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【FM店主日記Day3】人はすぐに慣れるし、人はすぐに忘れる。

iPadのキーボードでの入力がまだおぼつかない。

パソコンのキーボードよりも一回り小さいので気がつくとトンチンカンな文章を入力してしまっているし、テキスト入力の最中に画面をタッチする、という作業もなんだか無駄が多いような気がしてならない。

仕事の効率化に長年取り組んできていて、ああでもないこうでもない、というのを散々繰り返した結果、結局仕事の効率化は道具ではない、という結論に辿り着いた。どんな道具を使うか、ということではなく、むしろ、どんな道具を使わない選択をするか、というのが効率化にとって極めて大切だ。

例えば、外付けのマウス。最近はBluetoothで繋がる無線のものが主流となっているのだろうけど、このマウスが良い、というのは全てナンセンスだ。マウスを使うこと自体が非効率的な行為でしかない。マウスとキーボードの間を一日に何回も自分の手が往復するわけだけれど、この往復行為ははっきり申し上げて生産性ゼロである。マウスを使う、イコール作業が遅くなるので、外資金融あたりでバリバリとエクセルを回している人はマウスを使うこと自体が自殺行為だと思っている節があるので、とにかくマウスを触らない。最近の外資金融の人たちがエクセルなんぞ今も使っているのかは知らないけれど、少なくとも20年前はそうだった。触らなくてもほとんどの作業はできる。最近はノートパソコンが主流になったので外付けマウスを使っている人の数は随分と減ったけれど、いまだにたまにマウスがないと仕事ができない、と言っている人を見かける。しかし、MacBookはマウスがなくても成立するような設計になっているし、トラックパッドはマウスではできないようなジェスチャー機能も使えるので、マウスよりも効率的だし、マウスを外付けするなんてスマートじゃない。そこに辿り着くまでに随分といろんなマウスを試してみたけれど、結局ないに越したことはない、という結論に至った。

文章を書く作業をすることが多いので、文章を書くためのツールも実に様々なものを試してみた。が、結局、メモ書きであればメモパッドみたいなもので十分だし、文書作成であればもう最近はGoogle Document一択でやっている。そして効率よく文章を書くために必要なのは道具ではなく、何を書くかを先周りして考える思考力と、思考のスピードに付いていけるだけのタイピング速度だ。メールを書くにしてもSlackの返事をするにしても、自分のアイデアをまとめるにしても、結局タイピング速度が仕事の速さに最も大きな影響を及ぼす。

今更タイピングの練習をする、というのも変な話なのかもしれないけれど、仕事の効率が上がらないで困っている人はいろんな変な道具を導入するよりもまずタイピングの速度と精度を上げることから始めてみてほしい。一番地味な方法だけれど、パソコン作業の全てに通じる基礎中の基礎であり、タイピングが速くなるだけで仕事の効率はめちゃくちゃ変わる。

だからこそ、このiPadのキーボードの違和感に私はとてもイライラしている(笑)。違和感は一過性のものだ。人はすぐに慣れるし、人はすぐに忘れる。

フェルマータ店主 KAORU


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