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花園に立つ選手たちを見て

愛知の花園予選決勝、第一地区は春日丘高、第二地区は西陵が夢の舞台への切符を手にしました。

彼らと同じ年齢、同じ高校生である守山高の生選手たち。何が違うのか…、体格、経験値、スキル、身体能力…。考えれば切りがなく、それらを理由にすると思考が止まる。

おそらく、答えはそれらではない。私が高校生だったころ(18年前)はまだ春日丘高は強豪校と呼ばれる学校ではなかった。今は8年連続10回目の花園出場、そして昨年のW杯で活躍した姫野選手など数多くの有力選手を輩出、全国に名を知られるようになった。

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良い選手を集めたから?

体の大きい選手や足の速い選手、能力の高い子どもたちが集っている。ただそれだけで強いチームになるのか。

守山高の試合と春日丘高の試合、違いは「思い」の部分のように感じた。

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『俺たちは頭悪いから難しいサインプレーとかできない』
『あいつ何度やってもおぼえられない』
『無理無理…』

練習中に漏れ聞こえる守山の選手からは自らを否定する言葉や、相手への理解に欠ける言動もあった。

対して春日丘のプレーからは自分たちはどんなラグビーをしたいのか、ピッチに立つ選手たちが同じ画を思い描いているような、そんな雰囲気が伝わってくる。

『あいつはきっとボールを前に運べる。俺はフォローにまわろう』
『きっとフォローがついている。いけるところまでいってやる』
『ここで全員でスクラムをとる』
『俺たちのラグビーでトライを奪う』

ラグビーを通してチームをどのような存在にしていくのか、それぞれ個々のレベルの差はあるが、皆同じベクトルに向かっている。それはチームの大義をプレーで示しているように感じた。

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なぜプレーするのか。このチームで何を成し遂げたいのか。そのために自分は何ができるのか。何をしなければならないのか。真剣に情熱を持って考えなければきっとチームは変わらない。

引退試合の前、LOの稲垣(2年)に「仲間の良いプレーをほめよう」と話した。稲垣はウォーターボーイとしてピッチサイドを駆けながらチームメートのプレーを鼓舞した。鼓舞する稲垣が一番いい顔をしていた。人を褒めるのは気持ちが良い。喜びが伝われば選手たちの足は自ずと一歩前に出る。

考え方が変わればきっとこのチームは強くなれる。コロナの影響で例年よりも静かな日々が続く。こんな時だからこそ、ゆっくりとで良い、指を自分に向けて考えてみてほしい。

12日から愛知の新人戦が始まる。来年の今ごろ、彼らはどんな姿に成長しているのか。楽しみでならない。

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感謝
東京でお世話になった山用品の店「みやがわスポーツ」の宮川のお母さんや同僚カメラマンの太田さん、note執筆当初から支援をして続けて下さる鈴木昭司さん(昭司さんは本質行動学を学ぶEssential Management Schoolの学友)からサポートを頂きました。

引き続き支援金をボールに変えて子どもたちにパスします。ボールを手にした彼らが何を思い、何かを得るきっかけになれば…。その思いで支援を続けます。

彼らにエールを送りませんか。子どもたちへのご支援を頂ければ何よりです。

サポートいただいた大切なお気持ちも必ず子どもたちに還元させていただきます。彼らへエールを今後ともよろしくお願い致します。