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良かったんじゃないか。いや、良かった。

10月24日、晴れ。守山高校と瀬戸北高の〝引退〟試合が開かれた。ともに花園予選は1回戦で敗れた。試合は保護者の応援が許されず、間近で子どもたちのプレーを見ることができなかった。

ピッチに入る前から選手たちは笑顔。勝ち負けではない最後の高校ラグビー。良いプレーをしたい、気合いがみなぎっている。気持ちの高まりを悟られないよう、親との距離は思春期ならではのぎこちなさを感じさせる。親たちは静かに子どもたちの姿を見守っていた。

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公式戦に自分から向かえなかった木村(仮名)が、何度もアタックに参加する。前回のnoteがチームで読み回されているらしく、チームメートから「木村頑張れ」とヤジが飛ぶ。ネタにしてしまいすまない木村(仮名)。でも今日のプレーはこれまで見た中で一番良いぞ。

後日、的場コーチから木村の就活が決まったと教えられた。公式戦の時にはまだ先が見えず悩んでいたと…。吹っ切れたように当たっていく。聞けば今日の試合は2時間前に一番乗りしたらしい。最後でも良い、自分で試合に向かえただけで素晴らしい。

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瀬戸北の3年生がトライを決めた。高校3年間で初めてのトライ。守山を指揮する中村が「お互いにとってこの試合は公式戦よりも重要かもしれない」と笑う。

ハーフタイム、「俺もトライとって卒業したい」とプロップの坂元一郎。ラストチャンス、モールで守山が押し込む。塊の中心に一郎の姿があった。ゴールラインを超えてトライの笛が鳴る。ガッツポーズを見せたのはロックの幸村。一郎は「俺もボール触ってた。俺もトライってことでも良いっすよね」と笑う。ナイストライ。

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純粋に楽しむ姿を親たちはじっと見つめていた。それは「がんばれ」という声援ではなく「頑張る」子どもたちを認めるような雰囲気だった。

コロナで思うようにプレーできなかった。制約のある中だからこそ生まれ引退試合に計り知れない価値を感じた。

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これからも彼らを通してラグビーと人としての成長の可能性を見てみたいと思った。

愛知県大会は今週末に決勝を向かえます。彼らの思いを託された4チームが戦い2チームが花園へ。感染拡大が心配です。思い切ってプレーしてほしい。全力で応援してほしい。

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カタチある応援を続けます。選手たち1人1人の信頼関係を生むためには、彼らを信じる周りの環境が何よりも大切だと思います。彼らにエールを送りませんか。子どもたちへのご支援を頂ければ何よりです。

いっしょにパスをつなぎませんか|イワモトアキト 

#note  

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サポートいただいた大切なお気持ちも必ず子どもたちに還元させていただきます。彼らへエールを今後ともよろしくお願い致します。