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新たな才能に出逢う場所。デザインフェスタギャラリー原宿に行ってきました!

都心の真ん中でアートに包まれる一日、良いものですよ。

今回は原宿にある、デザインフェスタギャラリーに立ち寄ってみました。普段こういったギャラリーに行く習慣はなく、はじめて知って訪れた施設でしたが、とても気に入りました。素敵な作品やクリエイターさんとの出逢いを楽しめたので、初心者なりに軽くご紹介できればと思います!

どんなところ?

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JR原宿駅から徒歩数分、一風変わった建物がデザインフェスタギャラリーです。EASTとWESTの2棟建てで、小部屋の展示スペースが数多く構えられています。そもそもは東京ビッグサイト等で行われている『デザインフェスタ』というアートイベントのコンセプトを軸にしたギャラリーで、オリジナル作品であれば審査なしに誰でも出展可能なのが特徴。作品の販売においても手数料などは掛からず、アーティスト・フレンドリーな貸し画廊です。

訪れてみて思ったのは、クリエイターやアートそのものとの距離感がとっても近いこと。作品を見ながら、その作り手と直接コミュニケーションが取れる雰囲気が魅力的ですね。また、色んな場所にウォールペイントなどが施されていたりと、建物全体を通してアートな空間に包まれることができるのも面白いです。原宿という立地も伴って多くの来場者が集まるようで、気軽に新鮮なアートに触れることができる、地域のアートギャラリーとしての役割も担っていそうです。誰もがアーティストとして自由に発表でき、人とアートを結びつける場を提供するという意志が感じられる、とてもステキな場所ですよ!

ここからは、今回観覧して印象に残った2つの展示について、個人的な感想などなどをお話しします。

作品写真は展示側から撮影・掲載許可を確認した上で使用しています。また紹介する展示の会期は終了しています。

その① Funfare! - 東京工科大学デザイン学部有志展示団体『つみき』

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早速身内な話にはなりますが(笑)、私の通う東京工科大学のデザイン学部の有志の方々が企画した『Fanfare!』という展示会です。他学部がどのような制作をしているのか気になったのもあり、今回はこれをメインに訪問しています。テーマは音楽で、様々な視点をもった作品が展示されていました。

ひと口に音楽といっても、その捉え方は人それぞれです。目に見えないものを視覚的に表現するにあたって、作り手による解釈が鍵になるでしょう。音楽を聴くものとして捉えれば、楽曲のジャンル・雰囲気をタイポグラフィ(文字の表現)や絵画に落とし込んだ作品がありました。自作曲のCDジャケットを制作したり、面白いものではギターや衣装をデザインした人もいました。モノづくりという視点では、音楽を媒体として身に着けるという発想で、イヤフォンをおしゃれに仕上げた作品も。よりプロデュースの方向に発展させ、架空の音響機器メーカーをまるごとPRした作品には驚かされました。

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一方、音楽を感じて親しむ人々にフォーカスした作品も多かったです。生活の様々なシーンで聴かれる様子、気分が晴れ晴れとする開放感、ライブに行って盛り上がるファン… 音に触れるあらゆる機会が作品に映し出されていました。変わり種では、自分の望む能力をビーズに例え、音の成分として靴に入れてその音色を楽しむという、体験型の素敵な作品が印象的です。また音楽の作り手としての視点では、様々な葛藤や苦悩が描かれていました。オリジナルソング、或いはコマ撮りによる映像作品といった多様な手法を通じて、楽曲制作への励ましや楽しさを表現していました。

専攻と学年の枠を超えた有志団体だからこそ、音楽という一つのテーマから豊かなモチーフが導かれ、多種多様な作品を創り出せる良さが光っていたと思います。さながら、まるで部屋の中で大きな演奏会が開かれているようでした。他学部のアクティブな活動に刺激を受けたのはもちろん、彼らの次なる発表の場に期待が高まります。

