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【葬送のフリーレン】データで見る作品の位置付け

たまたまX上で、『日経エンタテインメント!』3月号の「最旬"推し"新潮流」という特集が面白い、という投稿を見かけて、実際見てみると面白かったです。

なので本記事では、普段投稿のテーマとしている『葬送のフリーレン』が、その特集のデータの中でどのような位置付けなのかを、整理して紹介したいと思います。

本記事では『葬送のフリーレン』に焦点を絞っていますが、他のコンテンツも横断的に分析されているので、興味がある方はぜひ購入してみてください。



世代・性別"超"マッピング

上述した特集の中で、特に面白かったのが、各ブランドを推している人の世代や性別をマッピングしたデータで、全体像は以下の図になります。

(縦軸が年齢、横軸が男女比を表しています)

世代・性別"超"マッピング 全体像
日経BP「日経エンタテインメント!2024年3月号」28ページより
マッピング図の見方
日経BP「日経エンタテインメント!2024年3月号」29ページより


調査方法

本題に入る前に、データを見る上で重要になるので、まず上記のデータの調査方法を紹介します。

調査時期:2023年12月16日
調査対象:全国に住む15~69歳の3万人
回答方法:自由回答方式

マッピングデータの調査方法
日経BP「日経エンタテインメント!2024年3月号」31ページより

ポイントは2つあります。

1つは調査時期が2023年12月16日であり、本記事の対象である『葬送のフリーレン』はアニメ放映中であるため、注目度が高い時期での調査となります。

もう1つは回答方法が自由回答方式であり、『葬送のフリーレン』という特定のコンテンツだけではなく、『アニメ』などの上位概念も、データの中には含まれます


『葬送のフリーレン』の位置付け

では『葬送のフリーレン』を推している人は、どのような年代で男女比はどのくらいなのかを確認するため、最初に示した全体像を拡大したものを以下に示します。

拡大したので分かりにくいですが、縦軸は推している人の年齢を表しており、一番下の太い線が20歳、それより上の太い線は30歳、40歳、50歳を表しています。

世代・性別"超"マッピング 一部拡大
日経BP「日経エンタテインメント!2024年3月号」28ページより

この図から、『葬送のフリーレン』を推している人の年齢は平均40歳くらい、男女比は50%よりもやや男性多めの比率であることが分かります。

他のコンテンツとの相対的な位置付けとしては、例えば同時期にTV放送されていた『呪術廻戦』は、平均年齢が35歳くらい、男女比はほぼ50%で、『葬送のフリーレン』よりも若い層が推していることがわかります。

また、『アニメ』というカテゴリは、平均年齢37歳くらい、男女比は男性65%くらいなので、一般的なアニメ視聴者層よりも、『葬送のフリーレン』は若干年齢高めで、かつ女性も観ているコンテンツだとわかります。

『葬送のフリーレン』はバトル描写よりも落ち着いた内容の話が中心で、また一般的なアニメキャラよりも中性的な見た目をしている(萌え要素が少ない)ので、このような相対位置にあるのだと思います。

他にも読み取れる観点はありますが、本記事での相対比較はこれくらいにしておきます。


主題歌を担当した『YOASOBI』

上図にてちょっと意外だなと思ったのは、『葬送のフリーレン』の第1クールの主題歌を担当した『YOASOBI』の位置です。

勝手に『YOASOBI』は20~30代くらいの人が推しているブランドかと思っていましたが、実際は平均年齢42歳、男女比が男性65%くらいの位置にありました。

なので、『YOASOBI』は若い層の取り込みが狙いというよりかは、『葬送のフリーレン』の支持層に合わせた抜擢だったのかもしれません。


その他

これは個人的な話ですが、私が大好きな『SLAM DUNK』の支持層が、『葬送のフリーレン』の支持層とほぼ同じだったのは、何か考察の余地があるかもしれません。


推しファン人数

上述した特集の中で、次に面白かったのが、推しファン人数のデータです。

上述のマッピングのデータを使い、日本の人口構成で重み付けを行うと、各ブランドを推しているファンの人数の推計ができます。

推しファン人数の推計データ
日経BP「日経エンタテインメント!2024年3月号」31ページより

自由回答方式での調査で回答された全ブランドの内、『葬送のフリーレン』は5番目に推しファンが多く、規模は約120万人だと推計されています。

ただこれは、調査時期が2023年12月16日であり、アニメ放映中であった影響が大きく、実際にアニメ放映後もずっと推してくれるファンは、もっと少ないと思われます。

参考としては、2023年4~6月にアニメ放映があった『鬼滅の刃』と『推しの子』が、それぞれ約95万人と約67万人という結果になっています。

その両作品よりも『葬送のフリーレン』は落ち着いた盛り上がりだったことを考慮すると、希望も含めて推しファンが50~60万人くらいかなと推察しています。

少なくともそのくらいの規模の推しファンが、今後も継続的に維持できると、『名探偵コナン』や『ポケットモンスター』みたいに、息の長いブランドになると言えるでしょう。


まとめ

本記事では、『日経エンタテインメント!』3月号の「最旬"推し"新潮流」という特集を元に、『葬送のフリーレン』を推している人の年齢や男女比、推しファンの規模を整理し紹介しました。

改めてですが、他のブランドも横断的に分析しているので、興味がある方はぜひ購入してみてください。(ステマではありません)


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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