数多くの被害者を出した劇団ENGISYA事件を終わらせよう

【ENGISYA END GAME】
数多くの被害者を出した劇団ENGISYA事件を終わらせよう
私は劇団ENGISYAの共同事業者であり、今もなお事件に対して沈黙を続けるシアター風姿花伝に対し、被害事実の公表・被害実態の調査・被害者への謝罪・再発防止策の徹底を求めます

2022年5月、日本の演劇史上最悪の性加害事件とも言うべき劇団ENGISYA事件が発覚しました。劇団主宰者Aは稽古合宿で参加者を毎日罵倒し、精神的に衰弱させて判断力を奪い、演技指導と称して俳優に性的接触を繰り返すという性加害行為を何年にも渡って行い続けました。2人の女優の告発によりこの計画的な性加害行為が明らかになると、Aは自身の管理する劇団公式サイトとほぼ全てのSNSアカウントを抹消してネットから姿を消しています。2人の告発者以外にも10年以上前にAから被害を受けたという声がtwitterで上がっており、まだ声を上げない大勢の被害者が存在すると思われます。

【被害者リスト】

以下、劇団ENGISYA事件の被害者を列挙します。

1.女優名を出してAの性加害をそれぞれのnoteで告発した二人の女性
2.twitterで10年以上前にAから性加害を受けたことを報告した女性
3.Aと親交があり事件により名誉を傷つけられた演劇人全て
4.Aの犯行に加担したことで加害者となったENGISYA劇団員全て
5.事件により加害者側の立場に立たされたENGISYA関係者全て
6.加害者家族となってしまったAの家族全てとその親族全て

私もまた被害者の一人です。あまりにも酷い事件の内容を知った私は精神的不調に陥り、その後も演劇界や映画界で起きた数々の性加害事件の情報に接したため、代理受傷と思われる症状を発症しています。酷い時には倒れたまま体が動かなくなり、悪夢にも苦しめられました。現在、症状は落ち着いているものの、毎日のように息苦しさと胸が締め付けられるような感覚が続いています。5月31日に地元の心療内科に予約を入れましたが、受診は6月20日ということでずっと待たされています。

しかし私も含め、ここにリストアップした被害者は『目に見える被害者』です。この事件には『目に見えない数多くの被害者』が存在します。それは過去に性暴力の被害を受けて苦しみ続け、その苦しみの最中にAの起こした事件を知ったことでさらに深く傷つきながらも声を上げることができず、今もなお苦しみ続けている性暴力の被害者全てです。

私が沈黙して声を上げなければ、声を上げられず苦しんでいる被害者をさらに傷つけ、被害者が声をあげられないのをいいことにさらなる犯罪に手を染めようとする性犯罪者に加担することになります。私はそういう恥ずべきことはしたくない。だから私は声を上げます。

【事件の経緯と告発文】
事件を説明するにあたって、どうしても性加害を告発した2人の女性に触れないわけにはいきません。ただし女性たちの今後を考えると2人の名前を出すことは憚られ、またAやBなどの記号で表すのも女性たちを記号扱するようで私はこのやり方ができません。

そこで勇気をもって告発を行った2人の女性に敬意を表し、最初の告発を行った女性をスィートハート(恋人)と呼ぶことにします。芝居が好きだった私にとって舞台に立つ女優は恋人のようなものだったからです。そして第二の告発を行った女性をブレイブハート(勇敢な心)と呼ぶことにします。その勇敢な心を私は讃え、心から敬意を表します。

2022年5月7日
スィートハートによる最初の性被害告発がなされる。
※性加害行為の生々しい表現が含まれます。

https://note.com/iwasakiayayuki/n/ne548323015ed

5月13日
Aが主宰劇団のtwitterアカウントで謝罪声明を発表。自身の性加害行為を認め、自身は演劇講師から引退し主宰劇団を解散するが作劇と演出は続けると表明。謝罪文の杜撰さと、被害者には後で直接謝るという謝罪意思に欠けた内容だったため、批判のツィートが殺到した。

5月14日頃
AがSNSに投稿。「異常な悪意のある部外者の行為」により家族に被害が及んだことを告発し、「この自称フェミニスト女優を、私は許さない」と発言した。またスィートハートによる最初の告発に対しては、「大いに違和感を感じた」「彼女の許可を得ていた」「悪ふざけだった」「彼女を性的対象として見たことは一度もない」等の言葉を使って自己弁護した。