その② ゴシキノフウドウ展

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5名のイラストレーターによるグループ展、それがゴシキノフウドウ展です。「五色」と「風動」の名の通り、全く異なる感性をもった作り手による作品が数多く展示され、それぞれの世界観に浸ることができます。展示全体に一貫したテーマはなく、暖かみのある絵から冷たく寂しげな絵まで、純粋に表現に富んだ作品群を楽しむことができます。

作品を眺めていて感じたことは、同じイラストであっても デジタル端末で見るのと、リアルで鑑賞するのとでは受ける印象がまるで違うのです。たしかに今の時代ではクリエイターはSNS上で情報発信することができますし、この5名も例外ではなくTwitter等でイラストを見ることはできます。しかしそれはあくまで、手の中の画面越しに十数秒見る程度の体験です(極端な言い方ですが)。

一方で、リアルの展示会という場では、ひとつひとつの作品をじっくりと見ることで得られる特別な体験があります。指先のピンチアウトではなく、自ら身を動かし目を凝らすことで、その絵の空気感や細やかな風味を感じ取ることができるのです。特にこのゴシキノフウドウ展では、額縁に入った絵の他にも、原画の大きなキャンバスそのままで展示されている作品もあります。色の彩りも塗りの質感も、デジタルで見るそれとは圧倒的に情報量が多いんですよ。こうした新たな体験を含め、5名による感性・画風の違いの魅力というものを、存分に堪能できました。

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ちなみに私のお気に入りのイラストレーターは、ひな田さん(@mohi_hinataです。展示室に入ってすぐに目を惹かれ、まさしく一目惚れしてしまいました。柔らかでほんわかした絵のタッチと、パステルカラーの色彩が非常にマッチしています。特にブルー系の塗り分けがすごく丁寧で、透き通るような海からマットなお部屋の中まで、実に表現豊かでした。

こういった"ゆるふわ"な画調を得意とするクリエイターさんは他にも多く見ますが、ひな田さんの描く絵はそれぞれが独特の世界観をもっていて、細かく書き込まれた世界からは色々と想像が膨らみます。作品を見る度に「これスキ!」という第一印象と、ふわふわ癒やされつつ世界にのめり込んでいくような、不思議な感覚を味わいました。普段あまりグッズは買わないのですが、半ば衝動的にポストカードなど購入させて頂きました(笑)。本当に素敵なイラストレーターに出逢うことができて、とても幸せな気持ちになりました…! ささやかに応援しつつ、作品を楽しみにしようと思います。

最後に

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冒頭でも述べた通り、今回はいくつもの作品やクリエイターとの出逢いがあり、思わぬ発見や感動で夢中になりました。上記2つの他にも、武蔵野美術大学 クリエイティブイノベーション学科有志の皆さんによる展示『渇き』など、色々な展示を見ることができました。楽しかったです。

私は立ち位置的に純粋なクリエイターよりかはデザイナーというのもあり、自分を表現することは苦手で基本しません。ですが改めてアートに触れると、表現することの楽しさ・自由さといった『忘れかけていた原点のような何か』を思い出し、それらの重要さが身に染みたように思います。表現って本来こういうものだったな、と。物事を様々な角度から見つめる力、自らの意思を基に新たな形として創り上げる力… 学べるものは大いにあります。

そして全てのアーティストのために開かれ、人とアートの接点を形つくるデザインフェスタギャラリーという場所は、私にとっての何よりも大きな発見となりました。アーティストとアートを愛する人たちにとって、ギャラリーがどのような場所であるべきなのか。まだ見ぬ作品と才能に感性を刺激されるという体験を、より多くの人にもたらしてくれる場として、これからも盛り上がっていくことを切に願っています。

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ご紹介した展示は終わってしまいましたが、ギャラリーでは新たな展示が次々と予定されています。宣伝DMを見るだけでも面白そうなものばかりなので、是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。私もまた行きたいです。

公式HP:https://designfestagallery.com/

こちらの記事も参考にしました。合わせてお読みになるとギャラリーへの理解が深まるかと思います。最後まで読んで頂き、ありがとうございました!


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