イワモトアキト

名古屋市生まれ38歳 ライター/フォトグラファー Number/ラグビーマガジン/スポ…

イワモトアキト

名古屋市生まれ38歳 ライター/フォトグラファー Number/ラグビーマガジン/スポーツニッポン/朝日新聞などメディアで活動中。 元中日新聞社写真部記者 https://www.akitoiwamoto.com/

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  • パスをつなごう

    守山高校ラグビー部の子どもたちを写真と記事で紹介。みなさんのご支援でラグビーボールを購入。子どもたちにエールを送るアクションです。

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いっしょにパスをつなぎませんか

ラグビーをプレーする意味とは何でしょうか。 人間力が育つ? 強い体を作る? ・・・・・・? 愛知県名古屋市守山区、県立守山高校ラグビー部の子どもたちにとってラグビーは「未来」への挑戦。彼らはプレーを続けることで人生の展望を開こうと試みています。 そんな彼らに目を向けてみませんか。彼らの背中を押す、温かい想いこそが彼らをさらに成長へのステップへと導きます。個性豊かな子どもたちのありのままの姿を、写真と言葉でお伝えします。 現在部員数26名、お世辞にも「強豪」とは言えない

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    • 3年後の姿を想像して②

      そんな目覚ましい変化を遂げた彼らの前に、新型コロナウィルスの影が。頑張る舞台がなくなってしまいました。総体、菅平、市民スポーツ祭中止。進路にも影響が。優良企業の募集停止。ただ、ラグビーというスポーツはすごいですね。多くの生徒が苦戦する就職活動。逆に企業からは少ない採用だからこそ良い人材が欲しい。その企業にとってラグビーを頑張ってきた生徒は良い人材だったのでしょう。「ラグビーの話したら喜ばれた。」と話していた部員。私の所に電話でお礼を言って下さった企業の方もおられました。ラグビ

      • 3年後の姿を想像して①

        卒業した3年生たちの姿を監督として、教員として、1人の大人として見つめた中村先生の思いを紹介します。守山高ラグビー部のHPより転載です。挫折と成長、人は3年間で育つことを教えてくれます。※原文ママ 2020年度の守山高校ラグビー 部は3/29で活動を終え、春期休業になりました。さて、今年度は、コロナ禍で思うような活動ができませんでした。そんな中で卒業を迎えた6人の生徒たち。毎年、守山高校の生徒を見ているとなんとなく世の中が分かってきます。今年度の卒業生たちを一言でいうと、エ

        • もっと、もっと楽しもう

          3月27日、名古屋経済大学犬山キャンパスグラウンド、守山高校と昭和高校Bとの試合があった。自粛期間を経た久しぶりの試合、いつの間にかポジションが変わった選手もいる。天気にも恵まれ、誰もが早く試合をしたいという高揚感が伝わってくる。 結果は26-10で守山の勝利。試合後のミーティングでは笑顔とともに「もっとできたはず」という悔しさを彼らから感じた。 「楽しかったか? 楽しっかっただろ?」 監督の中村は輪の中で声をかけた。勝つことの喜びやサインプレーが実る達成感、その楽しさを

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          12本

        記事

          高校卒業おめでとう

          3月1日は守山高校の卒業式。ラグビー部の3年生は6人。昨年8月から関わりを持ち、短い間ながらいろいろと話ができた子もいました。その一方、全然話も聞けぬまま卒業を向かえた子もいます。1人1人に向き合うことができたのか、私の中の答えは「否」です。 彼らにもっと真剣にぶつかっていかなければ、彼らの真の姿は見えてこない気がします。自分自身ももっと彼らの本当の姿を撮りたいと願うのであればそうするべきだと思いました。 今年に入ってからは緊急事態宣言や試験期間などもあり思うように部員た

          高校卒業おめでとう

          2020年の最後に

          12月18日、3個目のボールを選手たちに手渡しました。子どもたちにエールを送っていただいたすべての人々に深く感謝申し上げます。誠に有り難うございました。 守山高ラグビー部は新人戦で初戦で敗れ、その後の試合にも勝つことはできませんでした。名北支部の最下位です。 いいんじゃないか、私はそう思います。ここから一歩ずつ前に進めば良い。 12月11日、支援者の1人でもある元日本代表キャプテンの廣瀬俊朗さんの記事を書きました。中日新聞夕刊インタビュー記事「あの人に迫る」。ボールを共

