いっしょにパスをつなぎませんか
ラグビーをプレーする意味とは何でしょうか。
人間力が育つ?
強い体を作る?
・・・・・・?
愛知県名古屋市守山区、県立守山高校ラグビー部の子どもたちにとってラグビーは「未来」への挑戦。彼らはプレーを続けることで人生の展望を開こうと試みています。
そんな彼らに目を向けてみませんか。彼らの背中を押す、温かい想いこそが彼らをさらに成長へのステップへと導きます。個性豊かな子どもたちのありのままの姿を、写真と言葉でお伝えします。
現在部員数26名、お世辞にも「強豪」とは言えない守山高ラグビー部。愛知県大会での最高成績はベスト16。全国大会を目指す上位校との力の差は大きい。そんな部員たちの目標は「続けること」。高校3年間を通してプレーを続け、自己の成長を見つめます。
新型コロナウイルス感染症の影響で止まった部活動、6月からようやくグラウンドでの練習が再開、タックルやスクラム練習はなし、コンタクトプレーができないまま夏休みを迎えた。ディフェンスラインを守る意識、決まらないサインプレー。
炎天下のグラウンドには荒い息づかいと蝉の鳴き声だけが響く。声が出ない、指示が出せない…。自分自身に自信が持てないから、チームメートにも何も言えない。
監督を務める中村は静かなグラウンドで声を掛け続ける。何度も繰り返しプレーを確認。「繰り返し、繰り返し。考えるんだ」。子どもたちとともに汗だくになってボールを追う。
7月23日におろしたボールは3週間も経たないうちに削れ、グリップ力はほぼない。土と汗でボールが滑るとパスが大きくそれた。中村の笛が鳴る、プレーが途切れた。土埃が舞うグラウンド、うつむく部員たちにあなたはどう言葉をかけますか?
集中しろ!
もっとできるはずだ!
どれも正解で、どれも不正解。強く言えば心が折れてしまうかもしれない、優しすぎても届かない。思春期の心の揺れとともに見え隠れするのは子どもたちが抱える「否定感」。
「どうせ俺たちにはできない」
休憩の合間に声をかけ、プレーの確認を促すとためらうことなくそんな言葉が。勉強が苦手な子どもたちが多い守山高。学業成績という数字を自己評価のすべてのように捉え、小さな枠に自分自身を閉じ込めているかのよう。自分自身への否定と諦めに近い言葉に戸惑いを覚えた。
「それは違う」
中村は信じている。子どもたちは通信簿の数字では計れない。彼らは何かを必死に続けることで伸び続ける『変数』そのもの。自信を持つことで子どもたちは夢を掴むチャンスを得られる。大学や専門学校への進学、そして就職に。ラグビーは彼らの頑張りを心と体で証明してくれる。
「彼らはもっと成長できる。進学も就職も同じ。強い意志で試験や面接に臨めるからこそ相手から魅力的に見える」。在学者数を元に算出した日本の大学進学率は58.1%。対して守山高校は18.1%。必ずしも大学進学が正解ではない。ただ選択肢が増え、自らの道を自らの意思で選べることが叶うかもしれない。就職も然り。中村はその可能性を子どもたちに伝えたい。
今、子どもたちにかけるべき言葉は何か…。
「いいぞ、もっとやれ」「応援してるぞ」「お前ならできる」。そんな想いをカタチにして子どもたちに伝えたい。
子どもたちにボールを贈りたい。ただのプレゼントではなく、子どもたちと大人たちの想いをつなげるボールを。
パスやキック、ジャッカル…。想いの込められたボールでプレーすることで彼らの中で「大切にする気持ち、大切にされる気持ち」が立ち現れないか…。
ボールを必死に運び、必死に守る。そのプレーの積み重ねが一選手、そしてチームの成長につながると私は信じています。
想いの質が変われば、プレーの質も変わるはずです。
今後、不定期ではありますが守山高校ラグビー部の子どもたちの姿を写真と記事でお伝えします。
彼らへの取材は始まったばかりでご満足いただける内容の伴うものではないかもしれません。
ただ、子どもたちは皆魅力的であり唯一無二の存在感をそれぞれが放っています。みな最高です。
彼らへのメッセージとともに支援のお気持ちで記事を購入して頂ければ幸いです。コメント欄に届いたすべてのメッセージを子どもたちに。全額をボールの購入費に変えて子どもたちに贈ります。
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サポートいただいた大切なお気持ちも必ず子どもたちに還元させていただきます。彼らへエールを今後ともよろしくお願い致します。