次はいつ起業するの?

こんにちは、連続起業家と呼ばれたいIwaoです。

3回も起業していると「次はいつ起業するの?」って良く聞かれます。僕はいつもタイミングが来た時って答えます。実際に3つの起業を終えた後も、一緒に起業しませんか的なオファーは10回以上あって、面白そうとか儲かりそうって軽いノリでやりましょうって答えないようにしてます。なぜなら起業のハードさを知っているからです!

なので今回は過去の3度の起業を振り返ってみて、次に起業するための条件について整理してみようと思います。

R社

27歳のときに大学の友人と2人で起業しました。お互いに大企業でハードワークをして社会人の基礎、技術の基礎を作ってからの船出でした。僕は学生時代からサラリーマン時代にかけて漫画や絵本を描いて出版社に持っていくようなことをしていたので、満を持して飛び出した感じでした。

目的はITで遊び心を提供することでした。お互いに技術力にはまだムラはあったものの高い水準で、ビジネスからデザインまで幅のある思考ができたコンビだったので、SIer全盛期のIT市場にクリエイティブな価値を届けたいなと思って法人化しました。

当時は金もコネもありません。ホリエモンの本を読んで、一度きりの人生だからチャレンジしないのはもったいないというのが動機です。SIではなくWebサービスで収益を上げる方法を必死で考えてプロトタイプを作りながら受託案件でスキル上げしてましたが、1年でクローズすることになりました。

ここで得たものは非常に濃い学びでした。ヒルズ族からの起業ブームに乗っかって、どのような目的で会社は存在しているのか、なぜビジネスを立ち上げる必要があるのか、企業に必要なものとそれを阻害するものは何かなど起業のメタ原則を学びました。個人的にはメンタル面がかなり強化され、自由に働く楽しさを知りました。

その反面、優れたアイデアだけでは意味がないこともわかりました。思考からの行動では遅くて、思考しながら行動しようと決心したのです。フリーランススキルは得たけど会社経営スキルはまだまだでした。

S社

28歳のときに前職からシフトする形でスタートしました。こちらも共同創業の会社でコアメンバーは3人、全てR社で仕事を通じて知り合った人脈です。この会社は7年以上所属することになって未だに最長のキャリアです。

目的はモバイルで人々の生活を豊かにする的な感じでしたが、だんだんとエンジニアの働き方を変えることが法人の存在目的になっていきます。フィーチャーフォンに特化したビジネスで、この会社では受託案件を回しながら製品を作っていくフローが確立できたと思っています。製品もぼちぼち売れました。

労務、税務、総務、ほか色々な会社制度を作りながら、監査役や取締役会の設置、VCや投資家などから資金を調達する政策、サーバ室をオンプレで設置してサービスを運用、求人して採用してオフィスを拡大して社員も増やして、ストーリー性のある会社っぽさを出しつつベンチャーっぽさを失くさないようにしてました。ザ・経営ですね。

会社経営だけでなくセールス、製品開発、組織マネージメントまで実践して学ぶことができました。思考しながら行動して疲れたらたっぷりリフレッシュできたので、心身ともにかなり充実した時間を過ごすことができました。

一方でピンチの連続でした。会社にお金がなくなってスタッフの給料日にポケットマネーで支払ったり、取引先が潰れてバックレて資金回収できなかったりエキサイティング過ぎて最後は楽しみながら仕事をすることができなくなって終焉を迎えます。

ただもう一度同じような会社を作ることはできて、同じミスを繰り返さないためにどうすればいいかを分かったので、またいつか準備ができたら再び会社経営したいし、できるという自信は残っています。本を読むだけじゃなくて体験すると自信ってつきますよね。

T社

30歳くらい?あまり覚えてませんが、S社をやりながらスピンオフ的に別会社を立ち上げます。スマートフォンが出始めたタイミングで強力な人脈とタッグを組んで立ち上がりました。

目的はスマートフォンで新しい価値の創造をすることでした。のちに爆発的なマーケットになる先見の明は確かでした。

しかし現実は甘くなく、アプリを数本リリースしたのちにクローズすることになります。マーケットの成長スピードが早過ぎて、スピンオフ的な稼働率とマインドセットではマーケットに製品の価値をフィットさせることができなかったためです。

どんな優秀な成功者でもそこに甘えるようなスタンスではダメで、自発的に行動するチームとしてのマインドセットの重要性、そしてマーケットにおける時間軸の重要性を学びました。

この経験から製品と組織のバランスを保ち、株主だけでなく関わる人たちにも価値を提供しようって思いが強くなります。

燃え尽きたあとは?

これらの起業経験から学んだことは他にも書ききれないほどあるんですが、それを書いてるとこのnoteを公開するに8年くらいかかりそうなので辞めておきますw まとめると人間的な成長の学びが大きくて、成長って積み上げ式だから世の中が変化してもそんなに褪せることはないんじゃないかなと思っています。

起業でかなりのエネルギーとコストを使ったため、軽いノリではもう起業したくないのが本音ですw そのあとも次の起業も考えましたが、しばらくはフリーランスとして新規事業の立ち上げにウェイトを置いたビジネスもできるエンジニアとして仕事をしようと決意したわけです。

KPTで3つずつ厳選して振り返ります。

KEEP
・質の高い仕事をしていれば金もコネも後からついてくる
・ストーリー性を持って会社を大きくしていく
・成功者は引くタイミングも絶妙

PROBLEM
・アイデアや情熱だけでは事業に価値はない
・心の余裕を持ち続けないと空自信になる
・時代やマーケットのスピード感にフィットしないときつい

次のトライは?

僕が起業していた頃と比べると起業の若年化は進んでいて、参入する壁もだいぶ薄くなったと思います。逆にマーケットは成長し続けているので、難易度は高くなっていると思ってて、これからは効率よく戦略的に事業を計画することが求められているんじゃないかなと感じてます。

とは言えもうおっさんなので、夜のバイトをしながらサービスを運用するみたいな起業してお金を稼ぐことが目的になるような夢見る行動は合理的ではないので、ヒトモノカネのバランスが取れるような環境を作りながら、必要とされ起業という手段が働き方になるときが次の起業のタイミングなのかなと思ってます。

それまでのスタンスをTRYに起こします。

TRY
・WHY思考
・エッセンシャル(アジャイルにも近い)思考
・インプットの幅を広げつつ得意分野は伸ばす(T字型)
・アイデアには価値をセットで提案する
・ヒト、モノ、カネのトライアングルでマーケットをポーリングする
・攻め、守り、楽しむのトライアングルは壊さない
・どんな社会貢献ができるか模索する

「R」「S」「T」とアルファベット順に来てるので次があるなら「U」から始まる会社名がいいっすね。あ、それで行くとあと6回しか起業できないのか。。

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