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│恋愛エッセイ│#27 大好きな人の大好きなものが優しかった。
専門学生のころコンビニでアルバイトをしていた。
そこで一緒に働く2個上の先輩を
密かにずっと好きだった。
2つしか変わらないのに、
クラスにいるギラギラワイワイした男子とは全然違って、
洋服も髪型もすべてが普通で、優しくて、平等で
とにかく先輩の普通な空気感がたまらなく大好きだった。
ある日私が帰る時間と、先輩の休憩時間がたまたま重なり、
最近毎日飲んでいるというおすすめのカフェラテを
教えてくれた。
バイトの帰りにわざわざ近くの別のコンビニに寄って
そわそわしながらそのカフェラテを買って
袋に入ったカフェラテをブラブラと持ちながら、
先輩の好きなカフェラテが
2人だけの秘密のような気がして
嬉しくて恥ずかしくなった。
家まで我慢できなくて、
駅のホームのベンチに座って
ゆっくりとカフェラテを吸い込んだら
先輩のことがもっともっと大好きになっちゃった。
─
ミルク多めの
優しくて
甘い
カフェラテ だったから。
─
大好きな人が甘いカフェラテが好きなことが
嬉しかったんだ。
たぶん、それがブラックコーヒーだったとしても
そのギャップにどっちみち大好きは加速
していたとおもうけど、
大好きな人の、大好きなものが
│優しい 甘い│
そんな人を好きだと思える自分のことも
先輩のことを考えている時間だけは
好きになれる気がした。
それからずっと、今だって
コーヒーは
カフェラテ
なんだ~
えりな