          2020年の最後に

          花園に立つ選手たちを見て

          愛知の花園予選決勝、第一地区は春日丘高、第二地区は西陵が夢の舞台への切符を手にしました。 彼らと同じ年齢、同じ高校生である守山高の生選手たち。何が違うのか…、体格、経験値、スキル、身体能力…。考えれば切りがなく、それらを理由にすると思考が止まる。 おそらく、答えはそれらではない。私が高校生だったころ(18年前)はまだ春日丘高は強豪校と呼ばれる学校ではなかった。今は8年連続10回目の花園出場、そして昨年のW杯で活躍した姫野選手など数多くの有力選手を輩出、全国に名を知られるよ

          花園に立つ選手たちを見て

          良かったんじゃないか。いや、良かった。

          10月24日、晴れ。守山高校と瀬戸北高の〝引退〟試合が開かれた。ともに花園予選は1回戦で敗れた。試合は保護者の応援が許されず、間近で子どもたちのプレーを見ることができなかった。 ピッチに入る前から選手たちは笑顔。勝ち負けではない最後の高校ラグビー。良いプレーをしたい、気合いがみなぎっている。気持ちの高まりを悟られないよう、親との距離は思春期ならではのぎこちなさを感じさせる。親たちは静かに子どもたちの姿を見守っていた。 公式戦に自分から向かえなかった木村(仮名)が、何度もア

          良かったんじゃないか。いや、良かった。

          一歩ずつ一歩ずつ

          花園予選の敗退から3週間、考査による部活動の休みを経てチームが新体制で動き出した。 初めての練習試合は冷たい雨、かじかむ手は赤くはれていた。思うようにまわらないパス、ノックオンばかりで試合はすぐに途切れてばかりだ。 「ミスはしょうがない。大切なのはその後だ」 ハーフタイム、コーチの的場は部員たちに声をかける。小さくうなずく部員たち、声が出ない。体感する寒さ以上に冷たい間が円陣を包み込む。 試合も同じ、「取り返すぞ」とトライを奪われた後にフォワードリーダーの三輪(2年)

          一歩ずつ一歩ずつ

          花園予選 初戦を終えて

          26日、千種高グラウンドで守山高ラグビー部が初戦を向かえた。相手は全国大会出場経験もある千種高。結果は0-79(前半0-34、後半0-45)の大敗。 前半、立ち上がりから千種が猛攻。激しさを欠いた守山のタックルに相手を止めるだけの力はなく、易々とボールはつながれる。失点を重ねるごとに下を向く選手たち、掛け合う声も少ない。静かに時間だけが過ぎ、ノーサイドの笛が鳴った。 試合当日、1人の部員が遅れて会場に現れた。3年の木村(仮名)だった。最後の試合に出ないつもりだった。 2

          花園予選 初戦を終えて

          9月20日

          1年前の今日、東京スタジアムでラグビーワールドカップが開幕した。満員のスタジアムで行われた開会式をスポニチの先輩カメラマンとともに涙しながら見ていた。 今、高校生のプレーを見ていてもその気持ちは同じ。一つ一つのプレーの精度や迫力は比較にもならないが、本気でぶつかりあう精神に大小の差はない。 いよいよ来週9月26日、守山高校の初戦は花園出場経験もある千種高校。格上の相手であることは間違いない。 わたしには心の底で何か期待するものがある。 2019年9月28日、静岡のエコ

          ひとつめのパス 子どもたちの手へ

          「・・・・・・・・・・・」 真新しいラグビーボールをじっと見つめる子どもたち。そのボールにはたくさんの名前が記されている。静かに、何か考えているような、不思議な目でひとつひとつの名前に見入っていた。 「どうして見ず知らずの人たちが僕らを応援してくれるのだろう」 ボールを渡した直後の子どもたちの表情はどこか冴えない。守山高校ラグビー部への支援を募り、ボールを購入する試みについては彼らに伝えてある。ただ、実際に支援が実りこれほどまでに早くボールが目の前に現れるとは想像していな

          ひとつめのパス 子どもたちの手へ