5月17日
ブレイブハートによる第二の告発。最初に告発された事件の2年半前、ブレイブハート自身がAによる性被害を受けていたことを告発した。
※性加害行為の生々しい表現が含まれます。

https://note.com/iwasakiayayuki/n/n1b6fcf80ef24

同日、Aは自身の管理する劇団公式サイトならびにYouTube等を除く全てのSNSアカウントの書き込みを何の予告もなく一方的に削除した。

削除された劇団公式サイトとSNSアカウントのアドレス一覧
https://www.engisyatheatercompany.com/

https://twitter.com/engisya

https://www.instagram.com/engisya/

https://m.facebook.com/engisya1995/

現在も残されている劇団関連SNSアカウント
https://www.youtube.com/channel/UCsARz8AvKf5cZsZUWkP4ong

6月7日現在
劇団ENGISYA事件に対し、ENGISYA THEATER COMPANYの共同事業者であるシアター風姿花伝は何一つコメントせず、公式SNSアカンウトにおいても事件にまったく触れていない。演劇界においても私の知る限りでは事件を追及しようとする声は皆無で、事件は忘れ去られようとしている。

※告発文について
二人の女性がAによる性加害を告発したのは、それぞれが管理するブログにおいてでした。このブログの記事は現在も閲覧可能ですが、直接リンクを貼ることで女優名が明らかになる等、告発者のプライバシーを侵害する危険があります。そこで私自身の管理するブログに告発文の全文をコピーして掲載しリンクを貼るという形を取らせていただきました。

【シアター風姿花伝への要求】
シアター風姿花伝は劇団ENGISYA THEATER COMPANYの共同事業者であり、劇団ENGISYAの発足から現在に至るまで、その公演を支援し続けてきました。当然、シアター風姿花伝と劇団ENGISYAの間では数多くの個人情報が共有されていたはずです。にもかかわらず、シアター風姿花伝は共同事業者として事件を知り得る立場にありながら、何一つ事件に対する公式声明を出していません。Aが劇作を務めた作品は読売演劇大賞の受賞作
となり、受賞を受けてシアター風姿花伝の劇作家支援公演という形での再演も行われました。言わばAはシアター風姿花伝の看板とも言うべき演劇人だったのです。

そのAが性暴力の加害者だと告発されるや、Aは何の予告もないまま自身の管理する劇団公式サイトとSNSアカウントを削除し、ネットから自分の痕跡を消し去ったのです。なぜAはこのような行為に走ったのでしょうか? さらなる告発者が現れることを恐れ、証拠隠滅を図るかのようにネット空間に残る自分の記録を消し去ってしまったのでしょうか? Aの真意をはっきりと知ることは出来ませんが、これは演劇界の信用を大きく傷つける重大な不祥事です。当然、劇団ENGISYAの共同事業者であるシアター風姿花伝は事件を調査し、個人情報の流出や新たな性犯罪の発生を防止するという企業としての責務を全うするべきでした。にもかかわらず、シアター風姿花伝は今日に至るまでAの起こした事件に対して何一つコメントしていません。ひたすらに嵐が通り過ぎるのを待ち、事件の風化を待っているかのようです。これは演劇界に対しての、そしてAを信じ劇団ENGISYAを支えてきたすべての演劇人に対しての重大な背信行為です。
 
