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【出産】体験記2~陣痛がきた~

マジパねえ。
初めての出産の記録。


前夜

いつものようにシャワーを浴びて布団に入りしばらくすると、お腹を下した時のようなギュッギュッとした痛みが襲ってきた。こいつは30分ごとにやってきて、ぜんぜん寝かせてくれない。その都度モゾモゾと動いて痛みを逃がさなければ耐えられなかった。

お腹を下した時の痛みは本当に嫌いで、大学時代にウイルス性胃腸炎に罹りアパートの浴室から出られなくなったことが思い出されたが、今回は可愛いわが子に会うために仕方がない。愛の力で乗り越えられる!はずもなく冷や汗が止まらず、つらい時間が続いた。

話に聞く通り、陣痛は波のようであった。痛みが楽になってきて眠りに落ちそうな頃、またやってくる。21時頃から規則的に繰り返し、きっちり30分ごとに時計と睨みあうこととなった。

子宮に膀胱が圧迫されているのか、痛みの度に微妙だけれども無視できない程度の尿意をもよおし、何度も布団から出たので隣で寝ている夫を起こしてしまった。のた打ち回り頻繁に布団から出入りする私を心配しながら、夫も少しずつ緊張してきたような様子だった。痛みの間隔が10分くらいまで短くなったら迷わず病院へまっしぐらだが、まだまだ30分間隔である。初産だし、先は長いのかもしれない。

そんなこんなで日付が変わり、気づけば予定日当日。枕元には、いつでも外に出られるように着替えが一式置かれていた。

当日の朝

いよいよ本日、決着である。外が明るくなり、痛みの間隔はどんどん短くなってくる。結局、私は一睡もできなかった。

午前6時頃。そろそろ活動開始しても早すぎない時間になったので布団から出て着替えをし、居間のソファに横になって掛け時計をじっと見つめる。痛いのは痛いが、景色が変わって気分も少し晴れた気がした。嘘である。痛いし眠いしでしんどかった。

病院の診察受付開始は午前8時30分からだったが、とうとう耐えきれず夜間受付番号へ電話をかけた。午前7時である。

陣痛が10分間隔になったら電話をするようにとの指示だったが、この頃には5分くらいになっていた。なにぶん初めての出産なので、どの程度で連絡したら良いのか正直自信がなかった。電話して病院に向かう間に陣痛が遠退く可能性もあるなと心配で、時間外に病院へ電話することに躊躇いがあった。

後から思えば、陣痛なんて読めないものだし、産院の特に産科病棟は24時間営業なので時間外の電話も心配ご無用。遠慮なくどうぞ。そりゃそうだ。産気付くのをコントロールするのはほぼ無理だ。わが子が出ると言ったら夜中だろうが早朝だろうが母は協力するしかないのだ。

実際、入院中の真夜中に助産師さんが授乳に付き合ってくれていたとき、産気付いたらしい電話の対応をしているのを聞いた。産科病棟は、消灯時間はあれどみんなが寝静まることはない。夜通し続く3時間おきの授乳のため授乳室は常に明るいし、夜中に赤ちゃんの泣き声が響き渡るし、抱っこであやしながら廊下を歩くママもいる。みんなそうだった。
文字通り何時でも助産師さんが助けてくれるし、自分と同じように眠れず子をあやすママもいる。24時間眠らない赤ちゃん中心の異空間、産科病棟は産後ママの楽園である。

未来の私より


電話で助産師さんと相談した結果、まだ痛みの間隔が広く不規則なためすぐに病院へとはならず、もっと頻繁に痛くなるようなら再度連絡、そうでなければ8時30分以降に来院するようにとの指示だった。くっ…。勇気を出して助けを求めたのに。至極真っ当な指示だが、寝不足なのですぐに弱音を吐く。痛いのやだ。

結局、痛みの間隔が安定せず8時30分。確かに腹は痛いが、わが子に会えるビジョンが全く持てないままバナナとヨーグルトを少し食べる。入院セットを持ち、夫と共に病院へ向かった。いよいよ入院、お産の始まりである。


陣痛の間隔をメモした画面。
今見たら、けっこう頻繁で怖い。


つづく。


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