最近注目しているXR学生 2022.08.14

こんにちは、社会人5年目のXRエンジニアのイワケンです。
HoloLensが好きで、年に1回HoloLensプレゼンを披露しています。

HoloLensで必殺技を出しました。CA BASE NEXT2022

2022.08.14時点で最近注目しているXR学生をメモします。

目線としては

・目指しているビジョンが面白い
・技術の活用が面白い
・ちゃんと行動している

この3点でみたいと思います。
このnoteでは以下の3名をご紹介します。

・林裕人 / Real World Metaverse構想
・にー兄さん / Project TSUin-MI
・さきやま / Photogrammetry

林裕人 / Real World Metaverse構想

林さんは、株式会社WOGO (国産3Dスキャン WIDARの会社)のUXデザイナー、東京藝大修士メディア映像所属の方です。

注目している理由は
・構想を可視化する凄さ
・形にする実行力と巻き込み力

この2点です。

noteのヘッダーより

Real World Metaverse(以降RWM)とは、ARグラスなどを通して日常生活の風景の中に様々な情報が差し込まれた新しい世界の状態です。10年後AR技術が発展することで達成されるこの世界では、スマートフォンの登場以来のセンセーショナルな情報環境の変容が起きるでしょう。
その時の未来をディストピアではなくより良い未来にしていくために、プロトタイプとしてRWMを議論し、社会実装していくのが本プロジェクトの目的です。

note 【Real World Metaverse】 プロジェクトキックオフ

このnoteには文章だけでなく、スケジュールや未来像など図示して表示ししています。

また、Notionにプロジェクトの進捗を可視化しています。

noteやNotionを見ていて、構想の解像度が高い印象でスゲーと思っています。
技術面でも、360度画像/動画天球上でのアバター歩行にて、影をしっかり落とす手法 (特許出願中らしい) など、自明でない技術を自分で実装されていたので感銘を受けました。また、クライアント実装だけでなく、バックエンドの実装も設計されていてスゲ~と思いました。

この360度動画の表現から、AR時代のUXの深堀を楽しみにしています。

もう一つ、メンバーの巻き込み方とプロジェクトの打ち出し方がスゲ~と思いながら見ています。

https://realworldmetaverse.notion.site/8-13-eda94d59b8c94b5f9e5f4632be239599

メンバーが集まっていてスゴイ

対外打ちだしとしても

・学内成果発表展 (Done)
・AppStoreリリース (予定)
・コンペ (予定)

など、明確に計画されていてスゲ~と思いました。

現在、メンバーとアイデア募集中なので、興味ある人は声をかけてみてはどうでしょうか。

にー兄さん / Project TSUin-MI

にー兄さんは、 つくばをARネイティブな街にしたい学生エンジニアです。UnityとWebXRとVPSとその他3DCGが好物とのこと。筑波大学生で、HoloLab inc. アルバイト、Microsoft学生アンバサダーなどしているそうです。

にー兄さんを注目している点は

・技術者も唸る技術検証アウトプット 質&量

まー、いいところついているなーと思います。直近で面白いと思ったアウトプットをご紹介します。

PLATEAUのCityGMLをArcGISに読み込んでシーンレイヤーに変換しようと思ってたけど失敗したので3DTilesをslkpに変換する
Immersal Localization Testbed with Babylon WebAR
Cyverse in Tsukuba Center (location-based AR using ARCore Geospatial API)

オクルージョンの位置合わせめっちゃきれい (スゴイ) ちゃんとCG演出が建物でしっかり隠れていますよね (これが難しいんですよ) 

簡単に解説すると、つくばをARネイティブな街にするに、VPS (Visual Positioning Service) 周辺の技術の調査をしています (Project TSUin-MI)

