1月下旬(!)に突入しててこちらも「まったくもう」である。2024年のスタートダッシュがすごい。 さて、そんな感情ジェットコースターだった年末年始のお休みに読んだ本は、どちらも「言葉」について考える内容で、あらためて自分の言葉への向き合い方をもっと丁寧にしないとな。と背筋が伸びたのでありました。 書くこと

          その言葉を因数分解せよ

          フェイラーが欲しくなる日

          突然ですがフェイラーって知ってます? お花とか動物とかの模様がはいったドイツ生まれのシュニール織のタオルハンカチ。それがフェイラー。 フェイラー=おばさん。と頑なに思っていたのも今は昔。最近はデザインが可愛くて、アイテム展開も豊富になり、なんだかとっても魅力的なのです。パンのシリーズがかわいい。 SNSのタイムラインに登場するフェイラーのアイテムに心躍らせつつ、ハタと浮かぶ疑問。それは「フェイラーが進化したのか」それとも「私がおばさん的アイテムに心惹かれるようになったの

          フェイラーが欲しくなる日

          Rock'n Roll is Not Dead

          チバユウスケが逝ってしまった。 ミッシェル・ガン・エレファントとの出会いは、ゲット・アップ・ルーシーで、なんじゃこりゃかっこいいな!と当時大学生だった私は速攻でCDを買った。 そのころの私は毎月1回(もっと頻繁に行っていた気がする)はタワーレコードに行き、bounceを入手して隅から隅まで読んで新譜をチェックし、気になるものは片っぱしから試聴して、友だちと音楽レビューの真似事のようなブログを書いたりしていた。完全にロックンロールの熱に浮かされている。 そんな時代に、チバは

          Rock'n Roll is Not Dead

          文字と年齢の関係

          世の中には「おじさん構文」だけじゃなくて「おばさん構文」と揶揄される文体があり、そのひとつに「やたら体調を気遣う」ってあったんだけど、体調と天気の挨拶がないと会話がはじまらないじゃないの、ねえ。と思う。 LINEはもはやインフラだけど、実はいまだに絵文字が使いこなせない。「笑う」だけで何種類もあってそれぞれの表情の違いがつかめない。わはは。なのか、うふふ。なのか、えへへ。なのか、にやり。なのか、なんなんだ君たちは。はっきりしろ。とも思う。 そこにきて、若者たちはLINEで

          文字と年齢の関係

          私が彼女を好きな理由。

          ジェーン・スーさんが好きだ。 作詞家、ラジオパーソナリティ、コラムニストとしてご活躍。著書多数。最近はNHKの「あさイチ」や「インタビューここから」にご出演していたので、そちらをご覧になった方もいるのではないでしょうか。 わたしはエッセイから始まって、ラジオ(生活は踊る)、ポッドキャスト(OVER THE SUN、となりの雑談)と追いかける範囲が広がり、先週は愛知県豊橋市で開催された講演会にもover the sunのTシャツを着て意気揚々と参加してきました。本物のスーさ

          私が彼女を好きな理由。

          ちちんぷいぷい

          カラオケに行くといつも「あれ?もっとうまく歌えるはずだが?」と思うのですが、あれはなんなんでしょう。運動会で「もっと早く走れるはず」と思っていたのに、実際に走ってみたら足がもつれてこけちゃったりする現象と同じ気がする。イメージと現実との乖離。でもカラオケは好きです。 なんでも望む才能を与えてあげましょう。 と言われたら「歌が上手くなりたい」と願うだろう。と昔から思っている。 楽器とか作曲とか「音楽の才能全般でヨロシク!」と大きく出るのもアリかも。と欲張る気持ちもあるのだ

          ちちんぷいぷい

          おひとりさま上等

          宇野常寛さんの「ひとりあそびの教科書」を読んだ。 中高生向けだけど、大人が読んでももちろん面白い。 宇野さんは「ゼロ年代の創造力」で初めて出会ったときは、なんだか小難しく、講演会も一度聞いたけど「難しいことを言う人だな」ってな印象しか残らず、どちらかというと苦手だったのだけど、「水曜日は働かない」で私の本棚に復活した。 ひとりあそびを楽しむことは自分との対話を楽しむことだなあと思う。 前向きにおひとりさまを楽しめると、どこで生活していても大丈夫な感じもする。 宇野さん

          おひとりさま上等

          鎧が頑丈すぎるだろ

          うちの息子が学校に行かなくなって一年半。行き渋りの期間もあわせると二年以上である。長くて辛い暗黒期間を経て、いまようやく「こりゃあ時間かかるわ」と腹が据わり、学校に戻ることを目標にするのはやめた。 この心境にいたるまでに不登校関連の本をいくつか読んだけれど、一番共感して励みになったのは『学校に行かない君が教えてくれたこと』だった。 …と高らかに「学校に戻ることを目標にするのはやめた」と宣言した割に、1学期には行けた通級に2学期から行かなくなったことで学校から毎週のように「

          鎧が頑丈すぎるだろ