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「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演しました。

「プロフェッショナル 仕事の流儀」をご覧いただいた皆さま、どうもありがとうございました。自分で観た感想としては「等身大を描いてくれているなぁ」ということ。特別に誇張することもなく、感動ストーリーに編集することもなく、日常の風景を切り取ってごく自然に編集されていました。

昨晩、新潟で番組を観て、今日は松本に来ていますが、あらためて松本、そして浅間温泉は「いいところだなぁ」と感じています。もちろん新潟も素晴らしい場所なのですが、新潟とは違った文化的な香りがします。

番組では昭和の賑わっていた頃の写真が使われていましたが、浅間温泉は非常に古い歴史を持つ温泉です。

5世紀末にはかなり高い文化が築かれていたと思われ、「桜ヶ丘古墳」からは天冠・竪櫛・勾玉・丸玉・小玉・臼玉・直刀・鉄剣・鉄鉾・鉄鏃・衝角付冑・短甲・頸甲と多くの装飾品等が出土しているそうです。

その後も浅間温泉は信濃の国の国府が置かれたり、江戸時代には松本藩主の「御殿湯」が置かれたり、と昭和より、はるか以前から賑わっていた場所。現在では静かな温泉地ですが、1000年以上の歴史のなかで、静かな時代はここ20年程度という、ほんのわずかな期間だと推測できます。

私は、「土地には土地の本来の姿がある」と常々思っているのですが、浅間温泉は、古来から人々が集まり、賑わいを土地の力としていた場所。周辺に火山もないのにこんこんと湧き出るお湯も不思議ですが、ここ、浅間温泉は、いわゆるパワースポット的な場所だと思うのです。

現在、工事を進めている「松本十帖」は、そんな賑わいの中核となる施設を目指しています。賑わいといっても、宴会旅行の再来を目指しているわけではありません。

テーマは「多様な知と出会う場所」。

敷地内には2棟のホテルがあるのですが、西側に建つホテル「松本本箱」の一階には誰でも利用できる「書店」が入ります。人々が集いながらも、静かに過ごし、何がしかの知識を得る場所。東側に建つホテル「自遊人」の1階には、信州の工芸品や特産品なども扱うライフスタイルショップ、さらに信州産小麦を使ったベーカリーショップも入ります。

そのほか、敷地内にはシードルを醸造するブルーワリー、宿泊者専用駐車場の横には「おやきカフェ」、坂の上には哲学をテーマにしたブックカフェも開業します。

すべての施設の開業には時間がかかりそうですが、まずは7月23日、ホテル「松本本箱」と誰でもご利用いただける書店がオープンします。

私たちがイメージする浅間温泉の新たな姿は「学都・松本らしい知的な賑わい」。ぜひ、松本を訪ねていただければ幸いです。

ちなみに。自粛ムードがまだ強い状況下での放送だったため、「松本十帖」「里山十帖」ともに予約は放送前より若干多い程度。10億を遥かに超える借金をしての投資なので、この観光の冷え込み(予約の減少)には背筋が寒いのですが、きっとコロナ後には松本・浅間温泉にたくさんのお客さんが来てくれると信じています。

今後とも自遊人の経営・運営する施設をよろしくお願いします。

https://jiyujinhotels.com

株式会社自遊人 代表取締役 岩佐十良

2019.6.10

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[プロフェッショナル] 編集者 岩佐十良 | 革命は、地方から起こす | NHK

「地方の魅力を発信する人気雑誌の編集長でありながら、旅館の再建からまちづくりまで手がける異色の仕事人・岩佐十良(53)。「地方再生のスゴ腕」「地方創生のキーパーソン」として全国から依頼が殺到。東京から新潟の里山に会社ごと移住し、既存の枠にとらわれないその働き方で注目を集める。老舗旅館を温泉街ごと再生する一大プロジェクトに長期密着。危機の中にある日本を復活させていくための、大切なヒントがここにある。」

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