VPSというのは、その場所をスマホカメラでかざしたときに「どの場所からどの方角を向いているのか」リアルタイムに特定する技術です。

例えば、筑波の街をスマホカメラでかざしたときに「ここは筑波のこの場所ですね」と、細かい精度でわかりたいということ。

このVPSを扱うために提供されているサービスとして

・Immersal (3Dマップを事前にスキャンする必要がある)
・Pretia(3Dマップを事前にスキャンする必要がある)
・ARCore GeoSpatial API (3DマップはGoogleが事前に行っている)

などがあるのですが、彼はこれを扱う時に使いにくいところを解決するソフトウェアをOSSとして公開しているのです。

最近の、ImmersalのBabylon.jsによるWebAR化は熱いGithubでした。なぜなら、スマホネイティブによるARではなく、WebARのVPSは待望されていましたが、世にほとんど公開されていませんでした。最近、2022年5月にNianticがWebARにもVPS対応すると発表して、AR業界を驚かせました。それくらい最先端の内容です。そんな中、ImmersalのWebAR向けのVPS機能をひっそり公開していました。彼はImmersalがWebAR向けにAPIを作っている情報をキャッチして自分でアレンジしてプロトタイピングしたのです。

このスピード感はAR界隈でもトップスピードだと思います (日本の最先端かもしれない) 難易度も高く、いつもありがたく見させていただいています。

このほかにも、Unity/Webを中心に多くの技術検証/公開をしているので、スゲ~×10という感じです。

今後、注目されていくエンジニアになるのは間違いないでしょう。

さきやま / Photogrammetry

さきやまさんは、「日本の美しい風景をすべてフォトグラメトリし、みんなに体験してもらる」を目指しているフォトグラファー (広域が得意) です。現在大学院生とのこと。

彼に注目している理由は

・フォトグラメトリの行動力
・乗っかり力

です。

彼はお寺のフォトグラメトリを行うために、お寺に許可を取り実際に撮影し、フォトグラメトリを行った後にVRChatにアップロードするまで行いました。

私がスゲ~と思ったのはこれを実現したスピード感です。私の想定の半分くらいのスピードで実現していました。実行が早い人はこれから楽しみですね。

また、VRChat上のイベントのスタッフに参加するなど、色んな機会に積極的に乗っかっていく姿は魅力的に感じています。

今後の活躍が楽しみです。

どこで注目XR学生を見つけているのか

私が運営している「技術好き学生活躍コミュニティ」であるIwaken Lab.

・週1の近況報告集会
・Discordのtimesチャンネル投稿

この2つでキャッチアップしています。

2021年5月から週に1回、累計50回以上オンライン集会として開催しています。その中でXR好き学生さんの近況を聞いて、私ができるフィードバックを継続してきました。

集会の集合写真

近況報告集会の議事録はすべてScrapboxで見返すことができます (closedです。すみません) 

近況報告の議事録、Scrapboxに蓄積

また、Discordのtimesでもフィードバック活動をしています。

IwakenLab. のDiscord

その中で、アウトプットのインパクトだけでなく、その人がどういう構想を考えているのか、どれくらいのスピード感で成長しているのか、というのも解像度高く見れるので、高い確度で注目するべき人を見極めることができていると思います。

今回紹介した学生以外も、面白い構想をもって活動している学生がたくさんいるので、またの機会に紹介したいと思います。

お知らせ:8/20VPS開発座談会、参加者募集

今回紹介した、にー兄さんのVPS話から派生した座談会、VPS開発座談会を8/20に開催します。

LT登壇として

・軽率にWebARアプリでImmersalによるVPSを実装する (にー兄さん)
・開発で触れたVPS機能への所感 (SATOSHIさん)
・観光とVPSの模索(仮) (FumiyaHrさん)
・VPSまとめてみた(仮)(がちもとさん)
・Pretia 「Relocガイド」(ゆづるさん)

など、トークしてくださる予定です。トークの後は、ざっくばらんな座談会になります。

事後にアーカイブ動画として、ある程度残す予定ですが、議論に参加したい!という方は
上のconnpassからメモ担当 (見学)で参加することをおススメします。初見さん大歓迎の優しい雰囲気でイベントしますので、ぜひ遊びに来てください。

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