建築が休むとき。

武蔵美でほぼ毎日過ごしていると、歴史あるキャンパスと建築群に感動を覚えることもあるが、最近はどこか窮屈感を感じる。
芦原義信が設計を行なった建築たちがDOCOMOMOに選ばれ保存されていくことは、そこで学ぶ学生としては誇りであり、学ぶ事が多いことも事実だが、そう言った建築が増えていくと、少しのズレや歪みが目立つ様になり、それが許されず、変な緊張感が漂ってくる。
考え過ぎだと言われればそれまでだが、美大という、自由さを求めてやってくる場としての質とのズレを感じている。

と、四号館の柱に寄りかかりながら、四号館の特徴的な梁の先端を見つめながら考えていた。

「君は一体どこから来たんだい?」

突如、七号館に降り注ぐ隕石に変わった四号館の梁は、私にそう語らせることを許してくれた。

四号館は武蔵美の中でも最も長く存在する建物である、そんな四号館を建築という機能・役割から休ませてあげることも、建築家の一つの役割ではないかと。

建築を生み出すモノだからこそ、そこからおろしてあげる事で、キャンパス空間に少しでも緩みが生まれればいいなぁと思っている。


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