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養育費をさらに値切って来ました。

元夫が私たちに養育費の支払いをしていないのは
娘の年齢と同じ年分。

つまり今は娘は16歳になる頃なので
15年間の支払いがなかった。

「一般的な話になるので…」と一言告げられて説明を受けた。

「離婚の際に夫婦間で養育費の金額や支払い方法を協議して決定している場合
具体的に毎月いくら支払うのか、どのような方法で支払っていくのかを決めていくのが一般的です。
この取り決め自体が民法で【定期給付債権】と呼ばれていて、消滅時効が5年と決まっています。」

な、なんだってー!
私も娘も、思いがけない言葉に驚きその後の言葉が出ない。

「え、なんとかならない物ですか?」
娘の言葉に弁護士さんが「うーん」と小さく唸った後
「民法の169条で決まっている事で、もう15年経過している状態になります。
なので、請求できるのは今から5年分だけになります。」
そこから、成功報酬で回収した養育費30%が引かれて…
手元入るのは50万円にも満たない金額になる。

学費の足しにもならない…!

「ただ。」
そう言って私たちに再度弁護士さんが、話しかけてきた。
「あくまで、それを向こうが言ってきた場合です。」
「?」
「向こうも、これだけ放置した養育費を今から『払え!』と言われて、素直に支払うとは思えません。」

確かに。のらりくらりと支払をかわして来ているしね。

「おそらく、5年時効の話を持ってくると思うんです。だからあえてお話ししました。」

まぁ、学費の足しにならなくとも、後は貯金で何とかしていくしかないか…。
弁護士さんの話に娘も同じ事を考えたのだろう。
お互い目が合うと、頷き合って
「分かりました。それでも構いませんので、お願いします。」
「では、それ以外にあるリスクについてお話ししますね。」

まず、手続きとしての流れはこうだ。
今回、私たちが依頼をしてから相手先住所の特定を始める。
そこから財産の確認をして、実際に請求の知らせを送るのが1ヶ月後。

調停調書や振り込み事実が確認できる通帳の提出をしたりと
最初は手間取ることも多いが、依頼してしまえば後は待つだけ。

相手方が弁護士を建ててきた場合は、別途その金額も成功報酬から引かれてしまう。

手元に入る養育費は、思っているよりも少なくなる事を覚悟してほしいと
念を押して言われた。

二人で契約書を確認し、署名・捺印をして依頼は完了。
この後、調停調書と振り込み事実の通帳コピーを提出して
手続きは完了。
後は、弁護士さんたちに任せ、私達は待つだけ。

きっと、元夫は弁護士を立ててくるだろう。
弱い人間には強気で出ていく人だけど、法律と自分の領域外の事を言われると
自分で発言できなくて、いつも受け身になっているような人間だし
離婚調停の時も、弁護士を連れてきて応戦していた。
(でも、私はヤツの弁護士に勝っていたと思ってる。)
今回も面倒臭いことになりそう。

と、思っていたら。
本当に面倒なことになった。

今現在勤務している私の職場は、ターミナル駅近くにあり
品揃えや、専門的な商品を取り扱っている会社だ。
その中でも、私は特殊な職種についている。
滅多にお客様の前に出ない為、元夫に所在がバレないと思っていたのだけど…。

会社に電話がかかってきた。
「そこに、〇〇ってやつが勤務してるだろ?何曜日にいるんだよ。」
「ご予約ですか?」
「ちげーよ!何曜日に居るのかって聞いてるんだよ!」
「…。」
電話に出た上司には、笑い話として私の離婚した時の騒動とかを話していた事があった。(しかも酒の席)
何となく、嫌な予感がしたらしく
「ご予約で、ご指名したいという事であればお伝えできるのですが…。今回はどのようなご用件でしょうか?」
「勤務している日だけ教えれば良いんだよ!」
「申し訳ございません。私どもは完全ご予約制で対応をさせて頂いております。どのようなご用件かも先に伺ってからでないと…。」
そう上司が言うと、舌打ちが聞こえ一方的に電話を切られたそうだ。

休憩から戻ってきてその事を伝えられた。
「ああ〜。多分、元夫かなぁ〜。」
私も聞いてすぐに、それしか言えなかった。

店舗責任者全員に今回の養育費請求の事について、話を通して
乗り込まれても対処できるようにして

住んでいるアパートがバレてはいないと思うが
念の為、大家さんと住民3軒には話をしておいた。

嫌がらせするための体力は一体どこから来るんだか…。
考えてみたら、40後半の男がする事じゃないよねーって思いながら
呆れていた。

その後、私が休みの日に乗り込んできたそうだが
すぐさま警察を呼んで連れて行かれて行ったそうだ。

何とも情けない。

警察に私も呼び出しを受けたので
上司に付き添ってもらって、事情を説明に行った。
(一般的には事情聴取なのかしら?)
初めて【取調室】に入って、私も上司も興味津々であちこちみていると
「皆さん、同じ反応されるんですよね〜」
と警察官がにこやかに対応してくれた。
「本当に刑事ドラマで出てくる取調室と同じ感じなんですね。」
「いや、ドラマが寄せて作ってんでしょうよ」
と、上司と二人で気軽に話をする。

だって、私は何ら悪くないもの。

警察官が椅子に腰掛け、私たちも促されて座った。

「何でも、身に覚えのないお金を請求されて頭に来て今回のような騒ぎを起こしたって最初言っていたんですよ。」
呆れ顔で警察官が話す。

身に覚えがないと来たか!
どう転んでも、お前の子供のことだよ!

って心の中でツッコミをいれつつ
表情は冷静を装って話を続けた。

「何の支払いなのか聞いていったら、養育費の請求されてるって言いましてね。間違いないですか?」
「はい。間違いないです。」
「向こうがかなりの金額請求されたって言ってたんですけど」
「娘の年齢分の請求ですね。15年分を請求しました。」
「何でまた…。」
「?一回も支払ってくれないからですよ。時効があるので、それでも金額が減るとは思いますけど。」
「…はあ…。まあ、支払わなかった向こう側がいけないんですしね。分かりました。ご協力ありがとうございます。」

そんな警察に呼び出しをされた2日後。
依頼している弁護士さんから連絡が来た。
「コロナ禍で支払いが難しいので分割でお願いしたいとの事でしたが、正直非常識な金額を提示されましたので、相談せずに話を進めています。」
「いくらだったんですか?」
「月5千円ずつと言われました」

…あいつ!なめんてんのか!

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