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【葬送のフリーレン】フリーレンで国語の授業:第7話までの問題と解答例

本記事は、葬送のフリーレン第7話までの内容での、問題と解答例です。問題のみの記事は以下リンクにあります。


第1問

問題

第6話にて、村の海岸の清掃を依頼されたフリーレンは、報酬が偽物の魔導書だと知りながら、その依頼を受けました。

その後、以下の引用のように、フェルンとフリーレンとのやり取りが行われます。

フェルン:どうして引き受けたのですか?
フリーレン:困っているみたいだったからね。
フェルン:ただの善意とは思えません。
フリーレン:そうだね。これは自分のためだ。

フェルン・フリーレン、第1巻152ページ

最後にフリーレンは、「そうだね。これは自分のためだ」とフェルンに言いましたが、「自分のため」とは具体的に何か説明してください。

解答例

ヒンメルが過去に、新年祭の日に見る日の出について、フリーレンはきっとそれを楽しめると断言したが、その発言が本当か確認するため。

第4話にて、フリーレンの旅の目的の1つが、ヒンメル達との冒険の痕跡を辿ることであり、当時その冒険が大切だったかわからなかった、と発言しています。

第6話は、その冒険の痕跡を辿ることの1つです。

具体的には、ある村の新年祭にて、ヒンメル達が早朝に日の出を見たことです。

ただ、フリーレンは朝起きるのが苦手で、その当時は日の出を見ることができませんでした。

フリーレンは日の出を見ることを、特に大切だとは思っていませんでしたが、ヒンメルはきっと日の出を楽しめると、フリーレンに断言しました。

そのヒンメルの発言の真意がわからなかったため、フリーレンは再びその村を訪れ、今度は日の出を見ることで、その真意を確かめようとしたと考えられます。

上記のことを「自分のため」と表現したのは、その真意を確かめることが、フェルンと特に関係ないと捉えていたからだと考えられます。

ちなみに第3話でも、蒼月草を探すことを「自分のため」だと発言しており、冒険の痕跡を辿るのは、フリーレンの個人的なことだと考えているようです。

蒼月草を探すことも「自分のため」だと表現している 第1巻92ページ

第2問

問題

第6話での勇者一行の旅の回想シーンにて、フリーレンが新年祭の日に日の出を見逃したことに対し、ヒンメルがフリーレンにもそれを楽しんでほしかったと言います。

フリーレンは、ただの日の出だから楽しめるとは思えないと返すと、ヒンメルはそれを否定し、楽しめるのは「君がそういう奴だからだ」と返答します。

ヒンメルはフリーレンのことを、どんな奴だと思っていたのか、推察して説明してください。

フリーレンが日の出を楽しめると、ヒンメルが考える理由 第1巻163ページ

解答例

一人では朝早く起きることができない奴であり、かつ日の出を一緒に見る仲間が、その日の出を見て笑顔になっている姿を、楽しめる奴だと思っていた。

この「君はそういう奴」には、2つの意味があります

1つ目は、フリーレンは朝早く起きることが苦手な奴だ、という意味です。

勇者一行の旅でも朝が苦手だったことは、以下の場面で言及されています。

勇者一行の旅でも、フリーレンは朝が苦手だった 第1巻156ページ

苦手であるが故に、早朝に日の出を見るためには、必ず誰かが起こす必要があり、フリーレンを起こした人と日の出を一緒に見る可能性が高いです。

2つ目は、仲間の笑顔を見て楽しく思う奴だ、という意味です。

これに関しては、明確な言及はありませんが、実際にフリーレンとフェルンが日の出を見た様子から、その意味を推察することができます。

順を追って説明すると、まずフリーレンは日の出を見て、特に感動しませんでした。

ただ一緒に見たフェルンは、日の出が綺麗だとフリーレンに伝えます。

それに対してフリーレンは、ただの日の出だよ、と素っ気なく返しますが、フェルンに、少し楽しそうですよ、と指摘されます。

それはフェルンが笑っていたから、と言った時点で、フリーレンは何かに気が付いた表情になります。

おそらくこの時点で、フリーレンはヒンメルの意図に気づいたと推察されます。

それは、たとえフリーレンが日の出を楽しむことが出来なくても、一緒に日の出を見た仲間が楽しんでいる姿を見て、きっとフリーレンは楽しむことができる、という意図です。

フリーレンはフェルンの笑顔を見て楽しく思った 第1巻166ページ

感情をあまり表に出さないフリーレンですが、ヒンメルは一緒に旅する中で、上記のようなフリーレンの感情を読み取っていたから、そういう奴だと言うことができたのでしょう。

ちなみにその後に以下のやり取りがありますが、フリーレンは2つ目の意味を想定して発言しているのに対し、フェルンは1つ目の意味を想定して発言しているため、見事にすれ違っており面白いです。

会話がすれ違っている 第1話166ページ

また「すれ違い」という観点で、この話も含めて記事を書いていますので、時間があれば御一読ください。


第3問

問題

第7話にて、フリーレン達がフランメの日記を見つけた際、その日記の中に、天国と呼ばれる魂の眠る地をフランメが訪れた、という記載があることを確認します。

その記載内容について、フリーレンは最初疑っていましたが、アイゼンの「天国はある。その方が都合がいいだろう」という発言を受けて、内容を信じてみることにしました。

天国があったほうが都合がいい 第1巻185ページ

「都合」については、以下の引用の意味だと仮定すると、上記の発言は、天国があると信じることで、何らかの物事に良い影響がある、と解釈できます。

その「何らかの物事に良い影響がある」とは何か説明してください。

何かをするときにほかの物事に影響を及ぼす事情

小学館「デジタル大辞泉」

解答例

ヒンメル及びハイターが、天国で贅沢三昧している可能性に対して、良い影響がある。

第7話の冒頭にて、過去の勇者一行の旅の中で、ハイターは人が死んだら天国に行くと発言しました。

それに対し他の勇者一行のメンバーは、天国の存在に対して様々な意見を言います。

それを受けてハイターは、天国の実在はどうでもよく、あるべきものだと答えます。

何故だと聞くアイゼンに対して、ハイターはそのほうが都合がいいと答えます。

天国はあると信じたほうが、天国で贅沢三昧できる可能性が残る、と考えているようです。

このような一種の打算的な考え方は、様々な意見を持つ他のメンバーにも受け入れられます。

天国はあるべきものだと考えているハイター 第1巻170ページ

話は現在に移り、アイゼンもハイターと同様に、天国があったほうが都合がいい、とフリーレンに伝えます。

過去の場合は、アイゼンの故郷の村の人が、天国に行くことを想定していましたが、現在の場合は、アイゼンとフリーレンの共通の仲間である、ヒンメルやハイターのことを想定していると推察されます。

ここでフリーレンが、天国を信じないとなると、ヒンメルやハイターが天国で贅沢三昧している可能性を否定することになるので、たまには都合よく天国を信じてみるか、とフリーレンは考えたのだと推察されます。


いったんここで終わりますが、また問題を追加できたら、順次追加していきます。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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