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【葬送のフリーレン】テーマのリフレイン:種族の違い① エルフ

漫画「葬送のフリーレン」には、様々なリフレイン(繰り返し)が組み込まれています。それらを意識しながら読み進めるのも、この漫画の一つの楽しみだと考えています。リフレインの種類についての概要はリンクを参照して頂き、以下では具体例について紹介します。

対象は単行本全10巻97話までですので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。


本記事で紹介するのは、テーマのリフレインの「種族の違い」です。


「種族の違い」について

漫画「葬送のフリーレン」では、いくつかの種族が登場し、種族に特有の性質や、それに影響された言動・行動が、所々で描かれています。

それらを整理することで、種族への理解を深めていこうと考えています。

本記事では、人間を比較の起点として、エルフの特徴を記載します。

エルフの代表例

単行本10巻の時点で、葬送のフリーレンに登場するエルフは、主に4人います。

  • フリーレン

  • クラフト

  • ゼーリエ

  • ミリアルデ

また、確定ではありませんが、後述する身体的特徴から、女神様もエルフの可能性があります。

エルフ個体の特徴

寿命

正確な寿命については、現時点で記述はありません。

ただ、フリーレンの年齢を最低ラインと仮定すると、1000年より遥かに長く生きると考えられます。

アウラ、お前の前にいるのは、千年以上生きた魔法使いだ。

フリーレン、第3巻94ページ

後述する様々な特徴は、この寿命の長さに起因するものが多いです。

身体的特徴

・エルフは耳が長いのが特徴です。

エルフの耳は長い 第1巻72ページ

その特徴が女神様の描写にも見られるため、エルフの可能性があります。

女神様の耳が長い姿が描かれている 第5巻105ページ

・また、人間と比較して身体的な変化がほとんどないです。

以下の場面では、50年の間に人間であるハイターはすっかり老けてしまいましたが、フリーレンは全然身体的な変化がありません。

人間と比較して身体的な変化はほとんどない 第1巻25ページ

おそらく成長の過程は人間に近いものがある(子供の頃に急激に成長、大人になって停滞、その後老いる)と思われますが、人間と寿命の長さが圧倒的に違うため、老いの過程を見ることがほとんどないのだと思われます。

精神的特徴

・エルフは人間と比較して記憶力が良いです。

先述した身体的変化の少なさから、脳の老化も遅いと思われますが、それだけでは説明がつかないほど物事を記憶している場合があります。

例えばゼーリエは、人類の歴史上のほぼすべての魔法の知識を持っており、その記憶量が人間とは桁違いであることが示唆されます。

ゼーリエは人類の歴史上のほぼすべての魔法を網羅している 第5巻105ページ

またフリーレンは、当時さほど重要視していなかったであろう、フランメとの千年前の会話を、ちゃんと現代でも憶えており、その記憶の精度も凄いことが示唆されます。

発言の意味がわからなかった千年前の会話もちゃんと記憶している 第1巻182ページ

もちろんゼーリエとフリーレンは、おそらくエルフの中でも天才の部類に入るので、エルフ一般の特徴とは異なる可能性もあります。

・また、新しいものへの適応は比較的遅いです。

以下の場面では、一般攻撃魔法に対しての反射的な防御が、どうしても一瞬だけ遅れてしまうことが指摘されています。

一般攻撃魔法への対処はほんの一瞬だけ遅れる 第6巻101ページ

ただこれは、本質的には人間と同じ特徴で、フリーレンが生まれたときに一般攻撃魔法があれば、反射的に対応できていたと考えられます。

価値観

・エルフは何かを探求することが多いです。

その特徴は、遺伝のような強制的なものや、そうしたいという積極的なものではなく、単にぼーっと過ごさないようにするためという、消極的な理由からくるものだ、というのがミリアルデの見解です。

エルフは長い人生の中で何かを探求することが多い 第8巻33ページ

とはいえ、魔族に復讐するという、決して消極的ではない理由で、フリーレンは魔力制限の技術を磨いてきたので、実際は探求する理由は様々だと考えられます。

・またエルフは、自身の生きてきた軌跡を記憶してくれる存在を望む傾向があります。

以下の場面で、クラフトは自身の生きてきた軌跡を記憶してくれる存在として、女神様を信じていますが、それに対しフリーレンは、「クラフト。それはただのエルフの願望だ」と伝えます。

