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【葬送のフリーレン】テーマのリフレイン:種族の違い③ 魔族

漫画「葬送のフリーレン」には、様々なリフレイン(繰り返し)が組み込まれています。それらを意識しながら読み進めるのも、この漫画の一つの楽しみだと考えています。リフレインの種類についての概要はリンクを参照して頂き、以下では具体例について紹介します。

対象は単行本全10巻97話までですので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。


本記事で紹介するのは、テーマのリフレインの「種族の違い」です。

本記事は、以下リンクの続きになります。



「種族の違い」について

漫画「葬送のフリーレン」では、いくつかの種族が登場し、種族に特有の性質や、それに影響された言動・行動が、所々で描かれています。

それらを整理することで、種族への理解を深めていこうと考えています。

本記事では、人間を比較の起点として、魔族の特徴を記載します。

魔族の代表例

単行本10巻の時点で、葬送のフリーレンに登場する魔族は多数いますが、代表例としては6人います。

  • 魔王

  • 腐敗の賢老クヴァール

  • 断頭台のアウラ

  • 神技のレヴォルテ

  • 黄金郷のマハト

  • ソリテール

上記に挙げた魔族の直属の配下は省略しました。
また、ほぼ名前だけ登場する魔族、または名前の登場しない魔族は、上記から省略しました。

魔族個体の特徴

寿命

普通の魔族は最大500年程度、大魔族は2000年以上の寿命だと推察します。(自然死か討伐死かは区別しない)

以下に根拠を示します。

まずはじめに、魔族も自然死することがあります。

魔族も自然死することがある 第9巻67ページ

また、魔力によって寿命が変わる可能性があります。

以下の場面にて、そのことが言及されていますが、それが自然死の寿命が伸びるのか、それとも討伐されにくくなるのか、については不明です。

莫大な魔力を持つ大魔族は長く生きる 第10巻144ページ

上記のことから、自然死による寿命は推定するのが難しいですが、討伐死による寿命も考慮すると、以下のアウラとの対戦の場面より、500年が普通の魔族の寿命の最大値になると考えられます。

500年は魔族の中でもかなりの長寿 第3巻77ページ

また莫大な魔力を持つ大魔族に関しては、マハトの例を参考にします。

まず、マハトを結界に閉じ込めておく期間として、フリーレンは1000年を最大の数として言及しているので、1000年以上は自然死の寿命として想定していると考えられます。

