【プロ野球】2022シーズン開幕!注目選手を徒然と。
2022年プロ野球もいよいよ開幕。今回は2月の沖縄キャンプ取材を通じて、今季注目したい選手について、徒然と。
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今年のキャンプで、最も多く取材させていただいたのが中日ドラゴンズだった。立浪新監督がどんな野球を見せるのかに注目が集まるが、浮上のポイントは言うまでもなく打撃陣の強化。今季から新たに就任した中村紀洋・森野将彦両打撃コーチと共に、立浪監督自らも直接若手を指導する場面も多かった印象だ。
その中で、私が注目したいのは、高卒3年目の石川昂弥とドラフト2位ルーキー・鵜飼航丞。両選手とも将来クリーンアップが期待できる右の大砲で、2人がフリーバッティングを行ったとき、その飛距離と弾道を目にしたスタンドのファンから、なんとも言えない声が上がっていたのがとても印象に残った。
まずは石川昂。軸足にしっかりと体重を乗せて始動することを意識しているような練習を、第2クールまでは多く見かけた。中村コーチからは始動を早くするように言われていたという話だが、そんな中でも柵越えを連発。それも、力で放り込むのではなく、無駄な動きの少ない綺麗なスイングで、数多くの放物線を北谷の空に描いていた。
今季は三塁で根気よく起用していく方針というが、巨人の岡本和馬のように、使われながら攻守の両面で成長していけば、中日の上位進出も夢ではないと思っている。
鵜飼については、自分が書いた原稿で左右を間違えてしまうという大失態をして、大変申し訳なく思っているのだが、それとは別に、キャンプ取材初日で見たスイングスピードの速さに、とにかく目を奪われた。ドラフト1位のブライト健太が霞んでしまったほどだ。
スイングスピードについては、各メディアで多くの解説者・評論家の方々が指摘。とにかく、多くのファンの方に実際に見て欲しい選手である。開幕スタメンはどうやらなさそうというのが、各メディアの見解だが、代打の1打席ではなく、早くスタメンに名を連ねて、打席の中でプロのボールに早く慣れて欲しいと思う。
そのほか、スタメン起用が有力視される高卒3年目の岡林勇希、勝負の4年目を迎える根尾昂、同じく4年目の捕手・石橋康太など、若い選手が1人でも多く戦力となれば、立浪監督1年目からの優勝もありうるのではないかと思っている。
かつて、補強なしで1年目からリーグ優勝を飾った名将のように。。。
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次に注目したいのは、楽天2年目・早川隆久。
昨年は完成度の高さから、新人王最右翼候補と目されていたが、夏場に失速し9勝止まり。新人王はオリックス2年目・宮城大弥が獲得することとなった。
金武キャンプのブルペンを2年連続で見ているが、今年はその表情がとても印象に残った。昨年は1年目ということもあり、明らかに緊張の面持ちで投げているように見えた。それもそのはず、自身の隣では田中将大・岸孝之・涌井秀章・則本昂大と、文句ない実績を誇る先発投手陣が投げていた。
本人は経験豊富な彼らに、直接質問をすることで多くのことを学んだというが、特に田中の加入でブルペンに注目が集まった分、気負いもあったのではないだろうか。
それが今年は、とてもリラックスしているような柔らかい表情で、投げることが楽しいという感じが、その表情や仕草、捕手への声かけから感じることができた。
その中でも印象的だったのは、日本ハムとの練習試合が組まれていた2月13日。新庄BIGBOSSの球場入りに注目が集まっていた昼前。ブルペンには早川ただひとり。見つめる報道陣が、私ともう一人くらいという状況になった。ボールがミットを叩く音が響くブルペン。早川は、ある変化球を習得するため、試投を繰り返していた。
その変化球は大きく落ちる「縦のスライダー」。空振りの取れるボールを模索する中で、自身にフィットする落ちるボールとして、フォークではなく、縦スラに狙いを定めたのだろう。
この日は石井貴・小山伸一郎両コーチが見つめるだけでなく、打席には銀次が立ち「今のちょっと横曲がりですかね?」「今のボールは打てますよね」と、ボールの見え方など直接アドバイスを求めていた。
その様子を、ブルペン脇から観察していたのが石井一久監督。60球を過ぎたあたりから、キャッチャーの後ろの移動し、「真ん中低めに叩きつける感じで。もうちょっとワンバンっぽくてもいいくらいのイメージで」と助言を送っていた。
早川が目指しているのは、石井監督が現役時代に投げていたようなスライダー。大きな助言を受けた2年目左腕は、その後も縦スラの感覚を確かめながら、この日は107球。投げ終わったとき、自然とこぼれた笑顔からは、手応えと充実感を感じさせられた。
昨年の経験と、新たに手に入れた武器をひっさげ、2年目のシーズンを迎える早川。ライバル球団からすれば、かなり厄介な投手になるのではないか。
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他球団のルーキーでは、日本ハムのドラフト3位・水野達稀。
守備練習での流れるような足捌きとグラブさばきも、美しかったですが、目を引いたのが打撃練習時のティーバッティング。シンプル且つスムーズにバットが出ていたので、いろんなボールに対応できそうな印象を持っていたが、実際に練習試合でもヒットを放っていたので、公式戦でどれくらい対応できるのか。
ロッテのドラ1・松川虎生は、インサイドワークと立ち振る舞いは、既に高校生のそれではなく、打撃でもアウトコースへの対応は問題なさそうなので、インコースをどう捉えていくか。あとは、試合にで続けたときの疲労度で、いろいろズレが出てきたときに、どれだけ対応できるかが、レギュラー獲りへの鍵となってくる。
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どの球団も若い選手が多く出てくる可能性を秘めているが、心配は巨人とソフトバンク。常勝の中でチームの新陳代謝がうまく言っていないような印象を受けているので、今年は「再建モード」と割り切ってもいいんじゃないかと思っているのだが・・・。
世界に目を向ければ、先行きはかなり不透明。明日の生活もどうなるかわからないという事実が横たわっているが、いずれしても、これから11月まで、まずは無事にシーズンを完走ことを願うばかりである。(了)
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