自身の生きてきた軌跡を記憶する存在を望むクラフト 第3巻131ページ
記憶する存在はエルフの願望だと言うフリーレン 第3巻132ページ

これはクラフトに、女神様は存在しないことを暗に伝えようとしていますが、記憶する存在がエルフの願望だということは、フリーレンも認めています。

その他

武道や魔法使いなど、エルフによって探求することは異なりますが、魔力操作に関しては、総じて得意であると考えられます。

エルフは魔力操作は得意 第3巻72ページ

エルフ集団の特徴

集団の大きさ

具体的な数字は記述がありませんが、現代のエルフの全体の個体数は非常に少ないと考えられます。

全体の個体数が少なく、自然増加の能力も乏しい 第2巻112ページ

集団内の自然増加

少なくとも現代において、エルフは恋愛感情や生殖本能が欠落しているため、緩やかに絶滅に向かっています。

コミュニケーション

・現代において、種族内のコミュニケーションはほとんどありません

あったとしても数百年に一度の頻度です。

同族と会うのは数百年に一度 第3巻124ページ

そのくらい頻度が低いので、種族内の会話は、大陸で主流の人間の言語を使っていると思われます。

ただ古エルフ語の魔導書が存在することから、昔は種族内で古エルフ語を使っていたと推察されます。

魔導書の半分は古エルフ語 第8巻26ページ

・また、エルフ同士の会話では、言葉的に厳しいことは発していても、それを表情として出すことは稀です。

言葉的には怒りの表情を出してもいい場面 第6巻105ページ

少なくとも、フェルンみたいに明らかな怒りの表情を出すことはほとんどありません。

フェルンの怒りの表情 第1巻176ページ

統治機構

エルフの集落に関する記述が少ないため、集団内の統治機構については不明です。

文化・習慣

エルフの集団での生活の描写が少ないため、どんな文化や習慣があったかはわかりません

ただ以下の場面より、集団としての意識を高めるような、定期的な祭事などは、ほとんどなかったことが示唆されます。

エルフの集団では祭事などはほとんどなかったと思われる 第2巻114ページ

エルフと他種族との関係

人間

エルフの集落が残っていた時代は不明ですが、現代においてエルフは、数が多くて敵対的ではない、人間と交流することが大半です。

ただ、どれだけ人間と接してきたかにも依りますが、基本的に人間の気持ちの機微を読み取るのは苦手だと思われます。

人間の感情がわかっていないと思われる例 第1巻126ページ

それでも長い間人間と交流することで、雰囲気が悪いことを感じることができるようになるので、苦手であって不可能ではないことがわかります。

フェルンとシュタルクの間の空気が悪いことを感じるフリーレン 第7巻86ページ

ドワーフ

ドワーフも人間と同様に、エルフと敵対的ではないので、たまに交流することがあります

ドワーフは人間よりも寿命が長いので、エルフとは昔話を語り合う長寿友達になりやすいと思われます。

フリーレンとフォル爺は長寿友達 第4巻98ページ

魔族

エルフと魔族は基本的に敵対関係にあります。

力関係としては、以下のゼーリエの発言にあるように、大昔にはエルフ、特にゼーリエが魔族を圧倒していたと考えられます。

第10巻104ページ

ただ、魔王が台頭してきた頃には、エルフの全滅を指示できるほど、魔族側の力が強くなっており、実際に少なくともフリーレンのエルフの集落は壊滅されられています。

魔王がエルフの全滅を命令した 第3巻67ページ

この命令が少なからず、エルフの数を減らしたのは確かでしょう。


エルフまとめ

個体

・寿命
少なくとも1000年以上生きる

・身体的特徴
耳が長い
身体的な変化がほとんどない

・精神的特徴
記憶力が良い
新しいものへの適応は比較的遅い

・価値観
何かを探求することが多い
自身の生きてきた軌跡を記憶してくれる存在を望む

・その他
魔力操作に関しては、総じて得意

集団

・集団の大きさ
個体数は非常に少ない

・集団内の自然増加
恋愛感情や生殖本能が欠落しているため、緩やかに絶滅に向かっている

・コミュニケーション
現代において、種族内のコミュニケーションはほとんどない
昔は種族内で古エルフ語を使っていた
言葉的に厳しいことは発していても、それを表情として出すことは稀

・統治機構
不明

・文化・習慣
不明だが、定期的な祭事などは、ほとんどなかった

他種族との関係

・人間
現代において、人間と交流することが大半
基本的に人間の気持ちの機微を読み取るのは苦手
ただ苦手であって不可能ではない

・ドワーフ
たまに交流することがある
昔話を語り合う長寿友達

・魔族
基本的に敵対関係
大昔にはエルフが魔族を圧倒
魔王が台頭してきた頃には、魔族側の力が強くなった



以上でエルフについては一旦終わりますが、まだ抜けている観点があると思うので、コメントにて教えて頂けるとありがたいです。


長くなりましたので、他の種族に関しては以下記事にてまとめました。


最後まで読んで頂きありがとうございました。


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