千の単位が寿命の桁数だと考えているフリーレン 第9巻66ページ

また、以下の場面により、現代の時点でマハトは600年以上生きていることがわかります。

現代の時点で600年以上生きているマハト 第9巻160ページ

以上のことから、1000 + 600 =1600 で、四捨五入してざっくり2000年以上が大魔族の寿命だと推察されます。


身体的特徴

魔族は、人間に近い容姿で角が生えているのが特徴です。

ソリテール曰く、人間に近い容姿は進化の証とのことです。

人間に近い容姿は進化の証 第10巻19ページ

つまり頭の角で魔族を見分けるのが常套手段ですが、魔法で変装して角を隠す魔族もいるので、油断は禁物です。

魔法で角を隠す魔族もいる 第8巻128ページ

また人間に近い容姿といっても、腕が4本あったり、蛇のような下半身を持っている魔族もいます。

神技のレヴォルテの容姿 第8巻121ページ

また、魔族の体は魔力で構成されています。

以下の場面より、魔族は死ぬことにより魔力の粒子になって消える、ということが上記の根拠です。

これは推測ですが、魔力自体が魔法により体を構成する物質になっており、死後その魔法が解けることで魔力に戻るのではないかと想像しています。

魔族は死ぬと魔力の粒子になって消える 第2巻171ページ

ちなみに魔族ではありませんが、魔物の中には死後も実体の一部が残っている例もあり、暗黒竜の角がその一例です。

暗黒竜の角は実体が消えていない 第1巻18ページ

さらに魔族は、人間と比較して身体強度も反応速度も優れています

魔族は身体強度も反応速度も優れている 第10巻43ページ


精神的特徴

魔族は、"悪意"や"罪悪感"などの一部の感情や概念を持っていません

以下の場面では、魔族に"悪意"という概念がないことを言及しています。

第9巻141ページ

上記の精神的特徴の詳細については、まだ未発刊の単行本11巻の内容も含めて考察する必要があるため、11巻発売後、別記事にてまとめる予定です。

価値観

魔族は1つの魔法の研究に生涯を捧げることが多いです。

魔族は1つの魔法の研究に生涯を捧げる 第2巻178ページ

ただ飛行魔法については、魔族にとって歩くことと同様の技術なので、研究の対象外です。

飛行魔法は魔族にとって当然の技術 第8巻108ページ

また魔族は、魔法に誇りを持っています

おそらく魔法の研究に生涯を捧げているからでしょう。

ゆえに魔族は、魔法使いとの戦闘において、闇討ちや魔力量を欺くなどの卑怯な戦い方を嫌悪します。

魔族は魔法に誇りを持っている 第3巻66ページ

その他

魔族は人類よりも遥かに魔力に敏感です。

魔族は人類よりも遥かに魔力に敏感 第6巻176ページ

また魔族は、魔力の高い生物はご馳走に感じるようです。

魔力の高い生物はご馳走に感じる 第8巻92ページ

魔族集団の特徴

集団の大きさ

具体的な数字は記述がありませんが、現代の魔族の全体の個体数は少ないと考えられます。

フリーレン一行が出会った数から推察すると、個体数は以下の序列だと考えられます。

人間 ≫ 魔族 > ドワーフ > エルフ

集団内の自然増加

まずはじめに、魔族は出産によって子孫を増やします

以下の場面にて、そのことが言及されています。

ただ魔族には子育ての習慣が無く、それが多少は魔族の増加速度に影響しているかもしれません。

魔族は出産にて子孫を増やす 第2巻135ページ

コミュニケーション

魔族は人間の言葉を使います

魔族同士の会話も、人間の言葉を使っていると思います。

魔族は人間の言葉を話す 第2巻136ページ

統治機構

魔族は基本的には個人主義です。

ただ、人類と戦うための最低限の組織的な繋がりは持っています。

人類と戦うための最低限の組織的な繋がりは持っている 第3巻78ページ

その組織の秩序を保つために、魔族は魔力量により自分の尊厳を示します

この組織の仕組みのために、魔族は常日頃から魔力を制限するなんてことはしません。

魔族は自身の魔力量で尊厳を示す 第3巻80ページ

また魔王という圧倒的な頂点が登場してからは、恐怖による支配で魔族を束ねてきました

恐怖によって魔族を統治する 第10巻25ページ

ちなみに比較として、人間の魔法使いの権威の頂点にいたデンケンは、統治機構について魔族と真逆の考えを述べています。

魔法使いに質などいらん。一級魔法使いはただ単に権威の象徴であればいいのだ。魔法使いとしての力量がいくらあっても人心を掌握できなければ無力も同じ。儂は自分より遥かに優れた魔法使いが、失脚し迫害される様を山ほど見てきた。大きな力は恐れられる。恐れの権威など長続きせん。それに魔法は誇り高いものでもなんでもない。

デンケン、第5巻46ページ

文化・習慣

魔族は基本的に個人主義なため、集団としての文化や習慣はないと考えられます。

魔族と他種族との関係

まずはじめに、魔族と他種族との会話は、欺くために行われます

ゆえに基本的には、魔族との対話は無駄で、他種族とは敵対的な交流しかないです。

魔族の会話は欺くためのもの 第2巻136ページ

人間

大陸に存在する数が多いので、魔族の主な捕食対象になっています。

魔族があえて人間を食べるのは、他の動物と比べて魔力が高く美味しいからだと、勝手に考えています。

魔族は人以外も食べられる 第7巻128ページ

力関係としては、基本的には魔族の方が上です。

ただ、フランメの助力による人間の魔法研究の開始や、同じくフランメの結界魔法、さらにフリーレンによる一般攻撃魔法の開発などにより、現代では魔族への対抗力は増していると思われます。

エルフ

魔族はエルフに対して敵対的で、特に魔王が台頭した際に、エルフを全滅させる命令を出していました

魔王がエルフの全滅を命令した 第3巻67ページ

ドワーフ

特に意図的にドワーフを滅ぼそうとしたかは不明ですが、結果としてはアイゼンとゲーエンの住んでいた集落は滅ぼされています。

アイゼンの村が魔族に襲われた 第1巻168ページ
ゲーエンの村が魔族に襲われた 第9巻36ページ

魔族まとめ

個体

・寿命
普通の魔族は最大500年程度、大魔族は2000年以上の寿命

・身体的特徴
人間に近い容姿で角が生えている
魔族の体は魔力で構成
人間と比較して身体強度も反応速度も優れている

・精神的特徴
"悪意"や"罪悪感"などの一部の感情や概念を持っていない

・価値観
1つの魔法の研究に生涯を捧げる
魔法に誇りを持っている

・その他
人類よりも遥かに魔力に敏感
魔力の高い生物はご馳走に感じる

集団

・集団の大きさ
個体数は少ない
人間 ≫ 魔族 > ドワーフ > エルフ

・集団内の自然増加
魔族は出産によって子孫を増やす
子育ての習慣が無い

・コミュニケーション
人間の言葉を使う

・統治機構
基本的には個人主義
人類と戦うための最低限の組織的な繋がりはある
魔族は魔力量により自分の尊厳を示します
恐怖による支配で魔族を束ねる

・文化・習慣
集団としての文化や習慣はない

他種族との関係

魔族と他種族との会話は、欺くために行われる
ゆえに他種族とは敵対的な交流しかない

・人間
魔族の主な捕食対象
力関係としては、基本的には魔族の方が上
現代では魔族への対抗力は増している

・エルフ
魔王がエルフを全滅させる命令を出していた

・ドワーフ
特に意図的にドワーフを滅ぼそうとしたかは不明


以上で魔族については一旦終わりますが、まだ抜けている観点があると思うので、コメントにて教えて頂けるとありがたいです。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。


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