私はシアター風姿花伝に対し、直ちに次に掲げる行動を取るよう要求します。

1. 劇団ENGISYA THEATER COMPANYの共同事業者として企業の説明責任を果たすこと。すなわち性加害者として告発されたAが自身の劇団公式サイトおよびSNSアカウントをネット上から抹消した事件を調査し結果を公表すること。並びに現在のAの状況について知り得る限りの情報を公開すること。
2. シアター風姿花伝と劇団ENGISYA THEATER COMPANYの間で為された個人情報の共有について調査し結果を公表すること。Aがネット上の劇団ENGISYA関連情報を一方的に全削除した段階でAの社会的信用度は失墜しており、Aは個人情報を管理する資格のない有害な人物とみなされるべきである。よってAの行為により個人情報が漏洩する危険を公式の場で告知し、劇団ENGISYAとの間で共有されていた個人情報の提供者に対しては個別に情報漏洩の危険を警告し、個人情報の公開や削除の要請があった場合には速やかに応じること。
3. シアター風姿花伝と劇団ENGISYAとの間で共有されていた個人情報の提供者を調査し、Aによる新たな性犯罪に巻き込まれる危険度の高い人物を特定して、その人物に対して個別に警告を行うこと。特にAから被害を受けた告発者と同年代の20代女性と30代(当時)女性、および20歳未満の女性ならびに未成年女子に対しては入念な調査を行い警告を発すること。
4. シアター風姿花伝と劇団ENGISYAとの間で共有されていた個人情報の提供者に対し、Aによる性被害を受けていたにも関わらず被害事実を公表していない被害者がいないか調査を行うこと。もしも新たな被害者が発見された場合、プライバシーに十分配慮した上で個別の被害者に謝罪すると共に、公式の場でも新たな被害事実の発見があったことを公表すること。必要であれば被害者に対し医療機関および支援機関への取り次ぎを行うこと。

【付記1】演劇の外にいる人間が抗議の声を上げるべき理由
「演劇を何も知らない人間が余計な口を出すな」
という意見がありますが、今は公演や稽古の話をしているのではありません。劇団ENGISYA事件は演劇という世界で性加害行為が行われ複数の被害者が出たにも関わらず、加害者が罰されず放置され、その結果次の被害者が出かねない事件です。事件に対して演劇人が声を上げない理由は分かります。
「あれは他所の劇団の事件でうちとは関係ない」
「Aとは過去に関わりがあるから事件に触れたくない」
「Aとの関係が知られると自分の公演に差し障りが出る」
「過去の事件のことには触れずにそっとしておいてほしい」
「もう事件のことは忘れたい」
それが多くの演劇人の心の中でささやかれている声でしょう。もちろんそんな演劇人ばかりではありません。私の元にはダイレクトメールが届いており、送り主は訴えていました。歯痒い気持ちいっぱいで過ごしていると。事件を知りながらも声を上げられない悔しさが文章からにじみ出ていました。また今の私の状態を知って気遣うDMも複数の方々から届いています。もちろん私にDM送らないからといって、また事件に対して声を上げないからといって、そういった全ての方々が事件をなかったことにして忘れようとしているとは思いません。この事件によって傷ついている演劇人の方々は大勢いるはずです。本当は声を上げたい。にもかかわらず演劇界のしがらみゆえに声を上げられない。演劇界のしがらみが声を上げようとする演劇人の口を塞いでいる。これが演劇界の現状だと私は思います。

だからこそ演劇の外にいる人間が抗議の声を上げるべきなのです。演劇を知らず演劇に関わっていなかった人間だからこそ演劇界のしがらみから自由であり、自分が傷つくことを恐れる必要がなく、事件を客観的な目で見つめ責任を持った発言が行えるのです。

もはやこれは演劇界だけの問題ではありません。劇団主宰者Aがネットから自分の全ての痕跡を消し去った時、事件は企業の安全管理にとっての重大な問題となりました。Aのようなモラルの欠如した人間に個人情報の管理を任せて良いのか?Aの手に渡った個人情報が犯罪に悪用される危険を放置していいのか?これは演劇界のみならずどのような業界においても、Aのような人物によって事件が引き起こされた時、企業が真正面から向き合うべき問題なのです。

【付記2】Aの家族および友人の方々へ
私はAの行為を到底許すことはできません。しかしあなた方家族そして友人の方々にとって、Aは良き家族の一員でありまた良き友であったはずです。私が恐れているのは私のこの告発によりAが自暴自棄になり、自身はもとより周囲の人間を巻き込んだ破滅的な行動を取ることです。絶対に阻止しなければなりません。それができるのはAの身近にいるあなた方だけです。ご協力をお願いします。

もしもあなた方がなおもAの側に立ち被害者をなおも傷つけるならば、私は加害者Aに対して科すのと同様の社会的制裁をあなた方にも科さなければなりません。しかしあなた方が被害者の側に立ち、被害者の心の傷を癒し共に支え合っていく道を歩むならば、私はあなた方もまたAの被害者であると認め、被害者として守られるべき人権に配慮します。もしもあなた方が不当な中傷罵倒に晒されるならそれを阻止すべく動きます。

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