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ママため将棋講座#2 大人は手加減するべきか?

割と将棋が指せるお父さんや、年少さんのお子さんに教えているお母さんは、子供に対して真剣に考えるほど、この「手加減すべきか?」問題で悩まれると思います。
この疑問については、将棋愛好家の間では一定の答えのようなものが出ていて、

「手合違い(実力に大きい違いがある場合)は、駒落ち(強い方が相手より少ない駒で戦う将棋)で。」

と言う暗黙のルールがあります。裏を返せば、「ハンデはつけるけど、手加減はしないよ!」と言うことです。
この「駒落ち将棋」は、将棋修行には非常に効果的だと言う方が多く、特に初級者から中級者が駒の基本的な攻め方や受け方を学ぶには有効だと思います。

では、この「駒落ち将棋」で将棋を覚えたばかりのお子さんに教えることが、果たして効果的か?と問われれば、私の答えはNOです。

それはつまり「手加減をしないこと」を前提としますので、わざと負けたりはしません。将棋に詳しくない方は、「相手は駒が少ないんだから簡単に勝てるのではないか?」と思われる方のいるかもしれませんが、初段ぐらいの実力がある人であれば、王と歩だけでも小学生の初心者くらいなら勝ててしまうのです。

子供とはいえ、自分の戦った状況は分かります。自分は相手より大分ハンデを貰って戦ったにもかかわらず、どんどん駒を取られて自玉(自分の王様)を追い詰められたらどんな気持ちになるでしょう。将棋が面白いと思えるでしょうか?

もちろん、勝負の世界ですから、その屈辱に耐える階段はどこかで登らなければなりません。最初に洗礼を浴びせて、そこで脱落するならそれまでだ・・・と言う考え方が昭和の時代は王道だったと思います。(その考え方に対する私の見解を述べたいところですが、長くなるので別の記事でお話ししたいと思います。)
しかし、その屈辱に耐えるのは、覚えたての子供時代には相応しくないのです。

なぜなら、将棋自体を嫌いになってしまうから。誰しも上手くいかないことを続けられるほど我慢強くありません。違うことに興味が移ってしまうのが必定でしょう。ですから、

思いっきり、手加減してあげてください。

私は最初はそれが大切だと思います。勝つ喜びと、優越感にたっぷりドーパミンを出させてあげて欲しいのです。そして、「自分は将棋が得意だ」と言う意識を持たせることが大事だと思います。

そして、ここからが大事なのですが、5回に1回はお母さんが勝って下さい。
そして、次に4回に1回、3回に1回と頻度を少しだけあげていきます。(決して勝ち越さないで下さいね^^;)

相変わらず自分の方が勝つけれど、たまにお母さんに負ける・・・と子供も考えます。そして、自分なりに失敗したなあと思う局面を記憶します。そうなったらもうしめたものです。

繰り返しになりますが、大事なのは、「自分は将棋が得意だ」と意識付けすること。つまり、自信をつけてもらう、調子に乗ってもらうことが大事なのです。根拠のない自信こそが子供の力を引き出します。

そこで失敗しやすいのは、お父さん(笑)
男同士の勝負ですから、どうしても理由をつけて勝ちたくなっちゃいます。(経験者談)
そこは子供のためにグッと我慢です。

最初から技術的才能がある子は、そもそも基礎的な思考が出来上がっているので、黙っていても勝ててしまうため、このようなプロセスを経ずに自信をつけていきますが、理屈は一緒です。#1でも書いたとおり、技術的才能差は挽回できるので、とにかく自信をつけることが最重要です。

本日はここまでにしたいと思います。
この自信をつけるプロセスは、どの世界でも同様のことですよね。


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